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お隣さんとベランダごはん  作者: シルヴィア・紫の夜明け


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10/11

ローストチキンとクリスマスケーキ、スモークサーモンのポテトサラダと豚汁

 クリスマスといえば残業。

 そして近所のスーパーで売れ残っていた、半額のローストチキンとクリスマスケーキ。

 半額、それだけで嬉しく感じられる。


 時刻は23時を回った頃。

 もうお隣さんは寝ているのだろうか、と思ったが気にせずに、チキンを温めてベランダへと出る。

 やばい、チキンの切り方分からないと思いながら適当にナイフを入れる。

 結構ベランダの机がガタガタと鳴って、普段なら近所迷惑だろうけれども、今日はそこら中でガタガタしているはずなので、うん大丈夫だろう。


 チキンとガタガタしているとお隣さんのベランダのドアが開く音がした。

 そしてひらひらとした手。

「メリークリスマス」

「すいません、起こしてしまいましたか?」

「いえ、今帰ってきたところでして、お隣さんが何かガタガタしているなと。ナニシテタンデスカ?」

「チキンを切るのに苦戦してまして」

「ナルホド、そうでしたか。チキンは切るというよりも、外す感じで、分解していくといいですよ」

「おお、なるほど。凄い凄い。綺麗に取れた分、お隣さんに上げますね」

 足というのだろうか、解体した肉の部位の取っ手のような箇所に、アルミホイルを巻いて皿に乗っけてお隣さんへプレゼント。

「あ、ほんとにチキンだ。私もお返し持ってきますね」


 そう言ったお隣さんから返ってきたのは、山盛りのポテトサラダ。

 ただポテトサラダのオレンジ色がニンジンではなかった。

「サーモンって、豪勢じゃないですか」

「今日はクリスマスですから」

「クリスマスといえばケーキ、こちらも送りますね」

 紙皿にクリスマスケーキを載せて、サンタも載せて、お隣さんへプレゼント。

「あ、ありがとうございます。か、返せるものは……と、豚汁でいいですか?」

 使い捨てのどんぶり型の容器に並々と入れられた豚汁が返ってきた。

 一瞬、これが下界に落下したら、豚汁まみれのクリスマスとして降りかかった被害者の生涯忘れられぬ記憶になるのではないか、と思ってしまった。


 チキンとケーキがポテサラと豚汁に半分置き換わったテーブルを見ると、持ち寄り型のパーティーをしているみたいで嬉しく感じる。

「メリークリスマス」

「はい、メリークリスマスです」

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