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興奮するAI

今週もこの話を含め三話投稿予定です。


時間に余裕があれば四話目も投稿するかもしれませんが可能性は低い為投稿されたらラッキー程度に思ってくれれば…



 薄暗く狭い独房の様な場所で二人の人物が向き合っていた。

 片方は椅子に座らされ鎖に繋がれて、もう片方の人物はホルスターに収められたリボルバーをすぐ抜き取れるようにと手を添えていた。



 「ずいぶんと落ちぶれた物だねメリア」


 「それはこっちのセリフさね、そんな姿になってまで叶わぬ夢の為に胸糞悪い事を続けているのかい?ねぇアメリー」


 機械部品の除く身体のアメリーをドクは皮肉を込めて記憶に深く刻まれている相手の顔を睨んだ。

 そしてドクは医療センターにいた軍の服装を装着しているアメリーへとツバを吐き出した。


 「あぁ…何を勘違いしているのか、私はアメリーでは無い、少し忌々しいが、そのコピーで消耗品なんだよ、だからメリア、君の事は今更どうでもいいんだ」


 飛ばされたツバをハンカチで拭き取り手をひらひらとさせ至極どうでもいいという雰囲気を出したアメリーにドクはたじろぎ嫌な汗が流れるのを感じた。


 「なに…を…」


 「そうだね…私からは詳しくは言えないけれどももうすぐメリア、君は用済みになるのが決定してるんだ、それとその口調院長の真似かい?聞いているとイライラするね」

 

 リボルバーを額に突きつけられたドクはとうとうしぶとく生き残って来たもののここまでかと考えてしまった。

 何とかここを脱出出来ないかと手や足の拘束へと視線を向けるとかなりの重さの枷で床へと固定されていた。

 手枷足枷はそれぞれはめられた後に溶接されたのか鍵による解除も不可能だと見てすぐ理解でき、力なく机の上へと伏せた。


 しかし。



 「まだ!まだ終わるわけにはいかないさね!」


 だとしても、どれだけ不利な状況だったとしても最後まで足掻くとワイズエッジホテルの仲間から教えてもらったドクは起き上がり吠えた。

 

 「無理だよ、もう終わりなんだメリア、クティだったかな、あの少女頭撃ち抜かれて死んじゃったよ?仲間はもういない」


 「はっ!嘘さね!あの子が死ぬ事なんてありえないさね」


 アメリーのコピーは貼り付けていた機械的な笑みを即座に消した。

 リボルバーの撃鉄を引き上げた音が静まり返った部屋に響いた。


 「どういう事かしら?」


 「たとえ頭を撃ち抜かれようともゾンビになっても何としてでもここに来るってことさね」


 「そう、信頼しているのね…でもそんな夢見たいな事は起こりえないわ、絶対にね…ふふふ…あーっはっはっ!」


 小馬鹿にしたようなアメリーの笑い声が響く中ドクは内心その余裕も今だけさねとほくそ笑んだ。


 そして突きつけられたリボルバーが額から離されたところでノックする音が響き部屋の少し錆びた扉が開かれた。


 アメリーのコピーは腕に装着していた腕時計へと視線を向けるとドアの方向へと振り返り呟いた。


 「あぁ、もうそんな時間なの」


 「準備が出来ましたアメリー博士」


 部屋の外からどこかただの会社員のようなスーツを着た青年が顔を覗かせアメリーのコピーを呼んだ。


 「今行くわ」


 ドクは青年に促され部屋を退出していくアメリーのコピーをじっと悲しさを含んだ目で見つめ続けていた。


 「つまらないさね…アメリーじゃ無いとはね、そこまでは予想できなかったさね」


 そして数分後、静まり返った部屋にドクの独り言が小さく響いた。








 そして場所は移り変わり同時刻、クティは全身に汗をかき息も絶え絶えになりながら非常階段の中ほどで座り込んでいた。


 「エーティ…はぁ…お願いよ…はぁ…はぁ…少しだけでいいから…酸素ボンベを使わせてちょうだい…けほっけほっ…」


 『ダメです、これは人命救助の為の医療ツールです、オートマトンのあなたには使えません…汗まみれで息も絶え絶えのクティ…あぁすばらしいです…』


 ドクがピンチだなんて事を知らないAT05G3は地形スキャン機能をクティの身体だけに絞った。

 流れる汗、張り付き肌の透ける薄手のシャツ、荒い息に蒸気した顔をこれでもかと写真データや動画データとして収めた。


 「エーティ?…けほっ…使うからね!」


 クティは力はて弱々しい腕を一生懸命動かしてデータ保存に必死なAT05G3の隙をつき身体に元々ある荷物保持の為の腹部ハッチを開いた。


 突然のお腹出しにAT05G3は服の裾を捲り上げた息の荒い美少女なクティを激写さした。


 激写されている間にクティは素早く携帯用酸素ボンベを取り出し口に咥え酸素を身体へと送り込む為に酸素ボンベのボタンを勢いよく押した。


 「んーーー…ぷはっ!」


 『あぁ…ボーナスタイムは終わりですか…』


 酸素の供給によりようやく落ち着いてきたクティはAT05G3の言葉を聞きイラッとして睨みつけた。


 『その目も最高です!』


 いったい誰のせいでこうなっているんですかと悩ましい表情をするとAT05G3のさらに喜ぶ声が聞こえてきてクティは無言でまた走り始めた。




 『こんなに走ってると外輪部隊で戦ってた時の事を思い出すよ、ひたすら最初は肺が潰れるまで走り回ってた』


 『外輪部隊ですか?』


 『そう、私がまだまだひよっこで、初めて連れ出された戦場、あの頃はそうやってしか生きてこれなかったから…それとマップを見る限りここ外壁内部まで続いてそうだよね』


 『えぇ、スキャン結果によると第二防壁内部のいずれかの連絡用通路へと繋がっているかと思われます、それとクティの下着が汗で透けて眼福です』


 汗をかきドクターコートなど既にバックへと突っ込んでいたクティの胸元にはうっすらと灰色のスポブラが浮かび上がっていた。


 『うぐっ…そこまでスキャンしなくていいから!ぼ、防壁の中の通路なら監視の目は確実にあるよね!?』


 慌てて胸元を隠しバックの中に変えのまともな服装はあったかなと思案しながらクティは羞恥に顔を赤らめ階段を走り登っていく。


 『あぁ最高ですね…頑張ってクティ、あと十階層ほどの距離ですよ、それと監視に関しては古い機械でしょうから問題ありません…あぁ…天使はここにいた、私は今生きています…』


 ハックして乗っ取ってやりますと意気込むAT05G3を見てクティはジェイクさえいなければ変な趣味に目覚めなかったのにと。

 純粋な頼りになる、それこそ相棒だと胸を張って言えるAT05G3を返して欲しいと、ジェイクの事をひたすらに恨んだ。

 


 そして今のAT05G3と一緒にいる所を見られたら他人ですという事をクティは決意した。


 

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