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第五十二話 人間たちとの接触

 アンデットの奴らのところまでは結構距離があるので残念ながら再び日が暮れかけてしまった。

 そしてもう少しで到着というところで明かりを見つけた。


 なんだ?

 あいつらの村にはまだ距離があるはずだが……

 


「……もう少しで着く、明日の朝に奇襲をかけるから酒は飲むなよ」

「ならば武器の手入れでもしていましょうか、いざという時ジャムったりぽっきり折れたりしたら困りますからね」

「手入れするのはいいが明日は早い。ほどほどにしておけよ」



 なるほど、長老が言っていた武装した人間達か。

 どうするか……まずは接触してみることにしよう。

 多少情報を与えるぐらいはして、様子見しよう。

 相手を殺れそうにないならそこで俺が出ていこうか。


 方針決定。

 早速行動に起こすとしよう。



「よう、今暇か?」

「!?、誰だ!」



 向こうが緊張しないように話しかけてやったのに警戒された。

 全く、こんな気さくに話しかけてきた人を信用しないなんてどんな奴だ。

 ……人じゃないけれどもさ。



「俺か?ちょっと暇つぶしでここを通りかかったものだ」

「こんな辺境な地を通りがかる人とは普通の人じゃあなさそうだ。そしてできることなら今ここで撃ち殺したいほどの威圧感を放っているしな」

「まあそう言わないでくれよ。こっちはお前らに相手さんの情報をくれてやろうっていうのに撃たれちゃあ何も話せない」



 相手が余計険しい顔になる。



「……そこまで知っているということは本格的にただの人間じゃなさそうだな」

「俺が誰かなんてどうでもいいだろ?それよりもお前らに忠告してやるがあの死体どもには銃器類は効果が薄い。剣などでぶった切った方が楽だろう」

「どうしてそんなことを知っている?」

「それもどうでもいいだろ?お前等は情報が手に入るんだから。さて、話を戻すが死体どもには火も効果的だ。しかし死体どもは魔力を吸収すると回復する、剣で切った傷も回復してしまうだろうな」



 切り傷では試したことないけどちょっと間違えて爆散させたときは回復した。

 わざとじゃないよ、ちょっとアンデット型は塵とかしても魔力さえあれば復活できるのか気になっただけなんだ。

 俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!

 悪いのは……俺ですね、はい。


 なんて恒例の一人コントは終了だ。

 向こうがこっちの情報が必要だと判断したようで真剣に話を聞いてくれそうになった。



「ならば回復する化け物を我々はどうすれば倒すことができる?」

「答えは簡単だ。回復するのには魔力が必要、つまりその魔力が無くなるまで攻撃すればいい。相手は所詮人間なんだ、魔力の量なんざたかが知れてる」

「……我々の情報によるとその……死体はかなり数がいると聞いている、そんな相手ならば量で負けてしまうかもしれない。何か良さそうな策はないか?本来ならばあんたみたいな人とは口も利きたくはないんだが今は非常時だ」



 ここまで敵意むき出しだと逆に信用できる。

 下手に媚び売ってくるやつよりかは好感も持てるしね。



「非常時ならしょうがないな、策を授けてやろう。あいつらは普通の人間よりも運動能力が高いから確かに数で押されればきついだろう。しかし火に弱い以外にもあいつらには弱点がある、それは物理攻撃による破壊だ。あいつらにも骨はある、実はあいつらは外部的な損傷には敏感に反応して修復しようとしてくるが内部的な損傷には無反応の場合が多いんだよ。これ重要だからな、テストに出るぞ」

「……打撃武器は手持ちが少ないんだが」

「じゃあスキルで燃やせ、破壊しろ、ぶっ潰せ。相手はスキルなんかは使えない、こっちが使えるものを最大限使ってぶっ殺せ」



 ぶっちゃけアンデット型なんぞスキルでゴリ押しでいけるんじゃぁぁぁぁ!

 特に特技なんかない魔物なんざ力任せで何とかなるんだよ!



「えーと」

「面倒臭くなったからいっそのこと落とし穴でも掘って一網打尽にすればいいだろ。穴に落として上からセメントで固めたり、オイル巻いて上から燃やしてやったり。要するに一体一体じゃなくて一気に片づけることを考えろ」



 一体一体を相手するにはタフだからこっちが分が悪い。

 だから一気にぶっ潰せば一気に楽になる。



「なるほど……参考になった、ありがとうな。君について詳しく訊きたいところだが詮索はしないでおこう。ここまではなしてくれるということは敵ではないのだろう」

「さあ?どうだろうね?」


 満面の笑みを浮かべてとぼけてやる。

 すると相手も軽く口に笑みを浮かべてこう言った。


「…ならこうしよう。情報の礼に今は見逃してやるからさっさと帰れ」



 そう言って隊長(仮名)は俺に剣を向けてくる。



「なるほどな……じゃあその情に甘えてさっさと退散するとしよう。それじゃあ武運を祈っているぞ」



 そこで俺は再び森の中へと姿を消す。

 これだけ情報を与えればあいつらでも何とかなるかな?

 何とかしてくれないのなら俺が何とかするしかないのだが。

 面倒臭いので頑張ってくれることを祈ろう。




「隊長、誰と話していたんですか?」

「……通りすがりの者、だそうだ。それと新しい情報が入った、それをもとに作戦を立てるからみんな一度集まってくれ」




 さてさて、それじゃあ俺は高みの見物といこうか。

 あいつらがどこまでできるのかが楽しみだ。

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