29-22 「黄色い世界……?」
「樹だぁ!」
「玲士!無事で良かった!」
嬉しそうに樹に飛びつく玲士!いくら無事だろうと思っていても心配ではあったからね、玲士が嬉しそうで俺も嬉しいよ……。
「じゃあ俺このままコイツら連れて恵斗のところ行くから。えっちゃんくーちゃん説明頼んだ」
『心得た』
『合点承知』
えっちゃんとくーちゃんは悠人さんと一緒に残るので俺達三人はそのまま恵斗の空間に向かいます。……果たしてあの二人がちゃんと説明するのかは置いておいて、俺達に一息つく時間はないらしい。
「あ、これ情報」
「ありがとうございます」
「何の情報?」
「この空間の、だな。どうも直通ルートは分かってるっぽいが帰り道までは手が回ってないみたいだったから」
「それ放浪中の成果?」
「ま、そうだな」
ただ彷徨ってた訳じゃないんだ……。唐突な有能ムーブに風邪ひくって。ぽんぽんと白い勾玉をいくつも泰誠に預けてから樹は俺と恵斗を引っ掴んで術式を起動、そのまま移動する。
「うわ大惨事」
「でも思ったよりは酷くないぞ」
「ほぼほぼバリアになってるー……」
この状況でまだマシ、っていう判定なの訳分からんよ恵斗。樹はきょろきょろと周囲を見渡して奏さんを探す。
「この辺じゃなさそうだな。恵斗、案内出来るか?」
「任せろ」
流石にここは自分の空間、恵斗は迷うことなく移動を開始したので俺達も後に続く。流石にバリアに足着けて歩く気にはならないから浮きながらね。ここまで酷いと恵斗と戦闘になるのかな……セキュリティもいるし穏便に済ませたいというか、せめて引き剥がしてから殴り合いたいところではある。
「奏さん無事かな……奏さんなら大丈夫だとは思うけど……」
「奏さんが苦戦したり負けてるイメージがつかないんだけど」
「当たり前だろ奏さんだぞ?」
「流石に打つ手がなくて待機してるだけだろ」
「それは多分そう」
満場一致で奏さんなら大丈夫だと思われてるの、信頼が厚いと取るべきかそれはそれとして対抗手段がなさそうと思われてる事実に嘆いた方がいいのか……。でも実際奏さんってシンプルな火力は高いけど細かい技量を求められる系のあれこれそれは面倒がってやらないイメージがある。
「そろそろ着くぞ。気を引き締めろ」
「っ奏さん!」
「あっ樹!?」
奏さんの姿を遠目に認識した瞬間、止める間もなく樹が飛び出した!慌てて俺と恵斗が駆け寄ろうとスピードを上げた目の前スレスレを刃が通る。…………刃?
「樹危ない!」
「恵斗!」
「不味い……!逆か!」
逆って何!?
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