魔王と洞窟ダンジョン
岩場のダンジョン。
中は洞窟のようだが、不思議と真っ暗では無く、
夕方程度の薄暗さが保たれていた。
魔王が歩く音だけが洞窟内で響いている。
とにかく静かであり、薄暗いということもあって普通の冒険者は常に周囲への警戒は解けない。
まあ、魔法による暗視はお手の物なので魔王にとっては明るさなど問題ではない。
魔王があたりを見回しながら歩いていると、
大蛇や蜘蛛、コウモリ、アリのような魔物がいるのが見えた。
しかし、この短時間でこれだけ魔物が見つかるということはそれだけ数が多いということだろう。
ちなみに数は見た感じ、アリのような魔物が一番多く、次にコウモリ、蜘蛛、一番少ないのが大蛇といったところだ。
ダンジョンにも食物連鎖があるのだろう。
「周囲にいる魔物全部倒せばそれなりにレベルも上がるか?」
動きが速そうには見えないため、魔法で一掃もできる気がする。
同時に多数の魔法を展開するのは中々出来るものではないからそんなダンジョンの踏破の仕方をする者は本当に稀だし、魔力が持たないであろうと考えて温存するのが普通であるため、さぞ荒技に見えることだろう。
「さて、やるとするか…」
魔王は小さくつぶやくと軽く腕で宙を薙いだ。
それだけで魔物達の足元に魔法陣が浮かび、
(ザンッ)
岩の槍が突き出し、魔物達の急所を的確に貫いて絶命させた。
「いい感じだ。魔力もまだまだ残ってるし、さっさと進むとしよう。」
・・・・・・・・・
鋭い牙と強い毒を持っていても大蛇は近づく前に串刺しにされ、蜘蛛がしなやかかつ強靭な糸と強力な粘着力の糸を魔王に向かって発射しようと吹き散らされた後に串刺しにされる。
コウモリは撃ち落とされ、アリはもはや言わずもがな。
魔王のレベルも早くも160から180まで上がっていた。
「魔物が多いから楽でいいな。」
一度に多数倒せる魔王にとってこの魔物の多さはボーナスのようなものである。
全ての魔物が無慈悲な一撃で経験値になっていくのであった。
・・・・・・・・・
「おそらくここにボスらしき魔物がいるんだろうな。」
前方には薄く蜘蛛の糸が張られている部屋への入り口があった。うっすらとその先が見えるが、かなり大きい部屋のようだ。
「ボスを倒すとどのくらいレベルが上がるか確かめるとしようか。」
邪魔な蜘蛛の糸を焼き切り、ボスの部屋へ、まるでここの主かのように堂々と侵入していったのだった。




