魔王と隠し階段
思った通り、忙しかったので短いです…
ダンジョンにたどり着いた勇者パーティー+
魔王は一時停止することもなくそのままダンジョンに入っていった。
「新しい階層は確か五層目で発見されたはずだから他はさっさと通り抜けようか。」
全員が馬のような速度で狭いダンジョンの中を駆け抜けていく。飛び出した魔物は先頭の勇者に轢かれ、小さな魔物達が事故死していった。魔物が驚きで固まり、目を疑う様子は普通ならなかなか見れるものでは無いが、このパーティーに「普通」を求めても無理というものだろう。もはや存在からして普通では無い。
結局、五層目に着いたのはたった1時間後だった。広くて罠と魔物で溢れたダンジョンなので普通なら一層で1時間以上かかるはずだ。
……普通なら。
「やっと着いたね。それで、五層のどこなんだっけ?」
「地図によると、この通路をまっすぐ行って二つ目の角で右に曲がって、曲がってすぐに足元の微妙に色の違うレンガを踏んで、すぐ横の壁を押せば後方に階段がいつの間にか音もなく10秒間だけ現れるそうです。」
よく発見したなそんな隠し階段。どんな運の持ち主なんだろうか。
魔王が心の中でツッコむ。隠し階段とはいえ必死に隠しすぎである。もはや設置する意味もなさそうなほどの隠し方だ。
「皆んなちゃんと着いてきてるよね?ええっと、ここを曲がってそれから…これかな?…踏んで、横の壁を押す!」
全員が見事にシンクロしながら振り返った。
「「「「「おお…」」」」」
そこには本当に階段があった。
全員が一斉に駆け込んで行く。
全員が飛び込んだ三秒後、勇者パーティ+魔王を飲み込んだ隠し階段は何事もなかったかのように消えた。
・・・・・・・・・
隠し階段を降った先は森だった。
「ここは外なのか?」
「外に戻っちゃった…訳では無いよね?」
「奥の方!変わった感じの森がありますよ!」
見ると、普通の森の奥には背が高く、曲がったり、幹が膨らんだり、螺旋状になっていたりと奇妙な木が乱立し、一本だけそれらよりもさらに高く大きい巨木がそびえ立っている。
「そういえば魔物の気配がないね。ダンジョンの中なのに魔物がいないなんてどういうことなのかな?」
というより、辺りは魔物どころか生き物も見つからない。まるで別世界のようだ。
一行は奇妙な森を目指して歩き出した。
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