29-17 「スライム Lv100(その六)」
「俺が知る限り、あれは鏡水家の技能だ」
「あ、やっぱそうなんだ」
「ただあそこまで範囲が広いのは見たことがないし、ここまで威力が大きいのも見たことがない」
「悠人さん強すぎんか」
そりゃ悠人さんだもの強くて当たり前よね……とは思うがそれはそれとして強すぎるので少しくらい手加減してほしい。まぁこの状況下で手加減とか戯言ですけど。
「五行召喚とか属性召喚とか言われてるけど……ざっくりいうと現象を召喚する。火事、大雨、雷、地震……思いつくものは大体」
「それで色彩じゃないの訳分からん……」
「まぁ世界が定めた防衛機構だからな」
色彩は個人に依るけど家の技能としてなら才能に準じることが出来る、まぁそんな感じか……?ゴメン自分で言ってて良く分かんねぇわ、ただ多分才能の部分ってこの召喚技能が使えるかどうか、ってのは大きそうよね。
「幸い俺は対抗手段側だ、この規模を対処するのはほぼ無理だけど」
「頑張れよ対抗手段」
「恵斗ならまだしもなぁ」
「お前も恵斗の一部やろがい」
「一部でどうにかなる訳ないだろ」
そうかぁ?それ言ったら悠人さんは現在三分の一だと思うんですけど、半分と三分の一なら半分の方が強いと思わんか。
スライムは動かない。やっぱり自発的にこっちを攻撃する気はないみたいだな……?攻撃する気はないけど攻撃されたら二倍どころかオーバーキルする勢いで返してくる。そんでもって現象をどうこうする手段は俺にはないので恵斗が頼みの綱、と。……あれ詠唱がメインなのかな、発動条件が分かればどうにかなりそうな気もするんだけど。
「膠着状態ならまだ……」
「っまずい樹達の方に!」
「オラ俺達を無視すんなァ!!!!!」
細かいことを考えてる暇はねぇ!炎と炎の間を縫って接近、安全圏を押し広げるように上から圧を掛ける。俺も詳しくないけど空気の循環がなくなれば火って消えるんだろ?じゃあ炎の周りから空気無くすね!
「……」
「ついでにお前の音も消しとくか?召喚出来なかったらただのクソ強いスライムだもんなァ?」
『召、風』
「無詠唱でも良いのかよっ!!!!!」
強風にあおられて大きく吹っ飛ぶ。何でもありか召喚技能、とはいえ口は動いてたから……音は必要ないけど『詠唱した』っていう動作が必要な可能性もちょっとある?あ、でもさっきの炎の時よりは威力も範囲も狭いから……無音作戦は案外有効説もあるぞ、少なくとも俺達に被害出るだけで済む。
「問題は音がないと俺達の対処が後手になるってことだが……ま、なるようになるだろ!」
「おいコレ雷とか降られたら――――」
『召雷』
「どひゃー!!!?!?!?」
「言わんこっちゃない!」
始動が早すぎて対処出来ないのは聞いてねぇんですわ!おい雷なんて直撃したら髪がアフロになっちまうだろ。避雷針でも立てとく?
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