第六話 初めてのダンジョンメイキング※ご利用は計画的に
「それはまず最初のダンジョンの入口はどにする?裏の山か?そこの廃墟か?それともおぬしの家か?」
“魔神”はまるで遠足に行く子供のように目を輝かせている。まったく・・・・。
「ぬ?溜息などついてどうしたのじゃ?疲れたのか?」
「お前のせいですっごくな。」
・・・そういえば。
「おい。」
「なんじゃ?」
「いつまでも“お前”や“魔神”じゃ呼びづらい。そろそろ名前を教えてくれ。」
「確かに不便じゃな。・・・よし。わらわの事はとりあえず“ニュクス”と呼ぶがよい。」
ニュクス・・・知らん。何かの関係があるのだろうが俺は知識があるほうではないのでな。
「わかった。それでニュクス、魔力とは何だ。説明してなかっただろう。」
それがわからなければやりようがない。
「精神力の事じゃ。それでは廃墟に作りに行くぞ、ついてまいれ。」
「えっ?おい待てまだいまいち意味が――。」
・・・行ってしまった。しょうがない、ついていくか。
「やれやれだな。」
--町はずれの洋館(廃墟)--
「よりにもよって・・・。」
ニュクスが選んだのは休日には学生どもが肝試しに来る地元では有名な心霊スポットだった。
「遅かったではないか。」
「お前と違って歩いてきたんでな。」
ニュクスはあの“厨二門”で飛んでいった。(ちなみに“約束”をしたせいか互いの居場所は手に取るようにわかる)
「おぬしもこのくらいならすぐにできるようになるさ。」
「だといいんだがな。」
「うむ、うーむ。よし!ここが良いじゃろう。焔、ここに“入口”を作るぞ。」
「へいへい。あれ?・・・」
「ぬ?どうかしたのか?」
「いやニュクスいま俺の事を“焔”と・・・・。」
いままで俺の事は“おぬし”だったはず。
「そのことならば焔がわらわを名前で呼ぶならばわらわも焔を名前で呼ばねばと思いな。」
「・・・・・ええい、変な目でわらわをみるでない。」
「いや、変なところで律儀なんだぁと。」
「・・それに見た目年下のやつに呼び捨てにされるのって。」
ぼそっと。小声で本音を言ってやる。
「聞こえとるぞ。」
聞こえてるのな。それになんか既視感があるやり取りだが気にしないでもらいたい。
「そんなどうでもいいことよりもほれ、ここに早く“入口”をつくらんか。」
そんなことだと・・・俺のこの作品に対する心配はそんなこと呼ばわりされてしまうものなのか・・・・。
「これ、それほどまで悲しまんでもよかろう。・・・・・いつまで泣いてるきじゃ、早く話を進めんと“茶番乙”と言われてしまいそうじゃぞ。それにタイトル詐欺ともいわれるぞ、それでもいいのか?」
「それはまずい!で、どこに入り口をつくればいいんだ?」
「・・ちょろいの。」
ぼそぼそニュクス何か言ってるが聞こえない。
「なにをつぶやいてるんだ。早くどこに作ればいいか教えろ。」
「ん?ああ、そこじゃ二つの本棚の隙間じゃ。」
「えーと、ここか。結構目立つところに作るんだな。」
ダンジョンってもっとこそこそしているもんだと・・・。
「あほじゃな。人が来なければ意味がないじゃろう。だからある程度目立つところに作る必要があるのじゃよ。」
なるほど。そういうことか、結構難しいものなんだな。
「わかればさっさと“入口”を作らんか。ちなみに形も自由じゃから好きにするがよい。」
形も自由なのか。ならば形は決まりだな。
「どれどれ。やってみるか。」
さっそく念じ始める。・・・ふわふわした感じが全身を駆け巡ってきた。
「おお!おお!!!」
“入口”の形ができた。・・・しかしなんだか体がだるい。動きたくない・・・・。
「魔力の使い過ぎじゃな。“入口”はいわば異次元へつなげるわけじゃから大量の魔力を使用せねばならぬ。ゆえに普通は三日ぐらいかけてじっくりと作るわけなのじゃが・・・・・。」
「それを先に言ってくれ・・・・。」
ああ~。駄目だ。動きたくない。働きたくないでござる。
「これは重症じゃな。今日はここまでにしておくしかないようじゃな。」
6/14 改行しました。




