第五十三話 首謀者逃亡
「うーん、ちょっとこの展開は予想外だったかな?」
「……これでもういい?」
「うん、十分だ。これでもう大丈夫だろう」
いきなりのことで何言ってるかわからないだろう読者さんたちのためにちょっと説明しよう。
まず最初に、今日の朝に確かに昨日会った連中がここを攻めてきた。
だがそいつらはアンデットが人間と全く同じ姿をしていたため場所を間違えたと勘違いして帰って行った。
間抜けどもめ。
だから俺が出てくる羽目になり、俺はこのアンデットを作り出している奴に会うことにした。
そしてびっくりしたぜ、何せそのアンデットを作り出している人間が子供だったんだからな……驚きだよ。
確かに魔力は意志の強さに比例して多くなるそうだが子供の時は少ないそうなんだよ。
なのにこの子はアンデットを作り出すレベルの魔力を持っていたんだ、驚くなという方が無理なもんだ。
そしてこの子は今回の出来事については何にも知らないらしい。
つまり他に首謀者がいるということだ。
さらに長老が言うにはアンデットをそいつは操れるらしい。
あ、ついでに言ってしまうがこの子はアンデットを作り出せるが操れはしないらしい。
アンデットは基本的に自分で考えて動くから俺もやろうと思わなければ操れない。
一応操れはするが何体も同時に操れるものではない。
そういう意味では某大量に人形を操る人はすごい。
話を元に戻そう。
この子は今回の首謀者らしき人物に心当たりはないらしい。
だからちょっと首謀者探しは時間がかかりそう。
だからこの子にお願いをしてちょっとやってもらった。
何をやってもらったかというとちょっとアンデットを消してもらっただけだ。
この子はちょっとした感じでやってたみたいであっさりと消してもらえた。
この子のことは後で詳しく聞くとして今は首謀者を探すとしよう。
「誰か最近知らない人、もしくは頻繁にどこかに出かけている人はいないか?」
「それなら僕の家の三つ隣のところの家のおじちゃんが最近よく知らない人と会ってるよ。耳がとんがっててたのは憶えている」
間違いなくそいつだな。
耳がとんがってるってのはエルフの特徴の一つだし。
ゴブリンかもしれないがそれだったらそいつは食われているだろう。
「そいつは今どこにいるかわかるか?」
「今日は見てないよ、この村はそこまで広くないからここまで姿が見えないということはどこかに出かけてると思うよ」
「なるほど……逃げたか。でもアンデットは消えたんだしひとまずは大丈夫かな?だとするとひとまず長老のところに戻った方がいいか」
この子が残念そうな顔で見つめてくる。
「お兄さんもう行っちゃうの?」
「あー、そうだな。お前は親がいないんだっけ?だったら俺のところに来い、お前はその魔力の使い方とスキルのうんぬんを覚えなくちゃいけない」
こんなことができるやつを放っておいたらどんな奴に利用されるかわかったもんじゃない。
それにニュクスにこいつが何故こんなに魔力を持っているのか理由を訊かなくちゃいけないしな。
取りあえずこの子が魔力の使い方、スキル関係のことを覚えれば面白そ――いろいろと使えそうだ。
この子は少し戸惑ったような顔をした後にうなづいた。
これは俺についてくるということでいいのだろう、勝手に解釈する。
「じゃあ俺に掴まれ、ちょっと寄るところがあるからそこによったら一回帰る」
こくんとうなづいてこの子は俺の裾を掴む。
それを確認したら俺は再び長老のところに転移する。
最後に念のため言っておくが。
この子は男の子だ。
あれ?あの兵隊さんら帰っちゃったの?だったら前の話必要なくね?とか思った人にはもう一度前の話を見直してくることをお勧めします。
ヒントを言いますが前の話では焔君が大きな失敗をやらかしてしまっているのですよ、そのせいで後々大変なことになります。




