私の気持ち ④
学校に到着すると驚きの”カタマリ”、驚異の集団が校門で待っていた
ーーーーーぅうん? 待ち構えていた
悠然と門柱にもたれかかっている遠夜、腕組みし仁王立ちに私を待ち構えていたのだ
「よぅ」
「……何でいるの?」
「ばかばーか」
うわぁ〜女の子達ばかりの集団、どこもかしこも驚愕の凄い騒ぎっっ!!
そんなこんなが全部自分のせいだというのに激しい騒ぎをものともしない
遠夜ってば遅刻者取り締まりの為に出席の風紀委員当番達の、怒りを滲ませる探る強い視線を完全無視って凄すぎるでしょう
ーーーぁあもぅ、さっきの勇ましい決意は何所ヘやら……
思わずスゴスゴと弱気なヤドカリみたく、怯えて後方に下がろうとする
なのに人の気も知らず、遠夜はスッと私の側に来るやいなや皆の前で無愛想に堂々声がけするではないか!
でもって色気も素っ気もない低い声色、グイッと校舎に向かって顎をしゃくった
「行くぞゴラァ」
「……」
当然と言えば当然、その途端「キャーーーーー!!」
盛り上がる周囲は凄い騒ぎ、きゃーきゃーキャーキャー暴風雨圏・警戒警報中の巨大台風状態になってしまった
あんまりなワァワァキャァキャァに目を白黒、右往左往キョロキョロしていると突如異変が起きた
校門の内側、植栽のソメイヨシノ寄りの物陰から、リズミカルな足音がタッタッタッタ大きく響いてきたかと思うと、急にズイッと、お揃いのジャージ姿のとある2名、超有名人が急に飛び出して来たのだ
我が校一年生の”大スター”さん
ーーーそんなの私じゃ無くても誰もが知る、校内に轟き知れ渡る人達だ
しかも知名度は『今』、全国区ブレイク寸前と言う所かしら?
見るなり私は思わずその場にフラーっと倒れそうになってしまった
しかも二人お揃いで来たと言うことは、もうただではすまないだろう
その証拠、思わぬ思っても見ない”登場”
ぱぁーーっと古典中の古典の名作映画モーゼの「十戒」名シーンの様に、広々とした青い海が真っ二つに割れるが如く、びっしりの人垣が鮮やかに開いた
一気にシーンと周囲が水を打ったような静寂に一瞬で包まれる
うんハッキリーーーそれは気味の悪い位にーーーだ
「〜ぅわぁ〜〜〜『2代目』だよ〜ォイ」
「”ヅカ部”のあの子らが来たら、さぁてさてさて、どうなるのかしら!」
「だって遠夜の『先代のファンクラブ会長』
あれから引きこもったままで不登校でしょ?」
「うん、いけずーずーしい他校オンナの暗躍と跳梁を許した、学校にも多大な迷惑かけたとかで部室で仲間と取り囲んで糾弾、見事追い落とした張本人達なんだってー、こ〜〜わッ」
「会長副会長〜遣手の『2人揃って』だものね
1年とはいえ女子バレー部主力の浅葱と瑠璃かぁ」
「あの乱暴凶悪な2人にカレン、頭からムシャムシャ食べられちゃいそーー」
「カワイソーー!」 「絶対壊されるわよねー」
「男子より口悪くて過激だからどう罵倒されて言われるかわかんないよ〜」
「泣くよねー絶対にさ〜〜、で転校しちゃうかも」
「あ〜〜あぁーーー」
「きのどくぅ」
「ザンネーン」
ヒソヒソヒソヒソーーー……
周囲四方から密やかなかすかな、けれど凝視される視線
ハッキリ悪意すれすれ、物見高いうねるような囁きが波の小波に似た振動作用を空気に与える
揺らぎの中心にいる奇妙な真空状態
『私達4名』
見るからになコワイ顔を作り、威圧感丸出しの怒気を全身からピシャーッと発した人達
「全国中学女子バレー部の星」
〜噂では(海外)プロリーグから、遠路はるばるスカウトまでやって来て既に接触したという
Vリーグのスポーツ専門雑誌にも掲載された極上の武勇伝を持つ有名人の2人
当たり前のように、将来はオリンピックも出るかも知れない人材
その囂々渦巻く圧の中で唯1人、全く遠夜は動じていなかったのが不思議で、私には彼の飄々と風のような自然体の様が全く信じられなかった




