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リトとキアスとヨモツの話  作者: リィズ・ブランディシュカ


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第3話 ヨモツ




 ヨモツ。


 という名前は誰がつけたのだろう。


 狩猟犬の中で生まれた俺にとって、その名前の名付け親が気にならない日はなかった。


 狩猟犬というのは、まあ闇の組織というやつだ。


 人知れず、国の敵を葬っちゃう系な。


 ダークな存在感を放つ組織。





 そんな俺は、狩猟犬の中でも特殊な立場にいる。


 なんせ、外から連れてこられた者達が大勢いるなかで、俺だけが中で生まれた異分子だからな。


 妬みや羨みや哀れみやら。


 とりまく感情は複雑だ。


 けれどそんなものどこ吹く風さ。


 俺は俺、何物でもない。


 やっかみでつっかかってくる奴は、実力で黙らせ。


 哀れみの視線を投げかけてくる奴には、楽しく笑顔をふりまけばいい。


 羨みは、まあこの組織の先輩としてあれこれ、手取り足取り教えてでもやるかね。





 そんな俺にはひそかな楽しみがある。


 保健室の女医さんとの秘密の密会さ。


 っていっても、いやらしい意味じゃないぜ。


 二人して組織の中で一番高いたてものから、外の景色を眺めるだけ。


 なんともない時間だ。


 特に面白みがあるわけでもないけど。


 それは子供のころからの習慣で、日常生活に組み込まれちまったもんだから。


 やらないとどうにも落ち着かない気分になる。


 まあ、愚痴とか日々の報告とか、あっちはそれなりに楽しみにしてるらしいから。


 やれやれ今日もつきあってやるかって、感じ。


 組織の中に長年いる大人になると、色々ストレスがたまるんだろう。


 出来る人間ってのは、そういうのにも察しが良くならなくちゃな。


 珍しい血液型同士でもあるし。


 俺が怪我をした時は、女医さんは血液を恵んでくれるし、反対に女医さんが怪我をした時は俺が血液を提供する約束だ。


 世界は広いって言うけど、案外そうでもないんだな。



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