20 ノブ、あーあ、って感じ
そろそろ本題に戻した方がいい。
これ以上、聞かされてももう頭に入らない。
イコマはフゥと溜息をついて、ユウの髪を自分の指に絡ませた。
「それで、今回の任務。調査ってのは?」
そうねえ……、とユウは言葉を濁す。
「私達はこのユリウス宇宙の警察でもないし、領土だとも思ってない。それでも、どこでどんなことが起きているのか、把握しようとしてきた」
「ああ」
「安全に生きていくために」
「で、太陽の活動も見てたんだな」
「もちろん。かけがえのない地球に関わることだから」
ユウは、どう話そうかと思案しているのか、躊躇したのか、コーヒーを淹れに立った。
「夜中にコーヒー飲んだら、寝れなくなるぞ」
「そか。じゃ、ホットミルクにしよう。あ、そういや、ノブ、よく甘酒飲んでたよね。寝る前に」
「ああ。それで太った」
ユウはベッドに入ろうという気はない。
今夜もまた、もうすぐ出ていくのだろう。
それ以外にも、イコマには少々、不満がある。
いや、疑問か。
聞いておきたいという気になった。
「なあユウ、最近、というか、ここへ来てからかな、関西イントネーション、消えてるで。なんでなん?」
「えっ」
「いや、なにか理由があるんやろな。言わんでもええ」
ユウが、少し寂しい顔を見せた。
「ノブ、あーあ、って感じ」
「ん?」
「そんな疑問があるねやったら、なんでもっと早う言わへんかなあ」
「まあ……」
「大体、そんなどうでもええこと、私に言われへんって、どういうことなんやろ」
「えー」
「その方がいいん?」
「いや」
「六百年、使うてない。理由はそれだけ。それにノブもそうやん。大阪弁とちょっと違うやん」
意識して使うこともない、ということになった。
「すまん」
「なんで謝るかなあ」




