99 覚悟を決めなくてはいけないのかもしれない
レイチェルはすっかり暗くなった街を歩きながら、考えていた。
サワンドーレから、パリサイド着陸にあたっての詳しい説明を聞いてきた。
混乱や不満が生じないよう、できる限りのことをするつもりで。
ただ、ユーキーツ長官という肩書はもう不要。
しかし、地球から来た人類として、代表者は必要。
少なくとも、パリサイドの社会に溶け込むまで。当面の間は。
今すぐにでも決めなければいけない。
できることなら、着陸前に。
ただ、その方法は?
廃れた方法だが、選挙……。
その時間は、もうない。
では、誰かを推挙するか。
誰を。
ンドペキやスジーウォン、コリネルスが適任だが、彼らは受けてはくれないだろう。
ただでさえ、プリブやアヤのことに頭を痛めているときに。
他に誰がいる……。
チョットマ……。あるいはイコマ?
スゥ……、ライラ……。
覚悟を決めなくてはいけないのかもしれない。
自分が、と。
しかし、そのためにどんな手続きを踏めばいいのだろう。
成り行きで、いつの間にかそうなっていた、これだけは避けなければならない。
たとえ、自分がただひとり、ホメムの生き残りだとしても。
それにもう、ホメムだとかマトだとか、メルキトもアンドロも、そんな区別は必要ない。
自分自身も、ベータディメンジョンを経由して生まれ変わった人間。
生粋のホメムだと胸を張って言えるわけでもない……。




