第三・五話 そろそろ先生は本気でツッコミたい
「ほうほう、今回もつかえずに読めたね」
麦茶をゴクゴク飲む矢満田君に、もはや作り笑いしか出なくなってきた私はいろいろと抑えていた。
だから、話ごとのクォリティがバラつきすぎなんだよ! 第一話と第三話に関してはぜっっったいにっ! 親かAIがやってるだろ!
「第一話と同じくらい難しいSFだね。お父さんが詳しいのかな? 矢満田君がSF好きなのかな?」
私が疑惑の眼差しを向けていることにやっと気づいたらしい矢満田君は少し戸惑いながらも答えた。
「えっと、SFはアニメをよく見ますし、お母さんにもアドバイスもらったし」
またもギリギリのラインの答えだ。確かにSFはあちこちにあるし、親の世代のアニメを見たかもしれないし、お母さんが出てきたが『アドバイス』という形に出してきた。
保護者がやるのは問題だが、チェックやアドバイスはセーフだ。本当に難しい。絵画や手芸なら普段の作品で見破れるのに作文、ましてや創作ものでは難しい。
しかし、普段の矢満田君の作品はここまでクォリティは高くなかった。頑張ったとも言えるが、やはり親かAIだろうも思いつつ、尋問する。
「SFは何が好きなのかな?」
「一番好きなのはドラえもんです」
しまった。普段は子ども向けアニメと思っているが、よく考えればあれは未来から来たロボットなのだから意識していないが、確かにSFだ。恐るべし日本のアニメ。
いやいやいや、ここでコンテンツに関心している場合じゃない。矢満田君の不正を疑いつつ、確認しているのだ。
「ずいぶんと話によってバラつきがあるね。一学期の作品より上手に書けているし、勉強したのかな?」
詰め方が甘いかなと思いつつ、尋問する。
「はい! いっぱい調べました」
ううっ、またもギリギリの答えだ。夕焼けチャイムまであと三十分、次の話で白黒をハッキリとさせよう。なんせ、いろいろと真っ黒な話なのだ。




