43 今この時期、妙に張り合われても
スジーウォンはしばらく唸っていたが、
「隊員達に聞いてみる。ありがとう。ここは私達が居るので、もうお戻りになっても結構です」
声を掛けたが、老呪術師は椅子から立ち上がろうとしない。
「アヤちゃんのことを、レイチェルに知らせておいた方がいいな」
スジーウォンが独り言のように一言添えた。
そう、二人は親友だから。
その伝言を頼むニュアンスで。
それでもライラは、
「スゥの奴め。もう、一緒にやっていけないね」などと言いだした。
「どういうこと?」
チョットマは聞いてはみたが、意味はわかる。なんとなく。
きっと、薬のことを説明しなかった、という類のことだろう。
「でも、おばあさん。今までも」
「そうさ」
これまでもこんな関係でやってきたのだ。隣同士で店を構えて、喧嘩しながら。
本当は、まんざらでもないのに。
その証拠に、ライラはフフンと言いながら、
「どうせ、あいつのことさ。自分で探せって言うんだろ」
と、カプセルの残り滓を掌に転がしてみせた。
「それがあれば安心ね」
チョットマは、あえて朗らかに言った。
今この時期、妙に張り合われても困る。
ライラは、「ああ。誰もが欲しがるものさ」と、今度はカプセルを透かして見ている。
「何も書いていないね。違法薬品だな」
「ダメよ。買い占めたりしちゃ」
「フン、おまえに言われる筋合いはないね」
「だって」
「あたしゃ、パリサイドが嫌いなんだ。やつら、こんな大事なことも言わないで。いや、それはどうでもいい」
「おばあさん」
「チョットマ、その呼び方はやめとくれ。いつからそんないい子ちゃんになったんだい」




