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中央政府目指して

お久しぶりです、約一週間ぶりでしょうか。

今週は少し忙しい為多くて四話、少なくて三話の投稿になります。


今回から新章突入です、これからもよろしくお願い致します!


 「ふぁぁ…おはよ…んー…んー…なんかあたまいたいー…」


 お酒により二日酔いの気分を存分に味わっているクティは毛布を手繰り寄せながらぼんやりとAT05G3の事を一瞬見たものの毛布の中へと戻っていった。


 クリティカルヒットである、AT05G3は心の中でガッツポーズをキメた。


 「可愛ぃ…ほらほら起きないと、おはようございますクティ、朝食が出来ていますよ」


 「メニューは?」


 「これです」


 朝食と言うワードに反応して飛び起きたクティはAT05G3が手のひらに乗せて見せてきたものを見て泣きそうになった。

 そして頬を膨らませ駄々を捏ね始めるクティを微笑ましい表情を浮かべながらAT05G3は激写した。


 「うぅ…クラッカー5枚なんて嫌よ、甘い物をよこしなさいよ!」


 「今はこれしか無いんです、それに人間のジェイク優先ですよ」


 「ほうだほうだーしょふりょうはせんぶぼくのもんあー!!?あふぅ」


 犬のジャーキーをかじりながらやってきたジェイクの鳩尾に蹴りを入れたクティはその勢いで飛ばされたジャーキーを華麗にキャッチをした。


 「昨日お酒飲めなかったんだからおつまみくらい私がもらってもいいわよね!?」


 「クティが感じてる頭の痛みは二日酔いだよ、お酒をのんで寝ちゃったのに…記憶ない感じかなぁ…ってそれより僕の肉返してよ!?」


 「お酒…お酒…これ二日酔い!?ぐぇ…」


 「あぁほら、お水を飲んでください」


 ふらふらとたたらを踏んだクティへとAT05G3はお水を渡してクティを椅子へと座らせた。


 「気持ち悪ぃぃ…たすけてドクぅ…ドクぅ…てあれ、ドクいなくない?」


 ようやくドクがいないことに気がついたクティは辺りを見回すとドクはおらず、ドクの使っていた武器や荷物もどこにも無く首を傾げた。


 「ドクは別行動をするようですよ、ちなみにお酒はほぼ全て、食料は6割はドクが持って行きました、残りはジェイクの分だとしてクティのはこれだけです」


 そう言ってAT05G3が差し出したクラッカーのそこそこ詰まった缶箱をクティはじっと恨めしそうに見つめた。


 「いじわる、エーティのいじわる」


 「そもそもオートマトンには食事はおろか睡眠も必要ないんですからね?」


 「きーこーえーなーいー」


 「あぁ…クティ…一応僕の食料、これなんだけどいるかい?」


 駄々をこねるクティへとジェイクが良かれと思い差し出したもののクティはげんなりとした。

 それは一日の栄養が取れるペースト状の保存食料だったのだ。

 ちなみに美味しくも不味くもないなんとも言えない味をしていたりする。

 外輪部隊にいた頃クティは大量にそれを食した経験があり見るのも億劫なほど苦手な食べ物だった。

 

 「いやよ、それを食べるくらいなら死を選ぶわ」


 「えぇ、そこまでかい?確かに素朴な味だけど割と美味しいと思うんだけど…」


 そう言ったジェイクの事をクティは毛布から顔を少し出して心底嫌そうな顔を浮かべながら睨んだ。


 「それはジェイク、あなたがそれを何百と食べてからも言えるかしら?」


 「それは多分無理だな」


 「そういう事よ…うぅ」


 クティは死んだ目をしながら頭の痛みにうめき再度毛布へと戻っていった。

 そんなクティを横目にAT05G3は身体に取り付けられた装甲を剥がしながらジェイクへと話しかけた。

 適当に付け足されたかのような装甲は実際動きにくくなってしまっていて邪魔だったのかAT05G3は容赦なく装甲を剥がしていくと小柄な手がようやく出てきたところで一度剥がすのを辞めた。


 「そう言えばジェイク、この私の今使用しているオートマトンの事についてドクから少し聞きましたがどうやら洗脳された者の記憶が閉じ込められているとか」


 「あぁ、うんそうだね、たしか囚われた母娘の娘の方だったかな、多分だいぶ上の人だよ、その人が以前視察に来ていた時に色々あってね、多分その子二度と正常に戻らないんじゃないかなって」


 ジェイクは肩をすくめ出発の為に荷物をまとめようと立ち上がったがAT05G3が不思議なものですね、と呟いたのが聞こえ立ち止まってふり返った。


 「それはどういう事だい?いやまさか?


 「二度と…えぇそのまさかですよ、いえ人間の生命力とでも言うのでしょうか、ずいぶんと凄まじいですよね」


 「完膚なきまでに洗脳と共にその子の精神は壊されたって聞いたんだけど」


 「オートマトンの私にはわかりませんがこの記憶データから何か強い意志を感じます、母親はどうなったかわかりますか?」


 「いや、捕らえられた時に既に噛まれていてね、うん、想像の通りだよ、所でその記憶データはどうするつもりだい?」


 「クティにも伝えますが、まぁとりあえず保留でしょうね、それにどこまで修復されているのかもわかりません、いきなり暴れ出されても困りますからね」


 「うん、それでいいと思うよ…あぁでクティ移動出来そうかい?無理そうなら背負って行くけども」


 「あなただけには背負ってもらいたくないわ、何されるかわからないもの、それにエーティ貴方もよ」


 「そんな!そっとさりげなく身体を弄る作戦が!?」


 隙あればクティへのお触りを試みているAT05G3は崩れ落ち、同じく罵倒をしてもらえなかったジェイクも崩れ落ち膝をついた。

 

 頭を抱えながらよろよろと立ち上がり着替え始めたクティは振り向きもせず2人へと辛辣な言葉を返すと黙々と着替える手をすすめた。

 今日のコーデネートはアリーのおすすめコーデから無造作に取り出されたドキワク学園コーデだ、白いシャツにチェック柄のスカートを身につけたクティは天使に見間違えるほどの可愛らしさを発揮していた。

 もちろんAT05G3の激写が行われる中クティは防弾チェストプレートとドクの置いていったドクターコートを羽織りリュックを背負った。


 「うん、これでよし、これからもよろしくね2人とも」


 「えぇ、可愛い姿を写真に収めるのはお任せください」


 「あぁ、僕の事は豚だと思ってこき使ってくれ!」


 「じゃあいこ!中央政府へ!」



 2人の言葉にクティは嫌そうな顔を浮かべため息をついたものの遠くに見える中央政府を見やり決意を固め出発の掛け声を上げるのだった。

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