第五話 魔神のダンジョン講座
「“魔神”の、これで安心ダンジョン講座~~~。」
・・・・のっけからなんというテンションの高さだ。早くもついていけなさそうだが・・・。
「ノリが悪いぞ。こっちじゃってちと無理をしておるというのに。」
そんなやれやれみたいな感じに言われても・・・。
「まあよい、それではまずダンジョンについて話してやろう。」
出オチ乙でしたー。
「出オチ言うでない。ダンジョンとは要するに迷宮じゃな。魔物つきのじゃが。それをおぬしには作ってもらう。」
「その前に質問いいか。」
「うむ、許可する。言うてみよ。」
最初にあった時と話し方変わってないか?・・・じゃなくてだ。
「先生はなんで俺を襲ってきた。先生はどうして突然雰囲気が変わった。」
それを知ることが最優先だ。あの発言通りだとしても普通の人間は逆におびえたような感じだったから何か先生は違うのだろう。
「ふむ・・・。もっともな疑問じゃな。端的に言うと“先生”とやらは普通の人間じゃないからじゃ。」
「それはどういう・・・。」
「まんまの意味じゃよ。“先生”は人間じゃなくメデューサじゃったからおそってきたのじゃ。」
「メデューサ?ってあの人を石にするというあのか?」
「そうじゃ。事実石になったみたいに動けなかったじゃろう?」
「しかし石には――」
「仮にもおぬしは魔王じゃぞ。簡単に石にされるとでも思うのか?」
そういえばそうだったな。
「おぬしの未熟な魔力では防ぎきれずに動きは止められたようじゃがな。ひとまず話を戻すぞ。それでダンジョンのつくり方はいたって簡単じゃぞ。」
簡単に作れてもいいものなのだろうか・・・・。
「それは気にしたら負けじゃ。そしてその作り方というのは念じればよい。」
「具体的には。」
「まずダンジョンを作る場所に立ち入口を作る。そのあとは望めばいくらでも広げられるし形も変え放題じゃ。簡単であろう?」
「“魔物”とやらはどうする。」
「それも念じるのじゃ。つまりおぬしの想像力次第でダンジョンは簡単になるし難しくもなる。」
責任重大か、俺。
「気になることがあるのだが。」
「なんじゃ?」
「いまある建造物にダンジョンが重なったらどうなる。やっぱりくっつくのか?」
「それはない。基本ダンジョンはこの世界とは別次元のところにある。じゃから入口を作るのじゃ。」
「なるほど。」
ならやってみたいことがいくつかある。えっ?ダンジョン作りにやる気満々じゃないかって?工作は昔から好きなんだ。
「原則としては必ず侵入者がおぬしまでたどりつけないのは不可じゃ。わらわの目的に反するからな。」
この目的が謎なんだよなぁ。
「あと注意すべきは・・・魔物やダンジョンを作るのには“魔力”が必要な点だけじゃな。それではさっそく作りに行くぞ。」
「おい!魔力ってなんだよ。おいこら待ちやがれ!!!。」
6/14 改行しました。