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26 ふたりとも、しつこいよ

 チョットマも、ンドペキとイコマの意識と記憶が同期していたことは知っている。


 えっ、そういえば!


「ねえ! パパは大丈夫かな!」

 今頃、倒れてやいないだろうか。


「そんなこと、ないと思うよ」と、スゥは言ってくれるが、心配になってきた。

「ねえ、その錠剤って、パパにも飲ませた?」

 そう言ってから、勘違いに気がついた。

 スゥは、「まさか。フライングアイに?」と微笑んでから、ライラを睨みつけた。


「くだらないこと言うから、チョットマが心配するじゃない」


 ライラは、「さあね」と、大げさに腕を広げてみせた。


「ンドペキとイコマが同期していたのは、あの錠剤によってじゃないし、今回の事件にも関係ない!」

 スゥがきっぱり言っても、

「あれにどういう作用があるのか、結局、教えてもらってないからね」と、宣う。



 チョットマにも、その時のことは少しだけ記憶がある。

 あの洞窟。ホトキンの間。

 パパとンドペキとスゥがいた、あの時のこと。

 自分はレイチェルとのことで頭がいっぱいだったが、三人ここで、何をしていたのだろう、とは思ったものだ。


「ねえ、スゥ。その錠剤って」

「ふたりとも、しつこいよ」


 スゥは濡れ手拭いをことさらきつく絞って、ンドペキとスミソの額に当てた。


「こんな時に……、いい加減にして欲しいよ」



 ライラは「お前なら、いい薬を持っているんじゃないか。そう思ったんだがね」と、開き直っている。

 その眼は、少しも悪かったと思っていなさそうだったし、微笑んでもいなかった。



 隊員がとりなすように口を挟んだ。

「で、何をしてたんです? ンドペキは。それに、スミソはなぜあそこに?」



 スミソも、この部屋からさほど遠くない路上に倒れていたという。

 隊員三人連れ立って、ゴミが落ちていないか、巡回中に発見したらしい。


「アヤを探しに行って」

 アヤの聞き耳頭巾のことは、隊員は全員知っている。

 スゥが事情を話した。


「で、スミソは?」

 こちらも隠すことではない。

 昨夜の訪問者、フイグナーの件を話した。


「消え方が変だった。そいつの素性を探るために、後をつけて行くって」


 誰も、後の言葉はなかった。

 ンドペキのうなされた声と、スミソの息遣いだけが聞こえていた。

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