プロローグ
西暦1945年初春・・・・。
深夜の太平洋上空にB29の大戦隊が一路、東京を目指していた。
その運命の日、本来なら、東京は火の海になるはずだった。
彼らはある種の高揚感と使命感に燃えていた。
クソ生意気な極東の猿共の頭上から、大量の爆弾を落としてどやしつけることである。
爆撃目標である、帝都東京まで100キロに迫っていた。
順調にいけば、あと20分ほどで東京上空に突入するー。はずだった。
いわゆる東京大空襲である。
突然、彼らの飛行機はすさまじい気流にもまれた。
編隊の何機かは気流の影響でぶつかりあってあっという間に海上へ落下していった。
「な・・、何事だ!?」
彼ら自身、なぜ自分らがやられたのか、理解する前に海の藻屑と消えたのだった。
空中に黒髪の長い少女が浮いている。
「B29編隊全滅確認完了。これより帰投する。」
彼女はそう言って音速の20倍の早さで帰って行った。
ミッドウエー惨敗以降、日本は戦況悪化をたどっていた。
ガ島、グアムなどを米軍に取られ長距離爆撃の拠点設営を許すことになる_。
1945年初春現在に於いて、第二次世界大戦の欧州戦線はヒトラーの自殺、ナチス党の崩壊を以てほぼ終結。
これで戦線は日本VS米の太平洋戦線だけとなる。
少し後になると原子爆弾が実用化され、広島長崎に原爆を投下、日ソ不可侵条約を破ったソ連が満州に突入するという悲劇が起こることになる。
本来ならそういった流れは避けられなかった。
「彼女」が関与し始める前までは。




