転落 雀は愛を知らない②
過去の話になります
彼が告白した三か月前
その日の帰り道の出来事です
その告白をした日
彼女の金色の瞳が悲しそうにしていたことを
忘れられず
僕は泣いていた
彼女の金色の長髪が好きだった
彼女の瞳が好きだった
笑顔が好きだった
話した時の仕草が好きだった
例え、負けが決まっていたとわかっていも
この思いは忘れることが出来なかった
歩く足はいつもと違う道を通り
涙が枯れてから帰路につこうと考えていた
僕の眼前にそれはあったのだ
商店街から少し離れた空いた店が多いとこに
煌びやかにランプが光るお店
怪しげに見える人形たちは
あまりにも人間に似すぎていて怖いほどだった
『・・・』
枯れた涙に驚きつつも
その眼前の光景を信じられず目をこすり
店の看板を見てみる
『ラブ、、、ドール?』
怪しげすぎるにもほどがある名前のお店
取り扱っているものはロクでないかもしれないとわかりつつも
気づいたら
店内にいたことは驚くまでもなかった
ガラスケースに何体もの等身大の人形がならび
そのどれもが美しい美女や美男子のもので
ざっと20体近くも並んでいた
『あの、、、』
と、声をかけるも誰も出てこず
困って周りを見ていると
すべての人形が目を閉じる中で
一つのゴスロリの中学生くらいの少女の人形が
目を半開きにしてこちらを見ているようだった
金色のツインテールに瞳
あまりに好きな女性に似ていたためか
僕はしばらく目を離せなかったため
後ろに近づく彼に気づけなかった
『おや?、、、お気に召しましたかな?お客様』
振り返ると
白のタキシードにシルクハット
顔の一部を包帯で巻き片目を隠しているような美男子が現れた
病的に白い肌と赤い瞳だが
とても、人として魅力的に感じる
にこりと笑った彼は
白い手袋をしていて
その手を差し出してきた
『私はケイン、、、ここラブドールのオーナーにして人形を販売しているものです』
と丁寧に言われた
僕は手を取り
転落 雀です、、、と軽く自己紹介をする
ケインは僕の目をみると興味深そうに覗いていた
彼はそしてこういう
『その人形のお買い求めですかな?』
僕は人形のガラスケースを見て値札を見つける
そこには見たことないような0の数が並んでいて
軽く100000000以上はしたため
僕は必至で首を横に振った
それを見たケインは笑ってこういった
『実は個人的にお客様を気に入りまして、、、
どうでしょう?転落 雀くん、、、ここで、バイトをしませんか?
お人形代分とは言いません、、、
ここで構えている半年、、、
もしくは、もっと早いかもしれませんが
ここにいる間、店番をしてくださればいいです
終わり次第、ノルマとしてこの人形を差し上げましょう!』
『・・・』
正直、冗談ですよね?
と返したくなったが
返せなかった
僕は目の前の素敵な人形に心を奪われ
そして、こんなうまい話があるならと
2つ返事で了解してしまったのだ
彼の持っていたガラケーと
僕のスマホで連絡先を交換し
先輩であるメイド姿をした女性を紹介されて
返された
『・・・』
夢のようなひと時で現実とは思えなかったが
次の日からもその店に入れて
ケインさんの笑顔を見ると
夢でないと安心できた
学校には内緒にしているが
それでも大丈夫なような時間で働けたので
家族には部活を始めたと嘘をついていた
僕は、ガラスケースの中にいる
目当ての人形を見て
今回の恋に踏ん切りになるきっかけにしようと
決意した、、、
さて、その話の経緯を
しっかりと話したのだが
天野はいまだにこいつ何言ってんだ?って
顔をやめてくれなかった
次回もこの話の続編を書いてから
次は別の視点を入れて話を書こうと考えています




