29-16 「スライム Lv100(その五)」
「えっちゃん起きて。余だよ」
「うーん……」
「流石にそんなすぐには起きねぇか……恭也、えっちゃんの意識が戻るまでちょっと時間稼ぎしてくれや」
「別にいいけどまだ学習される感じ?」
「いや、もう大丈夫そうだ」
そりゃ朗報。学習される心配がないならこっちもあの手この手でケンカを売れますわ。まぁ俺だけじゃ心許ないし恵斗も連れてくね。恵斗も今ここで出来ることはない、と判断したのか大人しくついて来てくれた。
「とはいえなぁ……あれスライムが人型になった……っていう認識で良いのかな」
「流石にそれで済むほど簡単ではないだろ。ほぼ悠人さんだと思っていいかもしれんぞ」
「ヤダー」
今のところは敵対意思がないというか……こっちに興味はなさそう。まぁこれから俺達が先制攻撃するんで意味はないんですけど。せめて斬撃耐性はなくなっててくれ。
「ま、様子見がてらいっちょやるか……サポートは任せた!」
「絶対役割逆だろ」
突っ込みは入れられたがもう俺は動き出してる!一気に距離を詰めて正面……じゃなく背後から奇襲!勢いよく斬りかかったが見えない壁に遮られた!
「かっ……うわはっや!?」
俺の動きが止まった瞬間動き出すスライム。思ったより俊敏な動きだな!顔面に向かって飛んできた拳は壁作って防いでそのまま大きく飛び退く。そのまま様子見……したかったんだけど駄目だわ!こっちに向かってなんか飛ばして来てる!
「うわうわうわうわ!」
「気を付けろ恭也!足元溶けてる!」
「うわー!!?!?!?」
スライムって酸性なの!!!?!?恵斗も意識を逸らすように背後から斬りかかったが……駄目だ、見えない壁に阻まれて届いてない!
「召炎」
「ぎゃー!!!!」
急に炎が上がったんですけどぉ!?咄嗟に上空に逃げたが一面火の海!樹達の方は無事だけど……あ、恵斗も自力で躱してたわ。ちょっと範囲がデカすぎ……。
「悠人さんってそんな炎出せる……いや出せそうな人ではあるけど!火炎放射器とかで!」
「今のは純然たる召喚だったぞ」
「それは何か違うじゃん?」
せめて仕込みであれよ。召喚は管轄外でしょうが……もしかしたら鏡水家の十八番だったりする?こんな派手な技を普段使いしない理由がないじゃん。
「マジでホント正気か悠人さん……?」
「正気ではないだろ」
「いやそれはそうなんだけど!そうだよ最初から正気じゃねえわ何言ってんだ俺」
「困惑しすぎだろ」
そりゃ困惑もするよこの状況はさぁ!だって見渡す限り火の海とか奏さんでもやらないレベルだからね。ひいらぎさんが泣いちゃう。
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