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愛されたくて

今日は1日2回投稿しました!

 「亜美、お待たせしました。紅茶、熱いからね、気をつけて。はい、チャーハンをどうぞ。温かいうちに食べな。亜美、胡椒はそこにあるよ」と僕は料理をソファーの前にあるテーブルに置いて言った。

 

 亜美は紅茶を飲もうとしたら「あちゃ!! あつ〜い! 私、猫舌だからさ、フーフしないと飲めないんだよ。あははは。う~ん。紅茶、美味しい~っ。竣、どうもありがとう。いっただきまぁ~す」と言って、チャーハンを勢いよく掻き込んでいった。

 

 「チャーハンも紅茶も出来立てだから美味しいね。紅茶は以外にチャーハンに合うんだね。竣、料理も出来てスゴいじゃん」と亜美は言って美味しそうにチャーハンを食べてくれた。

 

 亜美は本当に美味そうに食べてくれるから嬉しいし作りがいがあるよ。

 

 亜美は昔からそうだった。チョコレートを、ひとかけらだけでも、美味そうに食べくれるんだ。あめ玉1個でも笑顔を見せながら食べてくれるので本当に嬉しくなってしまう。


 「亜美、相談ってなんだい?」と僕は流していた映画を消して言った。


 「詩音の事なんだ」と亜美は落ち着きなく言った。


 「小川詩音?」僕はコップに冷たい麦茶をコップに注いで、亜美に差し出して言った。

 

 「うん。竣、今度、皆で海でキャンプをしたいと思うんだけどさ。でね、詩音も仲間に入れたいなぁ〜、と考えたんだけど、竣はどう思う?」と亜美は麦茶を飲み干して言った。


 「良いんじゃない。皆も喜ぶよ。美華ちゃんは詩音と会ったことがないと思うから、紹介したいし。詩音の夏休みの状況は何か聞いているのかい?」と僕は言って亜美のコップに麦茶を注いでから扇風機の風力をリモコンで中に設定した。

 

 「今、南にいるわ。洞窟に探険しに行っていて、来週に戻るみたいなの。なんかね、『亜美、古代の遺跡を発見したかもしれないんだよ! あははは! これだから冒険はやめられないぜ! あははは!』と出発前に言って、凄く、はしゃいでいたわ。今回で洞窟は3度目なんですって」と亜美は肩を竦めながら言ったが、顔には笑顔が浮かんでいた。

 

 「詩音に連絡してごらんよ。キャンプに行こうよ、と誘ってみなよ。今、電話をしてみな」と僕は電話を掛ける真似をして言った。


 「大丈夫かな?」と亜美はオロオロし出した。顔を赤らめている。


 「大丈夫さ」と僕は言うと、亜美は照れながらスマホで詩音に電話をした。


 「出ないねぇ……」

と亜美は不安気な顔をして僕を見ていた。


 「あっ、掛かったわ。詩音? 私、亜美だよ。今さ、電話、大丈夫かな?」と亜美は早口で喋った。


 『今ね、洞窟から出てきたとこだよ。亜美、今日は約500メートル近く進んだんだけども、この洞窟は怪しいぜ。進んでいくと地下に何らかの住居があるみたいなんだ。壁画も何点か発見したんだよ。動物とか、人のような姿が描かれていたよ。もう少し先に行くと開けた場所に出るような気がするんだ。そこまでの距離は、だいたい、あと、200メートルくらい行けば良いと思うんだ。どうだ、亜美、凄いだろう!! あはははは! 明日で探険は終了だ。明後日には戻るよ。ところで亜美、僕に何か用事かい?』と詩音は受話器越しからも聞こえるほど、デカイ声で言った。

 

 「詩音の探険が終わったらさ、皆で海でキャンプに行こうという話になってね、詩音も誘おうかなぁ〜? なんて考えてさ。良かったら、キャンプに一緒に行こうよ!」と亜美は顔を真っ赤にしながら言った。チャーハンを時おり口に含みながら。

 

 『良いよ』と詩音は返事をしたようだ。僕は亜美に『スマホを貸して』とゼスチャーをした。

 

 「詩音、久しぶり! 元気かい? 竣だよ。キャンプに行こうぜ!」と僕は電話が遠いと思ったので大き目の声で言った。


 『おお! 竣! 久しぶりだなぁー!! キャンプは良いよ。OK。キャンプは楽しいからね。明後日には戻るから、その時にこちらから竣に連絡するよ。宜しくな』と詩音は嬉しそうに話していた。


 「はい、亜美」と僕は言ってスマホを返した。


 「詩音、と言うことで、宜しくね~~っ。あはは」亜美は嬉しくて仕方がない様子だ。いつもよりはしゃぎながら言った。

 

 『亜美、誘ってくれて、どうもありがとう。嬉しいよ。亜美、明後日には……、おや!? あの明かりは何だろう? ちょっと、しゃがんで双眼鏡で覗いてみるよ。……、……。 亜美! あの明かりは、光は、一体何なんだ!?』と詩音が叫んだところで電話が切れてしまったようだ。


 「もしもし? もしもし? 詩音? 詩音? ちょっとぉー? ふざけないでよ〜! 詩音?」と亜美は立ち上がって大声で叫び返した。


 「亜美、どうしたの?」と僕は驚きながら言った。


 「竣、詩音が、詩音が…」


 「詩音がどうした?」


 「『明かりだか、光だかが見える!!』、とか言って、電話が切れたのよ〜! どうしよう?」と亜美は泣き出しそうな声で言った。


 「落ち着いて。もう一度、掛けてごらん」と僕は亜美を落ち着かせながら言った。


 「うん」と亜美は震える指で再びスマホのボタンを押していく。電話が掛かったみたいだ。

 

 「詩音?」


 『シーッ!! 亜美、小声で頼む。今、2、3人の男がいてね、辺りを探しているんだ。たぶん、俺を探しているんだと思う。初めて見るよ。今まで、奴等の噂は聞いてはいたけどさ、まだ、日が落ちてないから、ここまで鮮明にハッキリと姿が拝めるとは驚きだよ。まさか確認できるとは。亜美、どうだ? 凄いだろう!!』と詩音は小声ながらウキウキした声で亜美に話した。


 「詩音、何を、さっきから訳の分からないことを言っているのよ! 怪しい人だったら、ヤバイから気付かれないようにして早くその場から逃げなさいよ!」と亜美は大きな声で怒りながら言った。


 「シーッ! 亜美、ダメだって! 小さな声で喋ってくれよ! 奴等はノイズみたいな声で話しているぜ。少し笑える。あっ!」ここで詩音の電話が切れてしまった。

 

 

 

 

つづく

ありがとうございました♪

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