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なんだかんだで時間を潰してから、少女に指定された部屋に行った。
速攻でメルディナ嬢が「お姉さまぁ~」といいながら抱きついてきたが、同時にチャイムも鳴った。舌打ちした十歳児に恐怖を覚えました。
そんなこんなで昼休み、メルディナ嬢が当たり前のように私を伴って食堂へ向かう。なんでかな、時々だけど現代風の設備を見かけてビックリするんだけど。学園内だけ時代が違うんだよね。ギャップに驚かなくて良いけどギャップに驚くのよ。そういうことだ。
「本日のランチは何かしら」
「ハスティフォ殿」
「はい、シェフのおすすめが三コース、ワンディッシュランチが二コースです」
知らないからまるっと投げたらしれっと答えられた。
優秀な秘書ですわ。そりゃいままで隣に居たんだもんね、年季が違えうば対応力も違う。チラリと見たら満足げな顔で優越感に浸りながらこちらを見下してきた。いわゆるドヤ顔。なんか似合う。
「カルディアさんはなにになさいますの」
「そうですね……」
食べなくても問題ないっつーかむしろ食って大丈夫か?
消化機能働いてなさそうなんだけど。
いや、身体的な心配もあるけど、支払いはどうなるんだろう。この子が何を食べてきたんだろうかと記憶を掘り返せば、ワンディッシュランチだろうか、一つの皿に色々盛られたものを仲間と一緒に細々と咀嚼している光景が浮かび上がってきた。メルディナ嬢達の席は、日当たりの良いテラス。リシア嬢の席は食堂の端っこ、日の当たらない場所だ。
うむ、場所はどうとしても、とりあえずはいつも通りで答えるのが無難か。
「いつも通りにしようかと」
「そう。いつもは何にしているの」
くっそ! 曖昧にしてやり過ごすはずだったのに!
深掘りしてくるとは貴様、逃げ口上見逃してくれないタイプだな。そうだよな、今まさにメルディナ嬢の興味は私に向かってるんだもんな。逃しちゃくれないよな。
「ええと、ワンディッシュランチです」
「ですわよね、カルディアさんですもの」
ここぞとばかりに含みのある笑顔を見せびらかしてくるミケリア嬢。
対抗意識があったら腹も立つんだろうけど、自分の優位を確立しようと空回りしているようにしか見えないから微笑ましいものよ。上から目線ってこういうことだよね。
「そう、私もたまにはそれにしようかしら」
私としては、ふーん、で終わる話であるが、周辺の子女がざわっとした。これが戦慄きっていうんだろうか。信じられないものを見る目をしている。
そもそもワンディッシュランチってなんやねん。むしろオススメが三コースもあるシェフって優柔不断過ぎないか。
「め、メルディナ様、お具合が優れないのでしたら、デザートコースのみでもよろしいのではないでしょうか」
「別に至って正常よ。なにかしら、カルディアさんがいつも口にしているものは病人食なの?」
酷い言われようである。が、押し黙ったミケリア嬢を見て察した。
私や同列に並ぶような子達が食べているんだから、安くて不味くて量も少ないんだろう。そんなもんを公爵令嬢が口にするのか、いやでも本人が言い出したことだし、と思考しているのだろう。
そうだなぁ、私としてはお金がないわけだし、食べなくても良いわけだし、できるなら出費しない方向でいきたい。
となれば、この一団から離れるのが賢明か。分かってるんだけどトップのお嬢様が離してくれないのよなぁ。
「メルディナ様、今日はオススメコースにしたいと思います」
「あらそう?」
「はい、せっかくメルディナ様とお近付きになれたのですから、メルディナ様がいつも召し上がっているものを知りたいのです」
「そ、そう。なら仕方ないわ」
さて、まずは軌道修正完了と。
表向きは私が憧れている風を装う訳だからこういった方が良いだろう。既に色々と手遅れ感はあるけれど。
シェフのオススメと聞いて、伯爵の娘がさっと指示を出す。気まぐれを起こさないように、先に注文してしまう算段だろう。
よしよし、そんじゃ次の一手。
「……恐れ入りますメルディナ様、少し、忘れ物をしたみたいです」
「あら、何かしら」
「その、必要なものを。取りに戻りますので、先に召し上がっていてください」
答えを待たずに群れから離れる。
去り際にミケリア嬢に目配せをすれば、何考えてるんだこいつとばかりに眉をしかめられたが、それならそれで好都合だと思い直したのか甲斐甲斐しくメルディナ嬢の世話を焼きはじめた。
意識高い系女子がいると面倒ごとが捗っていいですなぁ。この調子でお姉さま役も引き取ってくれたら万々歳なんだけども。難しいかなぁー。
しずしずと歩いて、教室へ向かう道を辿る。
周囲に人影はない。ため息をつけば、自分でも思いがけないくらい深かった。思わず音が出るとか相当キテるわ。
「さて、そんじゃどうしようかなぁ」
はっきり言ってノープランである。
今回は食事をしない方向で調整はしたけれど、何度も使える手法ではない。次の食事からレパートリーゼロで立ち向かわなけりゃならん。相手は子供だけど、子供故に情け容赦なく突っ込んでくるだろう。
どうしたもんかと首を捻りながら歩いていたら、中庭に面した廊下に行き当たった。
そこを通りながら、景色に目を向ける。ああ、良い天気……あれ?
どこかで見たことのある頭がある。
そんなことを思った瞬間にそれは起こった。
「パパーン!」
「……! ……!」
口を押さえるのが間に合って良かった!
っていうか転生者のパパさんじゃん。こんな所で何してるんだろう。
すみません、本当はもっと長くするべきなんですが…ボリューム足らんし中身が薄くて満足できんし。
この先をどうしようか思い浮かばなくて…最終地点はあるんですが、そこに行き着くまでがなんとも。
とりあえずテンプレるとつまらなくなるので避けようとは思っていますが既に設定がぐだってるので無理のような
いつもお読みいただきありがとうございます。




