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読んで戴いてありがとう。


拙い文章ですが精一杯、書きます。


出来れば感想を下さい。


まだ戴いた事が無いので。

ねえ、クロウ。

ロロ姫は何やってるの?

どう見てもオジサン相手にケンカ売ってるようだけど。


『うむ、我にもそうとしか見えぬな。』


お城に帰る途中で見つけたのは街の人に因縁つけてるロロ姫だった。

聞いてるとどうやらどこぞの職人さん。

出来上がった品物をお店に届ける途中らしい。

それのどこが気に入らないのか。

その品物を置いて行けと、まるでカツアゲ状態だね。

おいおい。

剣に手を掛けない。

睨みつけない。

それじゃ強盗だよ。

あの『非常識の塊有り得ないスケベ親父』はどんな育て方したんだ。

面倒くさいしお腹も空いたから早く帰りたいけど。

う―――ん、やっぱ拙いっしょ。


ちょっとロロさん。何してるの。


「あら、この事件は私が解決いたしますわ。手を出さないでください。」


事件。

その事件と云うのは貴方の行っている強請り、恐喝、強奪とかですか。

その人は職人さんですよ。

ほら、青色の木札を持っている。

これは細工師ギルドに入っている証です。

おじさん、お急ぎでしょう。知り合いが失礼しました。

ささ、早くお行きなさい、気を付けてね。


「な、何ですって。だって荷物を持って走って行くなんて盗みを働いたに違いないと・・・」


おじさんはお礼もそこそこに飛んで行った。

当然です。

期限を過ぎればお金にはならない事も有るんだから。


尚もぶつぶつ言っているこのお嬢さんにはガイでもあてがって説教の一つも呉れてやりましょうか。

クロウはクツクツ嗤うだけだ。

まあ、気持ちは判る。

他人事だと面白いよね。


他人事じゃない私はごねるロロ姫を連れて帰らなきゃならない。

放っとくとまたよそ様に迷惑をかけるのは眼に見えてるし。

やれやれ、自覚のない奴って困るよね。

周囲が。

あら、そう云えば貴方の管理責任者はどうしました。


えええっ、勝手に出て来たの。

しかも無断で。

これは大変、早く帰らないと。

良いですかロロ姫、良くお聞きなされ。

貴方は一国の王女様と呼ばれる身ですよ。

一人で外をうろつく御身分じゃないでしょう。

何かあったらランスロット様の責任問題です。

こんなに陽も落ちてきてると云うのに。

ええい、仕方が無い。

この広場なら良いか。


「光よ、此処に具現せしめよ。」


右掌に現れた小さな、だが眼を射る様な光球を思い切り高く打ち上げる。


フラッシュのように瞬きを繰り返したそれがひときわ大きく光って消えた。


う―――ん。眩しいぜ。


あらま、腰が抜けましたかロロさん。

修行が足りませんね。

こんなものは音も無いしちょっと眩しいだけで差しさわりも在りませんぜ。


ほら、お迎えが飛んで来ました。

相変わらずキレの良い動きで何より。


偉いぞゼル・・・・・・・って、何でぶつ?






弓月の怒るは致し方なかろう。

訳も聞かずに頬を張ったのも、その強面で怒鳴りつけたのもお前だ。

街の治安とマークビル新王を擁護するために我らでは手の足りぬ処を補い、尚且つロロ姫まで捉まえてくれたと云うに。

土下座でも何でもして早々に片を着けて来よ。

お前のような図体がしょぼくれていては鬱陶しいわ。


『全くだな。弓月はそなたらが動けずにいたこの数日、たいそうな数の街の者と仲良くなったのだ。

今では城下で知らぬ者もおるまい。黒髪の自称女神は新王に力添えをしていると云ってな。』


真剣な顔で走り去って行くゼルに、実はその自称女神が、巡回警備の間に試作、試食のおやつを喰い倒していることは云えないクロウだった。





「弓月、クーヤが待ちかねているぞ。試作品の味見をしてほしいと云って。お前のサンプルに在ったちーずすふれが出来たそうだ。お前に出さないうちは俺たちも喰わせて貰えない。」


叩かれて腫れた頬っぺたはいつもは捻るガイが治してくれた。

心の傷はエルダ様が治そうとしてくれる。

その言葉でグレィス王国の、何時も困った顔をした料理長を思い出した。

そうか、頑張ってるのか料理長。

『リストランテ・ママン』のチーズスフレか。

無理やりテイクアウトするほど美味いんだよね、あれ。


よし。

パキパキ片付けてグレィス王国に帰ろう。

まずはきっとガイに苛められてるゼルを救出に行こう。


「おお。偉いぞ弓月。お前は本当に良い子だな。」


おほほほ、とんでも有りませんわ。


弓月は笑いながら扉に手を掛ける。

ゼルはひたすら謝ろうと扉を開け放つ。

扉は、実にまったく不幸な事に、内開きだった。




粗方の事が片付いたのはその二週間後。

エルダ様の肝煎りでグレィス王国からおよそ三年分の食料が時空馬車で運ばれ、料理長の開発レシピも届いた。

トーリア王国も戦争の無い治世を約束したマークビル王を支持してくれた。

べべリアの貴族や大臣たちも賛同してその日、マークビル王の戴冠式が厳かに、そして質素に行われた。



戴冠式後の披露パーティーはやはり細やかだった。

無論誰も文句は言わないが、グレィス王国の料理長からのレシピを元にべべリア王宮の料理長が作った見事な料理は誰もが満足している。


ロロ姫とランスロットが絶賛している処を見れば、直にトーリア王国もレシピ欲しさにグレィス王国までやって来るだろう。

辺境の小国グレィス王国は当分安泰だ。


ひっそりと広間の端でガイとゼルは安堵のため息をついた。



永遠に、とは云わない。

短い人の世の、僅か数世代で良い。

戦の無い時代を生きれるなら。

そんな時間を贈る事が出来るなら。

大切な人たちに。



感慨深く頷きあった時、マークビル王と近衛騎士団長がやって来た。


「これも総て皆様のお蔭です。有難う御座いました。」

「全くで御座る。」


真摯に礼を取られて二人は恐縮したが。


「あの日、弓月殿に示されなければ今のこの道を選ぶことは無かったな。」

「左様、我らの尻を叩いて下された。」


え?


「簒奪と云う言葉に脅え、国の苦しみを、民の痛みを見る勇気も無かった我らだ。」

「まこと弓月殿は大いなる力を携えて御座る。」

「グレィス王国のウェール王陛下を初め、エルダ殿にも御三方にも御助力を賜りたい。今後もどうか宜しくお願い致す。」




・・・・・・・・「「弓月――――っっ!!」」




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