7-21 「物騒代表守世樹(特に語弊なし)」
世界が溶ける。あー戻ってきたなーとか思う暇なく横から玲士がすっ飛んできた。俺が頭で反応するより先に俺の身体は玲士に衝撃を与えないように受け止めてる……最早本能じゃん。グッジョブ俺の本能。
「心配っ……したんだから……!」
「うん。ごめんね玲士」
「無茶しないって言ったのに……!」
「いやホントその通りですハイ。……ところで玲士、どうしてここに?」
「樹が、奏さんと来華くん説得してくれたぁ……」
樹の説得……それ本当に説得?説得だったりしない?いや別にここにいることを責めるつもりはないし寧ろ玲士のおかげで助かったことは否定しようがないから良いんだけどさ。
「その樹達は……?」
「ちょっとした露払いしてたぞ」
「あ、樹」
本当だ、奏さんと来華、フミもそれぞれ普通に怪異モドキと戦ってる。あー……デカい怪異だと他の怪異を引き寄せるのかね。……何で色彩持ちの中に堂々と混ざってるんだろうな樹、これで雪代としての記憶がないんだから余計に訳分からんよ。
「樹、何で戦えるの?」
「独学で覚えた。……あんまり奏さんに負担掛けたくなかったから」
あー拗れますお客様それを説明しないから拗れるんですよお客様ァ。どうしてそれを本人に言わない!!言ったところで拗れる可能性はあるけど!寧ろ高いな解散!!!!
「そろそろ全員戻ってくるし……よし」
「はい」
「恭也、そこに正座」
え、今ここd……あぁ目がマジですわ。大人しく言うこと聞いておこう……何故かサボテンマンも正座してるけど。
「え、何で正座……?」
「樹おにーさんおれもした方がいい?」
「いやフミはいい」
「……俺もしておくか」
「こっちはおわ……え、ここでするの?」
「早い方が傷は浅いだろ?」
「はぁい」
俺、奏さん、来華、サボテンマン……いやこれ明らかに色彩隠してたことによる説教のような気がするな。奏さんは遅かれ早かれこうなることを知ってたっぽいけど。
「取り敢えず先に聞いとくか。俺ァ恭也と奏さんにしか言ってないけど、サボテンと来華がそっち側ってのはそういうことだよな?」
「予想が外れてなければ」
「右に同じだな」
「よろしい、じゃあ本題に入るぞ。……とはいえ奏さんは今までの状況から察するに、俺達に情報を開示したくないんだろうなっていうのがあるから隠し事を話せとは言わねぇ。理解しておいてほしいのは、俺も玲士も、お前らが何かを隠していることについて詮索はしないが把握はしてるってことだ」
「はぁ」
「つまりどういうことかっていうと……まぁその、アレだ。下手に隠そうとして無茶するくらいなら、堂々と使え。俺達だって気付いてない方がいいなら見ないふりくらいするから」
あー……なるほどね?確かに俺は今回ばれないようにって立ち回ってたし、それで不都合……はあんまりなかったけど、今後もこういう状況になったら隠そうとして余計な立ち回りをするかもしれない。それは別に気にするな、と。
「樹と玲士は……それでいいの?」
「人にゃ隠し事のひとつやふたつあるだろ。言えないことくらいどうってことねーよ」
「うん。無理に隠そうとして怪我される方がいやだし……」
あー優しい。優しさが天元突破してるよ玲士……。奏さんがこころなしかほっとしたように見えたのは多分間違いじゃないんだろうな、樹が色彩を知ることでどうなるのか全然分かんないから。
「分かったら返事」
「はい!」
「はあい」
「分かりました」
「了解!」
うん、これ来華はともかくサボテンマンは完全とばっちりだな。本人何故か気にしてないけど。




