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2本目:続きが出ちゃった


「森〜」


生い茂る草木をバッサバッサと切り進む貴子。

彼女の物語が今、

半年以上の歳月を経て、ここに始まろうとしていた。


「人ー。町ー。どこ〜」


彼これ一時間は歩いただろうか。

周りの景色は全く変化がなく、人の気配は愚か、生き物の気配もない。


「あ」


貴子がぴたりと足を止めた。

何かに気づいたようだ。


「あー……」


気の抜けた声を出した貴子。

それもそのはず。

貴子の視線の先、そこにあったのは——



「ニホンオオカミ〜」


貴子が傘で斬った、獣だった。


そう、

貴子は一時間かけて、元の場所に戻ってきたのである。


というか、貴子。

それはニホンオオカミではない。


貴子は傘先で獣をつつきながら、

「うーん」と唸った。


(この森を抜けるには、どうしたらいいかなぁ……)


今度は入念に計画を立ててから動くことにしたようだ。


貴子は数秒ぼんやりと空を見つめて、


「そうだ」


何を閃いた。


空を眺めていた貴子。

恐らく、太陽に向かって進むことにしたのだろう。



バサッ。


……様子がおかしい。


貴子は傘を開いて、空に掲げた。

次の瞬間——



「飛べ〜」



貴子は緩慢に声を上げた。


いやいや飛ぶわけがないだろう。



——ふわっ。


飛んでしまった。



貴子の足は地を離れ、傘に吊られてぐんぐん空へと昇っていく。


そして、森の木々の背を超えたところで上昇を止めると、周囲を見渡した。


「見える見える」


何故当たり前のように空を飛んでいるのだ貴子。

何故制御できているのだ貴子。


「お?」


何かを発見した貴子。

一点を見つめて、首を傾げた。


(平べったい屋根?)


森の中にぽっかり空いた空間。

そこには背の低い建造物があった。


貴子はじっと、その建物を見つめている。



ミュージカルでも始める気なのか。

あの平たい屋根を、ステージにしてしまうのか貴子。

私はもう、何も驚かないぞ。


(行ってみるか〜)


貴子の最初の目的地が決まった。


どうせそのまま飛んで行くのだろう。

案の定貴子は手首を僅かに返し……


すたっ。


降りた……だと……?


「あっちにれっつご〜」


貴子は傘を閉じて、再び道を阻む草木をバッサバッサと斬り始めた。


何故だ貴子。

そのまま傘で飛べばいいだろう。


ようやく人に会えるかもしれない期待からか、貴子は上機嫌に森を抉りながら進んで行った……。


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