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天界からきた少女~王立魔法学園転入編~  作者: 鈴城伊織
プロローグ
1/12

幼き光

2020年夏より連載スタート

長い夢を見ていた気がする。




「サラ、僕は行ってくるよ」




自分と同じ、陽の光を集めたような金色の髪、静かに波立つ湖のような藍色の瞳。


どこか中性的な雰囲気を醸し出す、双子の弟を見つめながら、私は瞳に溜まる涙を零した。




「どうしても?お父様の傍に、いてあげないの?」




ふわりと優しく笑った弟…ノアは、母譲りであろう柔らかい眼差しを私に向けた。




「父様には、サラがついているから大丈夫。僕も、家族の為に行ってくるよ」




「…私が今、ノアと離れることを悲しんでるのに?」




ノアがどんな決意を持って言っているか、わかっている筈なのに、高まる感情を抑えられない私は、駄々っ子の様な口調になってしまう。




「僕とサラは、二人で一人。どんなに離れていても、僕たちはずっと一緒だよ」




「…それは、そうだけど…。」




「それにね、サラ」




スッと垂れ下がっていた私の手を握ったノアは、静かな瞳を細めながら覗き込んでくる。




「僕は、知りたいんだ。母様のことを。家族のことを。自分で確かめて、自分で考えて、これからどうするかを生きていきたい。父様に守られてばかりの毎日は、嫌なんだ。」




「だって、私たちまだ子供なのに…。」




「うん。この世界で子供のうちに、行動したいんだ。一人前になる準備をする時なんだよ」




その気持ちはわかる。私はずっと、お父様に守られているから。


毎日、緩やかな幸福の日々を、作ってくれる存在がいるから。


でも、一人で先に行っちゃうのは、やっぱり寂しい。




「…本当に、気を付けてね。手紙も出すからね?定期的に連絡してね?」




ノアの気持ちがわかるように、ノアも私の気持ちが手に取るようにわかるだろう。


繋がられた掌は、ギュッと強い力で握られた。




「もちろんだよ。サラに、父様と母様の物語を、うんと聞かせてあげるから。」




「約束だよ!絶対だからね!」




ボロボロと落ちる涙を、慣れた手つきで拭ってくれたノアは、私の大好きな笑みを浮かべて頷いた。




「じゃあ、サラには父様の秘密を少しだけ教えてあげる。…人間界での父様はね…---」



不定期更新となります。


※フィクションであり、現実のものと一切関わりはありません。

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