18、三花ちゃんの今後
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僕と三花ちゃんは幼稚園、小学校、中学校と同じクラスに設定してある。
許嫁と言う事もあり、周りからは仲良し夫婦と呼ばれていた。
成績も2トップで僕はなんとか三花ちゃんにふさわしくあろうとしている。
それにしても三花ちゃんは本当にすごいと思う。学業だけでなく、芸能活動までこなしているのだから。
歌手として全国区に知れ渡り、学校でも生徒会会長を務めていて毎日多忙な日々を過ごしている。
そして僕も副会長として生徒会活動に従事していた。
近隣の学校との交流も定期的に行われその準備として会長である三花ちゃんと副会長の僕が出向いて会合する。
先方の学校側も三花ちゃんの事を知っている為、挨拶をすると必ずと言っていい程サインをせがまられる。
が、公私混同せず丁重にお断りしている。相手側はがっかりとした表情を浮かべるが仕方のない事だ。
でも決まって帰り間際にサインを書いて相手をびっくりさせている。
先方はあきらめていただけにサインを貰えて感激しているのが分かる。
母校の文化祭では三花ちゃんのコンサートが開かれ、生徒や教師一同で会場が満員になった。
所属事務所のスタッフがビデオで録画したり、写真を撮ったりと大盛況に幕が閉じられた。
非売品としてダビングされた物が学校に寄付され、後日視聴覚室でコンサートの風景が流れ三花ちゃんは第三者目線から自分を見て複雑な表情を浮かべていた。
後から聞いた所、良かった所、悪かった所等次回に生かす事らしかった。
体育祭でもプログラム表に『シークレットタイム』と記載してあるだけで、本人と僕、先生方しか知らされずに生徒達や来賓の方々。父兄の方々は何があるのだろうと身構えていた。
内容は僕の2度目の人生の時に三花ちゃんになった僕が歌ったのと同じだった。
父兄の席には両親、ピアノのレッスンの先生も来ており三花ちゃんのコンサートを観ていた。
今回も近所の方々が何事かと観に来て事務所のスタッフが物販品を並べており列をなしていた。
またバザーでも三花ちゃんのコンサートは大人気で会場は満員になった。
文化祭やバザーでは三花ちゃんのコンサートだけではなく、交響楽団の方々が来てピアノのレッスンの先生指揮の元、ゲームBGM、その他もろもろが演奏され観客達は拍手喝采だった。
通常なら一定の額を払わなければいけない所、無料で聴けたのだから生徒達はもちろん父兄の方々も興奮冷めやらぬ状態で後日その情報が校下に広まり、
「勿体ない事した。」
等、評判になった。
「三花ちゃんお疲れ様。」
僕が三花ちゃんにねぎらいの声を掛ける。ここはコンサート会場の舞台裏。
「皆様、お疲れ様でした。」
三花ちゃんが言う。ここにはスタッフやレッスンの先生。楽団の方々。そして僕がいる。
そうこうしていると担任の先生が理事長と校長と共にやってきた。
「鏡原さん、お疲れ様。」
先生が言う。
「鏡原君、君はわが校の誇りだよ。今後も身体に注意して活動してくれたまえ。」
「学校側としても協力する事があれば遠慮なく言いたまえ。」
理事長と校長が言ってきた。
「機会があれば宜しくお願い致します。」
三花ちゃんが返答しながら会釈した。
「おお、あなたは作曲家の〇〇先生。先生の曲は自分もよく聴いていますよ。」
レッスンの先生が近づいてきたのを気付き言った。
「ありがとうございます。三花ちゃんは将来有望ですよ。音楽だけではなく今後は活動の幅を広げる事をおすすめします。」
先生が言った内容を要約すると、三花ちゃんは歌手だけではなく女優にも向いているらしい。
確かに三花ちゃんは誰もが振り向くであろう美少女だ。女性の象徴がこれでもかと言うくらい主張しており、今後子役活動すればより一層人気が出ると思う。でもな・・・。
「機会があればチャレンジしたいと思います。」
三花ちゃんははたから見ると乗り気でいるみたいだ。
でも一瞬ちらっと僕を見た。
「ははは。三花ちゃんは乗り気みたいだけど、そこの彼氏君の意見はどうかな?」
僕に話を振ってきた。
「三花ちゃんの今後を思えば活動の幅を広げたほうがいいと僕は思います。」
「雄蔵君はそれで『本当に』いいの?私が遠くにいくかもしれないんだよ?」
三花ちゃんは僕に問いかける。
「ふ~む。彼氏君は消極的賛成という所かな?な~に心配いらないさ。無事成功を収めて母校に錦を飾るさ。さあ〇〇先生、鏡原の事宜しくお願いします。」
レッスンの先生が答える。
「雄蔵君、ここは私に任せたまえ。なに普段通り学校にも通うし心配いらないからね。」
僕は三花ちゃんの顔を見るとどことなく悲しそうな表情を浮かべていた。
思えば僕も芸能界活動を2度目の人生の時に三花ちゃんになって経験したんだっけ。
今世の三花ちゃんも大丈夫だろう・・・。
「三花ちゃん、心配しなくても大丈夫。君ならきっとうまくいくさ。だから安心して芸能界活動して欲しい。」
僕が三花ちゃんの手を繋いで言った。と同時に、
《前世での僕でも務まったんだんだから、今世の三花ちゃん自身も務まるさ。》
《本当に大丈夫か心配なのよ。》
現実の時間としては一瞬だが、僕は三花ちゃんを励ました。
すると三花ちゃんは笑顔になり、
「わかったわ。私頑張るわ。雄蔵君ありがとう!。」
と僕に言い、レッスンの先生に、
「わかりました。是非ともお願い致します。」
と答えた。
「ひゅ~熱いね~。こちらまで顔が赤くなる光景だよ。」
理事長が言ってくる。
「では早速来週から芸能界活動の範囲を広げる内容等を帰ったら事務所で会議するからね。」
レッスンの先生が三花ちゃんの所属事務所社長に今後の方針を会議する旨を伝える為、
あらかたの片付けを済ませると帰っていった。
勿論サインをせがまられ、サインをしていった。
この日の三花ちゃんとレッスンの先生のサインは額縁に入れられて理事長室と校長室に大事にとってある。後世プレミアが付いたのは言うまでもなく、その価値に教師の方々は一目見ようと理事長室、校長室に用を作り訪れる様になったのは先の話。
ここは三花ちゃんの所属する音楽事務所の会議室。
そこには事務所社長とレッスンの先生、その他幹部達が会議をしていた。
「『みかん』は水泳が得意との事だからアイドル水泳大会に参加させたらどうでしょうか?」
「まだ学生なのだからスクール水着が似合うのと本人の至っての希望でスク水がいいでしょうな。」
「アイドル運動会も視野に入れときたいな。あどけない顔立ちにアンバランスな主張する女性の象徴。視聴者の話題を稼ぐには十分だと思います。」
「ドラマや映画に出演させるのもどうでしょうか?」
等々会議が白熱しており、三花ちゃんの今後の活動内容を話し合われた。
後日三花ちゃん自身に内容を伝達されて、新たな芸能活動が組み込まれた。
今後の大まかなスケジュールを聴かされる。
老婆心ながら僕は三花ちゃんの中にいる僕と入れ替わり三花ちゃんと一緒に行動を共にした。
《では三花ちゃんの中の僕、僕の事頼んだよ。》
《わかっているよ。後は任せときたまえ。》
すなわち、三花ちゃんに僕が入り込んで、僕自身には魂の三花ちゃんと僕がいる事になる。
任意に僕は三花ちゃん自身と僕自身に入りこむ事が出来る様に『設定』した。
つまりは日常の学校生活では僕は普段通り僕本体であり、三花ちゃんの芸能界活動の時は魂の存在として三花ちゃんに入り込む。
と言う具合だ。
そして三花ちゃんの芸能界活動の新展開が始まった。
アイドル運動会、アイドル水泳大会等々昔は放映していましたが、
時代の流れと共に無くなってしまいましたね。
今後とも『みかん』こと三花ちゃんと『僕』こと雄蔵君の活躍にご期待下さいませ。




