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新たなるスタート

そして、冷静に戻った、たっくんは改めて話し始めた。

「まずは、ご両親に挨拶に行かなきゃ」

「あっそうね。あたしもたっくんの実家に挨拶に行かなきゃ」

「……うちは…いいよ」

「駄目よ!いつの間にか結婚なんて」

たっくんには田舎に家族がいる。両親も健在で妹さんがいると聞いていた。

「大丈夫だよ。電話で連絡しておくから…」

「そんなんじゃ駄目じゃん、家族とは仲悪かったっけ?」

「いや、そう言う訳じゃないけど、遠いだろ?」

「そんな事は関係ないよ。あたしにとっては、義理の家族になるんだし…」

「そうだね…」

浮かない様子のたっくんだが意を決して

「ちゃんとしよう!未来ちゃんの為だからね」

あたしだって、正直たっくんの実家に行くのは勇気がいる。でも、やはり挨拶はしに行かないと義理とは言え家族になる訳だし、更にたっくんは続ける。

「それに、この部屋も引っ越そうと思うんだ」

「えっ何で?」

「だって未来ちゃんが来るなら狭いだろ?」

2LDKのこの部屋は一部屋も広く、狭いとは言えないが、確かに一室は、たっくんの作業部屋、後は寝室にダイニングキッチン。

「ほら、僕も仕事が増えたし未来ちゃんの荷物とか、あと、その…先には」

たっくんは、赤くなって俯いた。あたしも思わず赤くなる。

「未来ちゃんの実家から離れない方がいいと思うから、近くに出来るマンションの4LDKの部屋がいいかなと思ってたんだけど、未来ちゃんの意見も聞かなきゃね」

(つい、最近!ってあの豪華なマンション?)

反対する理由なんかない。

「あっいや、でも…あたし、お金が全然ない」

バイト風情で、少しのお金はママからの借金が無くなってからも家に入れるようにしてたし、少なからずの貯金はしてたけど小遣いを引くと雀の涙程度しかない。

「心配しないで、僕、ずっと一人で何の趣味も無かったから、お金だけは貯めてるから一括で買える」

(ヒョエー!)

ホントにいいのだろうか?それにしても、たっくんは、あたしが色んな作戦をヤキモキ考えながらしている間にもっと先を夢見てたんだな。

「まずは、未来ちゃんのご両親に挨拶に行かないと!いつならいい?」

「うん、日曜日ならみんな居ると思う」

「じゃあ、日曜日に伺っていいか聞いておいてくれる?」

「うん、わかった」

挨拶!引っ越し!突然盛りだくさんのイベントが発生し、今度は違う意味で自失呆然なあたし。でも、結婚となれば普通なんだ。


こうして、あたしとたっくんは幸せに向かって今までと違った新たなスタートを切る事になった。


ビバ!結婚!あたしは、幸せになるー!


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