97 英語1では戦えない!!
電話を切ったあと、最後の力を振り絞ってスキル石を使う。もらったスキル石は6個だ。自分が持ってる色が薄いほうも合わせて10個使うことにしよう。
先に4個、適当に選んでささっと使って確認する。うん、いつも通りクズスキルだね。『前ならえ』はどう使えばいいのか、あとで考えよう。
次はもらったスキル石を試す。とりあえず1個使ってみたけど、使った感じはいつもと変わらない。身体に変化もないみたいだ。
先に全部使ってからあとで確認しようと思い、続けて習得していく。少し色が濃いくらいじゃいいスキルは出ないみたいだから、あまり期待しすぎるのはやめておこう。
全部使い終わってから身体の確認をする。やっぱり何もないな〜と少し残念に思いながらステータスをチェックする。
獲得したスキルは『相づち』『愛想笑い』『缶蹴り』『折り紙』『英語1』『皿洗い』だった。
どう考えてもダンジョンの中で使うスキルではない…。日常生活では使えるスキルだと思うけど、これでどう戦えばいいんだろう。
しかも、初めて出てきた数字付きのスキル、これもあとで確認しなくちゃダメだな。
改めてスキル一覧を見たけど、すさまじくカオスな感じになっている。掲示板で調べたけど、他の人も同じような感じらしい。
私よりもたくさんのスキル石を使っている人もいるみたいだけど、一覧はヤバいことになっていると書いてあった。
……スキル一覧は見ないようにしよう。
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真奈美と土日のダンジョンに行くのでその分平日は休んでもいいんだけど、動かないと絶対に太りそうだから平日もしっかりダンジョンで働く。
しっかり頑張ってしっかり稼いだ。???は埋まらなかったけど、レベルが13に上がって少しだけ力が強くなった気がしなくもない。
そして土曜日、朝から準備して出かける用意をしていた。今日はいつものダンジョンじゃなくて私が前に行っていたダンジョンに向かう。
仕事を辞めてからそっちの方向には全く行ってないからちょっと楽しみだ。車で真奈美の家に行って乗せたらダンジョンに行く。
ちょっと離れたところに専用の駐車場ができたらしく、車でも大丈夫になったみたい。土曜日ですぐに埋まっちゃうだろうから早めに出発することにした。
久しぶりの道でドライブを楽しみながら運転する。車の中で歌うのってなんであんなに気持ちいいんだろうね。ついつい大きな声で熱唱しちゃったよ。
たしかこの辺だったなぁーと住宅街を走り、車のナビを使いながらなんとか到着した。タイミングよく真奈美が出てきてくれたので拾って出発する。
「おはよー。今日はよろしくね。」
「おはよう。体調とか大丈夫? 疲れてない?」
「ストレスでヤバいわよ。今日は思いっ切り動くからね!!」
「お手柔らかに頼むよ。私は戦闘職じゃないからね。」
「そうなの? あっ、私の職業は普通の戦士だよ〜。」
「普通の戦士ってのがよくわからないけど、とりあえず、接近タイプだというのはわかった。」
「そうそう。剣で斬りまくるよ。」
「私はコレクターだよ。戦闘系のスキルは全くないからめっちゃ弱いからね。」
「アンタ、それで大丈夫なの? すごく危ないんだけど…。」
3階層までは行けること、ムリしないでちょこちょこやってることを説明したらわかってくれたけど、反応が良輔と一緒なんだが…。なんか納得いかん。
私がコツコツ・慎重タイプなのは知っているのでそこまでうるさく言わなかったけど、戦闘系のスキルがないからすごく心配みたいだ。私もだよって言っておいたけどね。
「一応スキル石使っているんでしょ?」
「使ってるけど、やっぱりクズスキルばっかりだよ。当たりもあるからこれからも使うけど、あまり期待はしてない。」
「オークションで買えば?」
「攻撃系のスキルってめっちゃ高いじゃん!! あんなに高額なら永遠に1階層だけで活動するほうがいいよ。」
「あぁ~、たしかに高いね。」
少し前に探索者アプリでスキル石の売買ができるようになった。オークション形式で間に探索者協会が入るので比較的安全にやりとりができると評判はいい。
スキル石は数百万から数千万円で取引されていて、ダンジョン攻略に関係ないけど当たりのスキルなどもそこそこいいお値段で落札される。
探索者協力の鑑定ができる人がしっかり確認してくれているから詐欺とかはないので、週1で開催されるオークションはとても盛り上がる。盛り上がるから値段が高くなるんだけど…。
「私には手が届かないわ。」
「慰謝料が手に入ったらオークションに参加してみようかしら?」
「もったいない…。老後のために残しておきなさいよ。」
「そんなもん、ぱぁ〜っと使っちゃったほうがいいのよ。」
ダラダラとお金の話やスキルの話などぺちゃくちゃ喋りながらドライブを楽しむ。
あぁ~、このまま帰りたいわ…。真奈美が暴走しなきゃいいけど。ちょっとイヤな予感がするわ…。
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