100 初めての恋、って思ってたけど……
チョットマは、以前、パパに言われたように、時々、自分の心の中を覗き込んでみることがある。
今夜の、このざわついた感触は何だろう。
苦く冷たいものが喉を流れていき、体中に毒を含んだものが回っていきつつあるような。
もちろん不安なことがたて続けに起きて、先行きがみえないことが原因。
しかも自分にとってとても大切な人が。
私自身も。
でも、それだけだろうか。
もうすぐパリサイドの星に着くというのに、どんな予定も、どんな希望もない。
それどころか、どんな暮らしになるのかさえわからない。
これが原因だろうか。
なんだか、違う……。
そんなことを深刻に考えるのは、私らしくないし……。
私はプリブがどれくらい好き?
アヤちゃんのことは?
どれくらい好き?
言葉では表せないことに、こんなに悩んだことがあっただろうか。
好きで好きで堪らないけど……。
でも、それはどれくらい?
それからスミソのことは?
なにか、違う……。
そういえば……。
あんなに好きだったンドペキのこと、今日は一度も思い出していない、かも。
初めての恋、って思ってたけど……。
小さな溜息をついた。
そして、私は何の役にも立てないし、と呟いた。
その呟きが言い訳に過ぎないこともわかってるけど……。
オペラ座のひとり用ブース。
目の前に浮かんでいる画面にそっと指を這わせた。
その指を、マスカレードと書かれた文字のところで止めた。




