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プロローグ

神殿の朝は、いつも遅い。


差し込む光が石床に届く頃には、とうに正午を回っている。祭壇には埃が積もり、供物台には蜘蛛の巣が渡っていた。かつては絶えることのなかった祈りの声も、今はもう何百年も途絶えている。


万年床の上で、女神ガイエラは寝返りを打った。


亜麻色の髪は寝癖でひどいことになっており、神衣の裾はよれてはだけている。それでも彫像のように整った顔立ちだけは、誰が見ても女神だと分かる造形を保っていた。


「……ん」


薄く目を開け、しばらく天井の染みを数える。それが、彼女の一日の始まり方だった。


大地を司る女神は、本来なら世界中の土と、そこに立つ全ての者の営みを感じ取れるはずだった。もっとも、今のガイエラがその力を使うのは、暇つぶし程度のものでしかなかったが。


ふと、遠い遠い場所で、何かが軋む気配がした。


別の世界。誰かが、命を差し出そうとしている。


普段なら気にも留めない。この手の気配は、いつだって世界のどこかにある。だがこれは、少し違った。


恐怖でも、絶望でもない。ただ、誰かを守るために、迷いなく体を投げ出そうとしている――そういう、まっすぐな気配だった。


ガイエラは、寝転んだまま片目だけを開けた。


「……こんなの、何百年ぶりだろ」


億劫そうに体を起こしながら、彼女は小さく呟いた。


「まっすぐすぎて、損するタイプの死に方じゃない、それ」


寝癖のついた頭を掻きながら、ガイエラはそちらへ意識を向けた。


――そこには、ヘルメットを被った男が一人、誰かを庇うように、前へと踏み出そうとしていた。

はじめまして!O3と申します!

よろしくお願いします('ω')


次回の更新は、7月15日 13:20を予定しています。


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【本作品のAI利用について】

本作品は「小説家になろう」の規定に基づき、生成AIを執筆・構成の補助として使用しております。


※本作品は「カクヨム」様にも掲載しております。

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