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リトとキアスとヨモツの話  作者: リィズ・ブランディシュカ


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第1話 リト



 闇組織。狩猟犬。


 それは国にあだ名す敵を粛清するためのもの。


 孤児であるものは、その組織に拾われた。


 使い捨てでも困らない駒として。


 なんせ孤児は人との関りがないからな。


 捨てるのにはもってこいの人材だ。






 リト。


 それが孤児である俺の名前だ。


 いつも笑顔を浮かべるように心掛けている。


 なにせ、世界は弱者に厳しい。


 弱々しい姿をさらしていると、すぐに食い物にしようとするから。


 だから俺は笑顔という仮面をかぶってすごすのさ。


 でも、くせになっちまって、たまに外れなくなるからちょっと怖いな。


 笑顔ってのは、慣れると結構不気味に見えちまう。


 別の感情をみせてこそ、ひきたつもんだよな。


 四六時中、浮かべているようなもんじゃない。






 俺達は、狩猟犬の元で飼い殺しにされる運命だ。


 将来ここから出る事はかなわない。


 といっても、悲観はしないさ。


 どうせならいい生活を過ごしたいよ。


 だから俺は、組織の中のお偉いさんに尻尾を振って、心にもないおべっかを舌にのせる。


 連中は馬鹿だから、俺の事をすぐに気に入った。


 追い落とされる場所にいない連中ってのは、危機感が死滅しているのかね?


 まあ、そのおかげで俺はいい思いをしているんだが。


 狩猟犬の組織の中で、特別な地位を築いた俺は「エレメンツ」というメンバーになった。


「エレメンツ」は四人で構成されているもの。


 狩猟犬で優秀な成績を残したものとか、上の人間に気に入られたものがメンバーになれる。


 俺は、能力はそこそこだから後者だな。


 組織で開発される超能力のランクもそれほどじゃない。


 四属性使えるエレメントマスターというわけでもない。


 ちょっとした風をおこすくらいだし。


 だからといって、他の実力派の者達に気後れする事はない。


 おべっかやお世辞を駆使して相手の顔色を読むのも、立派な能力ってやつだからさ。


 俺はそうやって、この組織で彼女をつくったり、友人をつくったりして、味方を増やしていった。


 連中はかわいいものだ。


 世間知らずだから、コロッと騙される。


 人を警戒しているのなんて、フリだけさ。


 笑顔の裏に怖い一面があるなんて、思いもしない。







 そんな俺はちょっとしたお小遣い稼ぎをしている。


 それは反抗分子とか脱走を画策している者達の発見と報告。


 孤児である俺達が、それも闇組織の事情を知ってしまった俺達が、外の世界で生きていけるわけがないってのに。


 定期的にそういうつらがあらわれるんだよな。


 俺はそのたびに、連中の存在を発見・報告。


 お礼に上からお小遣いをたんまりともらっているってわけだ。


 どうだ、なかなか充実した生活だろう?


 羨ましいっていっても、代わってあげられないね。


 スマートにやってるように見えるけれど、俺だってちょっとは苦労してこの立場にいるんだ。


 まあ、せいぜい俺の真似でもして、死なないように頑張りな。


 教えてはあげないけど、見て学ぶ分にはいくらでもOKだからさ。

 

 そうすればハニー、愛しの君も俺みたいになれるかもな。



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