彼の所に
翌日、昼ごはんを食べ終わり、早速、出かける準備。ソックスは念の為に新品な物にした(自分のが無かったので弟の白のスクールソックス)
多少は身なりに気を使わなくてはと久しぶりに鏡の前に立つ。髪はだいぶ前に美容院に行ったきり、ストレートのロングが伸び放題のキューティクルは飛びまくりでバサバサ
(むむ!これは、いかん!髪は女の命だ)
慌ててシャンプーをしママの高級トリートメントをガッツリ拝借。
(よし、キューティクル改善!)
後は、リップだな。やはりツヤツヤ唇にアレだアレ。
(チュッって…)
また妄想に囚われニヤニヤするも、鏡に映るその顔がホラー映画の貞子風でゾッとした。怖いので、やはり得意の一本縛り
(ダサすぎる。明日は美容院へ行こう…)
では、とりあえず愛しい彼の所に出陣。
”プォォォ〜”
どこかで、ほら貝の鳴る音がした。気合いを入れて町を駆け抜ける。
到着!今になってドキドキしてきた。
(とにかく、少しでもカップルっぽい感じに)
高鳴る心臓を抑えながら、息を整え部屋番を押す。
「いらっしゃい」
(ドキドキ…)
「ど…どうも、テンに会いに来ました…」
「すぐ、下にいくよ」
「待ってマス」
髪型をガラスに映して整え待つとエレベーターから降りたテンがいち早く、あたしに向かってくる。
「ワンワン!キュウキュウ…」
(やっぱり可愛い…)
愛しのテンにハグをした。して、顔を上げると、やはり眼鏡の奥の彼の笑顔が!
(ズキューーーン!!)
ヤバいヤバいヤバいヤバい!
直視は目がやられる!つい目をそらしてしまった。
「さっ…さあ行きましょ」
行く前の勢いはどこへやら、どうも恥ずかしくて押せ押せできない。何気にテンばかりに話しかけてしまう。でも、彼は昨日よりは、あたしに心を許してる様子。
(ウフフ)
公園でテンと戯れる彼をベンチで眺める。秋風が吹いてきた寒い公園で、なんて爽やかな光景。しかし、彼の見た目は顔はアンパンマン。体は丸々。そして、服装は謎の英語が書いてあるボーダーTシャツ(太ってるのに…)Gパン、ブルゾン(いくらかマシ)
のスタイル。まあ、あたしもおおよそ、よそ行きとは言えないけど…(スクールソックス…)何がどこが好きかと言われたら、自分の理想とは大違いなのだが、こうしていてもやはりときめく。
(あーこれは、あれだな、ご先祖さまがあの人を私の運命の人だと連れて来た訳だ)
思えば出逢いも運命的だった。しかし、その相手が気づいているのかどうか…
(焦ることはない!必ず彼のハートをGET!)




