どんぐりぼうやとことりさん
今日も、どんぐりぼうやとののこちゃんは、仲良く公園で遊んでいます。
滑り台をすーっと滑って、ブランコでぶーらんぶーらんして、砂場でアイスクリーム屋さんごっこをしてから、ののこちゃんが言いました。
『どんぐりぼうやちゃーん。ののこ、どんぐりぼうやちゃんのおうちにあそびにいってみたいなー』
「いいよー。でも、ぼくのおうちはお山のてっぺんにあるんだよ。ののこちゃん、歩いて行けるかなぁ?」
『ののこ、じょうずにあるけるよー。ほいくえんからかえるときも、いつもあるいてるんだよー』
「へぇ、すごいんだねー。でもお山の上だからなぁ。うーん、うーん。あっ、そうだ!」
どんぐりぼうやはポンと手を叩くと、ピューッと口笛を吹きました。
「ことりさーん! 来てくださーい!」
パタパタパタ~と飛んできたのは、黄色い小鳥さんでした。
小鳥さんは、どんぐりぼうやのお友達なんですよ。
「どんぐりぼうやちゃん、呼んだ~?」
「あのね、ぼくとののこちゃんを、お山の上のぼくのおうちまでのせて行ってほしいの」
「どんぐりぼうやちゃんはいいけど、ののこちゃんはちょっと大きすぎるみたい」
「だいじょうぶだよ!」
そう言うと、どんぐりぼうやはポケットから小さなキノコを取り出しました。
赤くて、白の水玉もようのキノコです。
「ののこちゃん、たべたら小さくなれるキノコだよ。はい、どうぞ」
『どんぐりぼうやちゃん、ありがとう。あむっ。もぐもぐもぐ。ごっくん』
シュウウウゥ。
みるみるうちに、ののこちゃんの体が小さく縮んで、どんぐりぼうやと同じくらいの大きさになりました。
『やったぁ。ちいさくなったよー』
どんぐりぼうやとののこちゃんは、さっそく小鳥さんの背中に乗せてもらいました。
「しっかりつかまっててねー。それじゃ、しゅっぱーつ!」
そう言うと、小鳥さんはパタパタパタ~とお空に飛び立ちました。
公園も、森の木も、ののこちゃんのおうちも、びゅーんと通り過ぎていきます。
風になったみたいに、いい気持ちです。
『うわぁ、すごいねー』
ののこちゃんも大喜び。
あっという間に小鳥さんは、お山のてっぺんの、どんぐりぼうやのおうちに着きました。
「ことりさん、ありがとう」
『ありがとー』
「どういたしましてー」
どんぐりぼうやとののこちゃんはお礼を言って、小鳥さんにバイバイしました。