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パーキングエリアの珈琲屋

感想に加えてブックマーク50件ありがとうございます!

嬉しさゲージがMaxになりました!

これからも不定期更新の書きたい事を書いてるだけの作品ですがどうかよろしくお願いします!


 「えぇっとこんなに沢山いたのね」


 パーキングエリアを使い生存者コミュニティを形成しているとの事でローグスの案内によりクティ達は安全地帯へとたどり着いた。


 「入り口はハイウェイからの二箇所のみだからそこさえ見ていればゾンビの侵入は無いっす、それと避難場所に指定れていて色々な物資もあったし最高のアジトだったっすよ、食料がヤバくなるまでっすけどね」


 食料が足りないと言っていたもののどこにも悲壮感は見当たらずどの子供達も元気に各々やるべき事を見つけて積極的に生活しているようでクティは自身の表情が緩むのを感じた。


 「いいわね、こういうの、まとめている人の良さが浮かぶコミュニティね」


 「いやぁ、姉御にそう言ってもらえると頑張った甲斐があって嬉しいっすね」


 「まさか貴方がまとめ役なの?あぁいやその可能性は高かったけども、他の大人はいないの?」


 どこまで進んでも見かけるのは子供ばかりなのだからクティはそろそろ違和感を感じていたのだ。


 「一応1人いるっす、狙撃手の方っすよ、もう先にここについてるはずっす、多分あそこに」


 「おぅけぇってきたか!」


 ローグスが指差した建物の方をクティが見やるとちょうどドアが開き狙撃銃を背負ったクマみたいな白髪をオールバックにしたオッさんが出てきてクティ達へと声をかけてきた。

 

 「心配したんだぞ?そこの嬢ちゃんに圧倒されてるのがスコープ越しに見えてきて、んでもってその後仲良くし始めたもんだから…訳わからんよ若い子は、まぁ入りな、飲み物ぐらいなら出せるからよ」


 そう言ってオッさんは元コーヒーショップだったであろう建物の裏口へと手招きしながら入っていった。




 ずいぶんと綺麗にメンテナンスされているのか室内はまるでパニック前を彷彿とさせる光景だった。


 『うわぁ!これはすごいや!私の所じゃ余裕無くて本物なんて見た事無かったのよ、それに…や、なんでもないよ、ねぇロイド!どれかかっていきましょう!』


 廊下の角には色とりどりの花が一つの花瓶に飾られていてクティはふと誰かの言葉を思い出した。

 それと同時に一瞬ぼんやりとしているものの愛していた女性の顔が笑みに包まれる光景が脳裏によぎりクティは拳を握りしめた。

 クティは絶対記憶を取り戻さないと、と更に決意を固めたのだった。






 「適当なところに座ってくれ、あぁそれと言い忘れていた、俺の事は珈琲屋とでもよんでくれ、それで君たちの事はなんて呼べば?」


 「僕はジェイク、そっちがリリアで…」


 「クティです、なんで珈琲屋?なんとなく予想はつくけどさ」


 珈琲屋と名乗ったオッサンが台所へと入っていきながら訪ねてきた為クティはソファに腰掛け返事を返すと笑いが帰ってきた。


 「まぁここの店長だったからな、それに名前なんて今の世の中適当でも問題ないしな、お前さんも似たようなもんだろう?」


 「うん?どう言う事?」


 「あぁいやしらねぇならいいんだ、つけた奴の気が知れねぇなおっかない、つかそんな事どうでもいい、俺は探り合いが苦手でな、単刀直入に聞くがあんたらの目的は何だ?」


 「おいおやっさん!やめろよ!って姉御まで!?」


 「ママ!?」


 ローグスとリリアの驚いた声が部屋に響きジェイクは銃を構えようと手を伸ばしたもののクティはジェイクへと首を振り手を止めさせた。


 片手に珈琲を乗せたトレーを、もう片方の手に拳銃を構えて台所から戻ってきた珈琲屋と名乗った男へとクティは愛銃を向けていた。

 さっきまでの平和な空気はどこかに消え去りピンと張り詰めた空気が充満している中クティは口を開く。


 「いや、いままでこのコミュニティあんまり直視できないくらい酷かったけど貴方みたいな人がいるなら問題なさそうね」


 「うむ、ローグスは感情でしか動けないからな、そこに助けられたりもしてきたが基本的に甘すぎる、で、理由は?」


 「ちょっと用事が出来て、ここに寄ったのは気まぐれかな?」


 私じゃなくてAT05G3の気まぐれだけど、と肩をすくめるクティは愛銃をホルスターへとしまって珈琲屋のそばまで行き頭に突きつけられた銃口をものともせずに珈琲を受け取った。


 「せっかく入れてくれたのに温くなっちゃう、砂糖とミルクは?」


 「何故?この銃が見えないのか?動くのは得策じゃないだろう?言っておくが銃弾は...マジか...」


 動揺する珈琲屋へとクティソファへと深く腰掛けその柔らかさをまるで実家にいるかのような緊張感の無さで堪能しするとあくびを一つして珈琲屋へと向き直った。


 「そんなの簡単でしょう?貴方は私を殺さない、医者かも知れない人物を殺してしまったら貴方のところの重傷者はもう二度と治らなくなっちゃうかもってね」


 珈琲を机に置いたクティは驚く珈琲屋に着ているドクターコートの端を手で持ちヒラヒラと見せつけた。


 『クティ、ハッタリはほどほどにしておいてくださいよ?私の知識では補えない時が来た時面倒ですから』


 『わかってるって』


 AT05G3からの小言を払い除けながら珈琲に写る自身の顔を眺めると自然といつの間にか口角が上がっていてクティは自身がこの状況を楽しんでいる事に気がついた。


 「そうだな、ああそうだ殺さない、でも拷問して従わせる事だって…」


 苦々しげな表情を浮かべながらどうにかして情報を吐き出させようとするそんな珈琲屋にクティは笑みを引っ込め、冷ややかな目を向けて口を開いた。


 「私は外輪部隊に所属していたからかなり耐えられるわ?それこそ死ぬまでね、それに拷問なんて貴方の性分じゃないでしょうし私が捕まるとでも?表情に出てるわよ?やりたくないわって」


 「それは…クソっ...それに動きを見れば納得出来るものがある、なかなか手強いお客さんだったようだな、だとしてもこれだけ言っておく、我々に危害を加えようとしたら持てる力の全てを持って」


 「殺しにかかってくるのは結構よ、返り討ちにしてあげるから、そもそも危害を加えるメリットが見つからないわね、それといい加減珈琲に入れる砂糖とミルクは?」


 何を言ってもダメだと理解した珈琲屋はため息を一つつくと銃をホルスターにしまって珈琲を配り始めた。


 「砂糖なら在庫がある、ミルクも珈琲屋だからな、いつかくる客の為それだけは切らしていない」


 その言葉に目を輝かせたクティは久しぶりのカフェオレね!と上機嫌に呟いてスキップで台所へと走っていったのだった。

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