20/385
20 宇宙空間の講義
宇宙空間。
つまり人類が住む空間、この宇宙。
これ以外に、多くの宇宙が存在することは周知の事実。
人類がそれらを自由に行き来することは未だできないし、その必要もないが、多元宇宙という概念は既定となっている。
「パリサイドは、次元の狭間を潜り抜ける。ユリウス宇宙、僕らの住むのこの宇宙の隅々まで到達することができるんだよな」
「そうよ。簡単なことじゃないし、最遠部は無理だけどね」
「かつて神の国巡礼教団は、そうやって宇宙を旅しようとした。初めて人類は本物の宇宙空間に飛び出し、冒険に出たわけだ。次元の狭間を縫って」
「うん。でもそれはちょっと違うのよ。次元の狭間って、本来、次元と次元を隔てる隙間のような場所であって」
「正確に言うと、そういうことになるか」
「私たちがいるこのユリウス宇宙、それを包んでいるこの次元、つまりユリウス次元の本当の構成は、二十一世紀に生きた私たちの理解とはまったく違っていたのよ」
宇宙空間を平面に例えると、アコーディオンのように折り畳まれているという。
折り畳まれた空間がまだ折り畳まれて。と、それが繰り返されているらしい。
「その折り畳まれた尾根の部分を渡っていけば、かなり遠くまで瞬時に移動できるということ」
「次元の隙間じゃなかったわけだな」
「そういうこと」




