あの頃の僕たちは
◯ソウマ
そりゃそうだろう。
君と僕は高校時代から天と地ほども違うのだから
高校の頃、サカキ氏とセンゴク君は、スクールカーストのトップにいた。
もちろん僕はそんな二人と違ってスクールカーストの最下層の最下層。
そんな最下層にいる僕たちは高校という狭い世界の中でいじめられる運命だった。
スクールカーストのトップたちに。
特にそのグループのリーダー的存在、センゴク!!
コイツだけは敵に回すと本当に厄介だった。
先輩だろうが他校の生徒だろうが、歯向かうものを殺しはしないが半殺しにして力でねじ伏せていたのだ。
だから僕たち最下層の人間は息を殺すようにこそこそと生きていた。
そいつらの目に触れないように。
なのに・・・
「お前ら、本当にうざかったからな」
僕は驚いて、センゴク・・・君に振り向いた。
「え?」
「教室でさ、こそこそ気持ちの悪いアニメの雑誌を持って会話をするお前らが俺たちは何か気に食わなかったんだよな」
僕は何も言わず下を向いた。
存在を認識されないように僕たちはこそこそと行動していたのにそのことにすら気に食わないセンゴク君たちは僕たちから雑誌や漫画を奪っては窓の外に放り投げたり、破ったり。
僕たちは何度悔し涙を流したことか。
でもサカキ氏は違った。
破れた漫画を貼り直して僕に返してくれた。
“俺もさ、この漫画好きなんだ”
そう。
サカキ氏だけは違ったんだ。