食事処の元気な少女
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お腹が減っているとどんな料理をどんな人が運んできたら面白いか考えるのがゴリラの日課です(どうでも良い)
目的の金属や小さな鉱石を手に入れた俺達は、リベルさんの買い物の続きやフィオラの行きたい店などを考慮し、再度街の見学を行うことにした。
ついでに食事場があるのであれば、今は丁度昼過ぎ…食事を取るのも良いだろう。
重たい荷物を背に背負いながら、賑やかな街並みを歩く。
すると、フィオラがあっと声を上げて一つの店を指差した。
「あれ!私あの場所でご飯を食べてみたい!」
「ん?レストラン見たいな物か?」
「れすとらん?」
「ああ、食事処の事さ。
まあ…確かにさっきからフィオラのお腹がグーグーなってるしな。」
と、言うと、それに反応してフィオラのお腹が鳴る。
当人は気付いて無いだろうが、結構な頻度で鳴っていた。
やっと気づいた彼女は慌ててお腹を押さえるも、音が鳴り止む事は無く、彼女もほとほと困惑していた。
「ふぇぇ…鳴り止みませーん…」
「んー…仕方ない、リベルさん通貨見たいな物はまだ残ってる?」
「はい、まだ硬貨であれば残ってますので充分食事をすることは可能ですよ。」
「やっぱ通貨で回ってんだなこの世界も。
まあ足りるなら行くか!フィオラも何だかこのままだと可哀想だしな?」
「うう…面目無いですぅ…」
年頃の女の子と言うのは空きっ腹に弱いと聞く。成長するに当たっても食事と言うのは大事なことだ。
どんなときでも食事は欠かさないのが人間の本質ってもんだからな、まあ何処が成長するか…って言うとあれだけど。きっと上半身の風船なんだけど、きっと、うん。
「リュウノスケさん、ろくな事を考えて居ないで入りましょう。」
「サラッと短編小説みたいに心読むのやめてくださいリベルさん、心臓に悪いです。」
※※※
ナイフとフォークの書かれた看板の下を潜り、ニセルウィークト?と書かれた赤い綺麗な生地の布を潜ると、そこはレトロチックで、洋風な店の内装が姿を見せた。
壁と床は綺麗な石畳で、不規則に散りばめられた鉱石がキラキラ輝いて美しい。
色々な年代の客も見え、ニーズはどの客にも通用している様だ。
それに非常に清潔な雰囲気で、食欲をそそる匂いと料理が次々と目の前を通過していく。
丸形のテーブルに3席、そこに俺達は引き込まれる様にして着席した。
良く見ると、天井にはシャンデリアを模した…いや、それに良く似た形のガラス灯籠が飾られ、更に高級感と明るさを提供している。
フィオラもその雰囲気に目を輝かせ、食欲にお腹を鳴らせている。
「わぁー!綺麗なお店!それに…スンスン…これはニトロハーブの匂いね!特別な植物や香料を使ってるみたいです…楽しみですね!」
フィオラお得意の嗅覚で、料理の香りを楽しみ、分析しながらその時を待っていた。
「リベルさん…これ座っちゃったけど、高い店とかじゃないよね?」
「大丈夫ですよ、この街の料理店はどれもこのように綺麗で、どのお客様でも利用できる様な通貨設定をしているみたいです。」
「へぇー!そりゃすげぇな!これだけ綺麗で飯も旨くて安いとか…はぁ、俺の世界もそう言うの見習って欲しいよなぁホントに!」
日本の飲食店とは訳が違うな…こう言う部分は日本も見習ってほしい所ではあるが…まあそれは叶わない夢だろう。
素直に俺達だけ堪能させて貰うとするか。
と、そこでウェイトレスの緑髪のお嬢さんが注文を受けににこやかな笑顔で現れた。
「いらっしゃいませ!食事と癒しの憩いの場へ!」
可愛らしいフリルを来た女の子が出迎えた…と、その時その少女がフィオラの方を見て、わっ!と声を出して声を掛けた。
「…あら!フィオラ!久しぶりー!元気にしてた?それにリベルさんまで!」
「あっ!ミッシェル!お久しぶりです!って何故ここに?」
「いつもの転々とした気まぐれのお手伝いって奴だよ!」
「知り合いか?」
どうやら、フィオラ達の知り合いらしい。リベルさんもにこにこしながら礼をしていた。
緑色の綺麗なエメラルド見たいにキラキラした髪、黄色の瞳、少しぶりっ子っぽい雰囲気を醸し出しているこの女の子、フィオラと同じ年の辺りの子だろうか?
「えっとー!そこのお兄さんは誰?フィオラの知り合い?彼氏?」
「ブッ!!」
直球だな!おい!
粗相と言うものが無いのか小娘ぇ!だがいいぞもっと言え!
と、思うも思わず吹いてしまった事を反省しつつ、大人な対応で質問を否定する。
「違うよ!リュウノスケさんは私のお友達です!そう言う関係ではありません!」
「フィオラさん!?お兄さんそんな時速150㎞位のデッドボール発言されたら心折れちゃうよ!?色んな意味で!」
「へぇーじゃあただのおかしなお友だちのお兄さんか!」
「そう!おかしなお兄さんです!」
「無視な上に酷くない!?おかしくないから!超正常だから!」
華麗にコマを回すようにクルクルとスルーされる俺だった。
フィオラって実はSだろそうなんだろ!?お兄さん悲しいよ!
と、ツッコミも息切れしてきた所でようやく彼女の紹介を始めてくれた。
再びにこやかに笑う緑髪の少女は、俺と握手しながら目を見つめて言った。
「ふふーん、私はミッシェル!ミッシェル・ソード!よろしくねお兄さん!」
「ミッシェル・ソード?もしかしてマルテッタさんの娘さんか!?」
「あれ?お母さん知ってるの?それなら話は早いね!そうだよ!私はマルテッタ・ソードの娘のミッシェル!お母さんがお店を見ている間は私が別の場所で働いてるの!」
どうやら彼女はマルテッタさんの娘さんだったらしい、一人で店をしているのかと思ったが…良く考えたらそんな事はないか、娘の一人や二人居てもおかしくないよな。
と、したら…父親は誰か気になるな、まあそれは後で聞くとするか。
「そっか、マルテッタさんの娘さんか!俺は竜之介、よろしくなミッシェル!」
「うん!よろしくねリュウノスケ!」
「ぶっ!呼び捨てとは年上に馴れ馴れしいな!まあそれぐらい元気な方が女の子は可愛いけどな。」
「にししー口説いても付き合わないよー?」
「口説いてねぇよ!」
何だか自由奔放で元気な子だなおい…だが、そんな所を見てると、何となくマルテッタさんのあの元気な姿に似てるな、悪い子では無さそうだ。
フィオラとも何だか楽しそうに日常話をしている、フィオラに友達がいるとは…って言うと聞こえが悪いが、内心ちょっとほっとしていた。
あの年頃で友達居ないんじゃ可哀想だ、特に俺みたいなのだけじゃ…ね?
と、そこで再び大きくフィオラのお腹が音を立てた。
慌てて恥ずかしそうにお腹を押さえるも、限界の様だ。
その様子を見たミッシェルが、クスッと笑いながら注文を書く準備を始め、此方を見て元気良く言った。
「ぬふふっ…フィオラったら相変わらずね!さあ!お客様!ご注文をどうぞ!」




