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見習い錬金術師ミミーのノスタルジック冒険標  作者: シノト
1プロローグ
11/14

1-11 日常の痴女の行い

教会に着くと早速とばかりにカリーナは足を踏み入れ、サーニャはそのあとに意気揚々と続き……。ミミーは嫌々入っていった……。


「これはすごい!!」

「ステンドグラスが綺麗ですね~」

「でしょ~♪」


教会の中に入ると、長椅子が整然と並べられ、一番前に机があり、一番奥に綺麗なステンドグラスの前に……。ミミーいわく意味不明な像が3つ。


「ようこそいらっしゃいました。」

「ようこそ、精霊聖教会エナ支部へ。」


そういって迎えたのが、ブラーニャと新人シスターのミントだった。ミミーはさっそく……。


「ブラーさん、ちょっとお話があります……。」

「はいはい、何ですか~ミミー先生~♪」


ミミーにブラーニャは近づくと……。小声で話し出した。


「ブラーニャ、至急ヴェロニカに伝えなさい。例の件、確かにミルミート・アベル・ツー・エリュシオンが引き受けましたと。」

「仰せのままに。」

目を見開きながら理解したブラーニャは、直ぐに立ち上がると、ヴェロニカのもとへ急いだ。


「ミント~あとの案内はよろしく~。ちょっと急用終わらせてくる~♪」

「ええ~‼」


突然の指名に驚いたものの。子供の相手であるから、特に緊張も無いように話し出した。

「突然ですが、案内を仰せ使いましたので。皆さんよろしくお願いしますね。」

「「「は~い」」」


「えっと、まずカリーナちゃん、何か間違えてるところがあったら、訂正してくださいね。」

「了解です、ミントさん。」

「それとミミーちゃんは、初めましてですね。確か、ピリーさんのお弟子さんですね?」

「そうです、初めましてミミーと申します。今日はよろしくお願いします」(久しぶりの全然知らない人だわ。多分私のことも知らないのね。)

「それと、あなたがサーニャさんね。エナの町も初めてということで、よろしくお願いしますね。」

「よろしく頼みます!!」

「で、サーニャさんは教会そのものが初めてとか……。」

「俺、闇属性だから……。なかなか教会には入れてもらえなくて……。」

「まぁ、そんなくだらない迷信がいまだに通っている教会があるなんて。シスター長に知れたら聖火で焼き切られますよ。」

(まぁ、ヴェロニカさんならするだろうなぁ~)(お婆ちゃんならやりかねない……。)

「安心してくださいね、私が今日はきっちりサーニャさんとミミーちゃんをご案内しますね!!」

「よろしくお願いします!!」(えぇ……。)


「まず、簡単に精霊聖教会について説明しますね。この教会は、300年ほど前、ダルバード様が聖属性魔法体系を表された事に起源します。当時ダルバード様は聖属性の適性があるものを集め聖魔法協会を作り各地に研究所を作りたくさんの人々を救いました。」

(そう。そこはあってる……。)


「いつの間にか、各協会にはその経緯を評して、ダルバート様の像を作るようになりました。それがこちらのダルバート像の原点です。」

(あれね。大商会の入り口においてある起業者の像的なやつ。)

ミミーたちはミントに案内されながら、正面の真ん中の像の前に立った。等身大2倍像は見事に作りこまれ、着色もしっかりされてあった。

「しかし先の戦争の時、聖魔法最高峰である異空間召喚により勇者様を召喚しますが、それと引き換えに冥府へと旅立たれてしまいました。その時から、光の大精霊としてダルバード様を讃え、祈りの対象となったのです。」

(まぁ確かに400年間ため込んだマナを使い果たして亡くなったのは事実……。でもどう考えても寿命以前の問題。しかも、召喚してから1か月は生きてたよ??なにか若いエキスがーとか言いながら、幼い娼婦に囲まれてたよ???)


そのまま移動して、若い学者の女性像の前にやってきた。

「こちらの方は、ダルバード様の御令嬢であらせられるエリベート様です。エリベート様もお若いころからダルバード様の下で聖魔法の研究に明け暮れ、先の戦争の時には、ダルバード様の死を乗り越え、エリュシオン軍の第2師団長として活躍されました。今もご存命で、現在エリュシオン軍隊長として、日夜研究に励んでおられます。いまだに多くの病気などに立ち向かわれ精霊女王と呼ばれています。」

(母さん……。これ、いつの頃の姿よ……。言ったらなんだけど、もういい感じのお婆ちゃんよ???そういえば私あの人の正確な年齢知らない……。)


そうして……。ミミーは一番近づきたくない痴女の像の前に立った。ミミーの面影はピンクのツインテールくらいしか残っていない……。

「こちらの方は、エリベート様と前王弟殿下の御令嬢で、ダルバード様の御孫様に当たられるミルミート様です。ミルミート様は、ダルバード様、エリベート様の体内マナを受け継いでおり、ダルバード様によって召喚された勇者様と共に魔王を討ち果たされた方にて御座います。戦争後もエリュシオン王国第5師団長として、また王国軍師として王国内にとどまらず大陸全土に平和と秩序をもたらした方でございます。この方がおられなければ、今の平和な大陸が成立することはなかったであろうとまで言われています。その業績と、大陸最大の聖魔法術者として聖教会は精霊姫の称号を贈りました。ご存命であることは確かなのですが、ここ数年は公式の場には姿を見せておられません。」

(しかし……。ほんとうにまじまじ見るとすごい衣装……。フリップソードもこんなに豪快な剣ではないし……。胸も冷静に考えるとかなりひどいし……。なんかはみ出そうだし……。ちょっと覗いてみよう……。)


ミミーは説明を受けた後、そそくさとミルミート像の下に移動した。実物の2倍のサイズに作られた像の下に入り込むと、くっきり見える細すぎるパンツを眺めながら……。思いふけっているミミーをミントが引っ張り出した。


「ミミーちゃん!!そこで、まじまじと見るのは、ミルミート様に失礼です!!」

「えぇ……。」

「そうだよお姉ちゃん。いくら何でもミルミート様に”たぶん”失礼だよ!」

「えぇ……。」

「ミミーが怒られてやんの~」


なぜか事情を知っているはずのカリーナにまで叱られた……。

「少し卑猥すぎると思いません??」

「何を言っているのですミミーちゃん!!そんな目でミルミート様を見てはいけません!!」

「ミミーってなんかおじさんみたいだな」

「えぇ……。」

「だいたい卑猥とはどういうことですか!?ミルミート様は体内マナだけでは救えない人々に少しでも慈悲を与えるためこの格好をしてマナ吸収をされていたというのに!!」

「……。勇者がかわいいからこれで行こう。と言って、こうなったという事は……?」

「なんだミミー面白いこと考えるな~」(お姉ちゃん……それが事実なんだ……。)


「こうなったらミミーちゃんにはしっかりミルミート様について学んでいただか無いといけませんね!!」

「俺は聞きたい!」「えぇ……。」(お姉ちゃんにお姉ちゃんの事……。)


そういって手を引きずられ、巨大な絵画の前に連れてこられた。

「こちらにある絵はご存じですか?」

「俺知ってるぜ~。ミルミート様が魔王の城を守るドラゴンをやっつける絵だぜ。」

「その通りですサーニャさん。この時ミルミート様は、勇者様に同行しておられており、勇者様のため、大陸のため、しいては、我々民のために果敢にお一人で戦われました。ドラゴンにはかなりの知性があると聞きます。そんなドラゴンに単騎挑まれる勇士は、この大陸全土の子供のあこがれです。」

「……。勇者様方が倒すと素材が全滅して使い物にならなくなるし……。普段友好的なドラゴンを倒せるいい機会だと思って一人で乗り込んだとか……。」

(えぇ……。そんな理由だったの……。)


「では、こちらならどうでしょう。」

「俺はこの絵は知らないな~。」「私も詳しく知らないのこの絵。」

「あーこれは……。火山の爆発で町に被害が出た時に、第五師団を引っ張って行ったら、火山の魔物に夜襲されたときの絵ね。」

「なんと!!戦後のことなのによく知っているではないですか!!この時ミルミート様が率いていたのは第五師団。回復専門部隊です。その回復専門部隊の簡易療養所を魔物による夜襲から守った絵です。多くの魔物との戦いは死線を極め。丘一つなくなるほどだったとか。」

「すげー!!」

「いえ、誰もかまってくれなくてヤケ酒をしているとこに夜襲され、怒りのままフリップソードで切ったら、丘ごと吹き飛んだとか……。」

(えぇ……。お姉ちゃんの酒癖悪いんだ……。)

「もう、ミミーちゃんあなたそんなに詳しいのに批判ばかり!!異教徒ですか!?」

(お姉ちゃんが異教徒なら私たち全滅だよ、ミントさん……。)


なぜか物凄くミントに怒られいたたまれない気持ちになったミミーは一計を案じることに……。

「では……ミントさん……。一度現物着てみます???」

「え???」(お姉ちゃんが着たくないって言ってた服ってもしかして!?!?!?)


そういうと、ミミーはミントを横の個室に連れ込んだ……。

ドンドン!!バンバン!!とすごい音が個室から外にこだました……。


「なぁカリーナ、二人は何してんだろう……。」

「ねぇサーニャちゃん、これだけは覚えておいて……。世の中には、絶対に怒らせてはいけない人がいるんだよ……。」

「お……おぅ……。」


少しすると、ミミーがさわやかな顔で部屋から出てきた、その手にはさっきまでミントが着ていた服一式が握られていた……。

「お姉ちゃん……。パンツまで脱がしたの……。」

「当たり前です。あの衣装下着も上下ともセットですから……。あれ……下着よね……。今考えたら……。」

「あの……。ミミーちゃん私の服返して……。」


そういいながら扉から顔だけ出して抗議するミント。すると……。

「ささ、そういう目で見なければ大丈夫でしょう。こっちへ」


ミミーがミントを扉から強引に引き釣り出した……それを見た瞬間……。

「「ブー!!」」

思わずカリーナとサーニャが噴出した。

「この服一応魔法服ですの♪装備した人間の体に合うようになっていますの♪」

「体に合うって、何か上も下もスースーするよぅ……。なんかとっても恥ずかしいよぅ……。」

「せっかくなので、これも持ってもらいましょう~♪」


ミミーは右手を空を切るように振りかざします。そうすると魔導波と共に白と黒の混合刃を持つ剣が一振り現れた。

「これを持ってください。多少重いので、しっかり魔力制御してください。」

「何この剣、物凄くマナ吸われる!!」(ちょっと待って……。お姉ちゃんその剣って神器の……。)


そうこうしているうちに、魔導波に気づいたヴェロニカとブリーミャが駆け付けた。

「なんの騒ぎですか??おっとこれはミミー様ようこそお越しくださいました。」

そしてミントを見るや否や。

「ミントさん!!この神聖な教会内でなんという破廉恥な格好をしているのですか!?しかも何か変な剣までもって!!子供の教育にも悪いではないですか!!」

「あの……。シスター長……。これには訳が……。」

「訳などあったものではありません。上も下も見えそうな格好して人前に立つとは何ですか!!恥を知りなさい!!」

「うぅ……。これは……。ミミーちゃんが私の服を持ってって……。」

「どういうことですか?ミミー様!? え……。」


そこには恥ずかしさのあまり地面に突っ伏すミミーの姿があった……。

「今のは絶対、お婆ちゃんが悪い。」


カリーナの冷めた言葉が、教会内をこだました……。

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