襲撃者
少し遅めの投稿です、申し訳ありません…
あ、あとTwitter一応やっています!
ID@TSsakuhinzuki
この小説のちょっとした設定やなんとなく適当な事呟いています。
これからもよろしくお願いします。
「君たちが中央政府に向かってるってのはどうも僕からしたらおすすめ出来なくてね、本気なのかい?」
「えぇ、それがロイドの望みですから」
ジェイクは意志の揺るがないAT05G3の瞳が視界に入りため息をついた。
そんなジェイクへとAT05G3は少し近づいて真剣な顔でじっと見つめ口を開いた。
「何かを知っている、いいえ、知ってしまったのですね…答えなさいジェイク、貴方は中央政府の何を知っているんですか?」
「いや、ほとんど噂だ、中央政府は暴走したオートマトンに占拠されたとかっていう」
「それならクティがいても話せる内容ですね、他にもあるのでしょう?」
物言わぬ圧を感じたジェイクは少したじろぎ恐る恐る口を開いた。
「あぁ、まさにその通りでもう一つ噂があるんだ、それが中央政府がハックされているって噂だよ、それも他のシティのもで何を目的としてしたのかが全くわからないんだ、だから危険すぎる」
嘘ですよね?とつい口から漏れたAT05G3は驚きに顔を染めた。
なにせそもそもこのクティ達のいる移動要塞都市と言う物ははるか昔から存在するオーバーテクノロジーの塊のような物なのだ。
今の人間には応急修理が精一杯でまだわからない事の方が多かった。
人々はいつのまにかそこに居を構えていただけにすぎず、始まりの出来事は記録には残されていなかった。
そして過去一度も中央政府と呼ばれている建造物は何者の影響をも受けずに長い間その名の通りシティの中央に鎮座していたのだ。
だからこそAT05G3は絶対不変で何があっても陥落しない中央政府がハッキングされた事に驚愕したのだ。
そんなAT05G3を見たジェイクは曇った空を見上げて続きを話し始めた。
「それで、あの軍で活動している時やたらと兵士の記憶をコピーしたオートマトンが中央政府へと輸送されていくのを見たんだ、基準に満たなかったり運用に難があるオートマトンは警備に回されていたけどね」
「それは…中央政府を奪還しようとしてるのですか?」
「あぁ、でも調べたら少しおかしな事にあの僕がいた組織には目的が二つあるんだ、一つはさっき言った中央政府の奪取、そしてもう一つは…」
そこまで言ったジェイクはAT05G3の視線が顔を動かさずに当たりを探っているのに気がつき口をつぐんだ。
そしてAT05G3からのナノチップ経由の通信が入ると持っていた銃の安全装置を外した。
『ジェイク、囲まれています、人数は13人で距離はまだありますがその内狙撃手が1人北西の古い外面のひび割れた4階建てのビルにいます』
目を合わせた2人は同時に頷くと襲ってくるであろう人達を油断させるため一芝居打つ事にした。
「うん、もうこんな暗くなっちゃってたのか、エーティ見張りはどうするかい?」
「私が引き受けましょう、夜中の3時交代ですよ、おやすみなさい」
「うん、おやすみ」
欠伸の真似をしてから追加で伸びの真似をしたジェイクはキャンピングカーへと歩き出すと1人になったAT05G3を好機と見たのか襲撃者達が接近してきた。
『僕はリリアちゃんの保護にまわるよ、エーティここは頼んだよ』
『えぇ』
野党は久しぶりですね、とぼんやりとしながら呟いたAT05G3は雲の隙間から差し込む美しい月の光に照らされ襲撃者が仕掛けてくるのをまっていた。
ハイウェイの中央政府へと続く方からは8人ほど、今来た壁方面からは4人の殺気をひしひしと浴びながらAT05G3は欠伸をした。
「軍ではないようですね、半数以上は二十歳にもなってない子供でしょう、残りは…おや、これは」
AT05G3はスキャンにより手に入れた情報を整理していると集団の1人に気になる人物がおり首を少し傾げた。
そんな少しの警戒も見せないAT05G3の背後へと音を立てずに接近する1人の事をAT05G3は気がついていたもののあえて見逃した。
「動くな、持ってるもの全部よこしな、命くらいは助けてやる」
「これはずいぶんと物騒なお客さんですね、女性を口説く時に銃口を向けるのはマイナス点だと思いませんか?」
後ろまで来た成人しているだろう男性に首元を押さえられ右頭頂部に拳銃を当てられていると言うのにそう言い放ったAT05G3に襲撃者達の中で思わず笑いが生まれた。
「おい嬢ちゃん、俺はお前みたいな傷物には用がねぇんだ、さっさと出しやがれ!あっちの男も殺すぞ!」
「断りますよ、そんな横暴なんて私が許すとでも?はっ!」
そう言ったAT05G3は身体を捻り力に任せて男を引き剥がすと素早く隣のトラックの物陰へと身を隠した。
「クソ!なんて馬鹿力だよ!?」
AT05G3は悪態を吐く男を無視して車の影から影へと移動しながら未成年と思われる襲撃者達を順に殺さずに無力化していく。
「クソクソクソ!お前ら逃げろ!」
悪態を吐きながら時折車の影から見えるAT05G3を男は消音器付きの銃で狙撃するものの当たらない、焦って狙撃手へと合図を出すものの射線が通らないのか援護は来なかった。
「クソ!こんな所で!」
「はーいそこで終わりだよー、手を頭の後ろに、両膝をついて跪いてね、そうしないと頭に風穴開いちゃうかも」
キャンピングカーの影からジェイクがアサルトライフルを構えながら姿を表しそれを見た男は歯が割れんばかりに噛み締め睨みつけた。
「いい所だけ取るのですね、そこもう少し右に逸れると狙撃されるので気をつけてくださいよ?」
「わかってるよ〜いやそれにしてもいい装備持ってるね、君」
「ぐっ…あいつらを、あいつらをこれ以上殺さないでくれ…」
悔しげに顔を歪める男は、薄汚れているものの中央政府を警備する隊に配られる装備を身につけていたのだった。




