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デブだと処刑される世界で、カロリー最強の勇者になった件 ~魔物を喰って強くなるぽっちゃり勇者は、食=幸せを取り戻す~  作者: あきかたりれお
第二章マナフィールド

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第13話フェジョアーダの誘惑

よく煮込まれたホロホロ肉と豆。舌触りのいいスパイスの香りが鼻から抜けていく。


「うんめぇえええ!!美味ぇ美味ぇ!美味すぎんだろフェジョアーダ!」


ガツガツとかき込む。


「濃い味付けだからご飯との相性も抜群だな!オカワリ!」


「オカワリすな!」


コロネにチョップされた。痛い。


「気に入っていただけて光栄ですわ。あちらにたくさんありますの。お食べになります?」


「お食べになります!」


「駄目よぽっちゃり勇者!」


「コロネも行こうぜ〜マジで美味いからよ〜」


「どう考えても怪しいわ。このマカロンって女、わざと私達に近づいたのよ。どんな罠があるか分からない。命と飯。どっちが大事なのかよく考えなさい」


「飯」


「うぉいっ!……はぁ。そんなに美味しかったの?私の料理より?」


「コブラよりは美味かったな」


「……そう、勝手にしなさい。どうせ私の料理はまずいわよ」


「何拗ねてんだ?コブラの元が不味いってだけで お前の料理不味いとか言ってねぇよ」


「うるさいわね。アンタなんかそこの女に丸焼きにでもされたらいいのよ」


「へーへー。何言われたって俺は自分の食いたいに従うまでよ。コロネはどうすんだ?」


「私は要らないわ。ここで待ってる」


「わーったよ。マカロン、飯は?」


「こちらですわ」


ったくコロネは他のやつの飯が出てくると不機嫌になりやがる。料理人なら美味い料理は好きなんじゃねぇのか?料理人としてのプライド?めんどくせぇヤツ……


「あの、実はわたくしフィールドの入口でモウギュウから助けていただいた者ですの」


「あぁ、あの時の」


「はい。あの時の力強いパンチは忘れられませんの。ですからどうしてもお礼がしたくて……」


「くるしゅうない。腹いっぱいのフェジョアーダを頼む」


「はいっ。あの、お名前をお聞きしても?」


頬を赤らめたマカロンに両手で手を握られる。ダイナマイトな胸が寄せ集まり、立派な谷間が。


男として見てしまうのは不可抗力だ。


「俺は大河だ」


「タイガ様。良きお名前ですわね。さ、こちらです」


導かれたのはグツグツと煮込まれるフェジョアーダの鍋。


「気に入っていただけて嬉しいですわ、タイガ様。わたくしの料理をおなかいっぱい食べてくださいまし」


「よっしゃー!いただきまーす!ガツガツッ」


「本当にいい食べっぷり。見てるだけで幸せな気持ちになりますわ」


「分かってんじゃねぇか。食う=幸せだぜ。ちなみにこれ何の肉なんだ?これも魔物か?」


「まさか。家畜の牛や豚ですわ」


「にしちゃ美味い。ボーノ国で食ったやつは味気なかったぜ。カロリー制限っつーのがあるんだろ?」


「はい。ですから我が家ではこちらのエキスを開発しましたの。カロリーはそのまま、旨味を倍増させるエレガントな代物。この鍋丸ごと食べても僅か120kcal。国の推進薬品としても登録されていますわ」


「……ふーん。どおりで食っても食っても腹いっぱいにならねぇ訳だぜ」


わたくしはこのエキスを使ってボーノ国にお店を開きたいんですの」


「コロネと同じ夢だな。レストランか」


「コロネ?あぁ先程のバディの方。魔物食は異端ですわよ。貴方様をこんな姿にしたのも、そのコロネという女のせいなのですわね……お可哀想に」


「……」


俺は空になった食器を地面に起き口元を拭う。


「ねぇ、タイガ様」


マカロンが俺の膝に跨ってくる。たおやかな胸が触れ、鼻を擽るのは香水の香り。


俺の胸はドキドキ所ではない。ムカムカとせり上がってくる、怒り。


わたくしとバディを組みませんこと?タイガ様の超パワーと私の最高級の料理があれば百人力。さらにカロリーも抑えられ、タイガ様は完璧なボディを手に入れることができる」


「あー、そういう事なぁ。コロネと俺を引き裂いて、テメェは魔物退治奴隷をゲットしたいわけだ」


耳の穴をほじり、ふっと吹き飛ばす。


「クソ程興味ねぇよ。そーゆー冒険ならな」


膝上からマカロンを下ろし立ち上がる。


「俺はコロネが作る、まだ見ぬ美味い飯をたらふく食うって決めてるんだ」


わたくしと組めば、毎日こんなに美味しい料理が食べられますわ!」


「確かに美味い。けどなぁ足りねぇんだよ。コロネが作る魔物食みたいな、全身力が漲るキモチイイ"幸せ"がよ。カロリーケチったら、当然満足度下がるわな」


マカロンの顔が歪む。


美人の怒った顔ってクソ怖いな


「私よりもあの女の料理を選ぶなんて……不味い料理しか作れない料理人は三流に決まっていますわ。大体魔物食だなんて下品でおぞましい――」


パンチを繰り出す。マカロンの鼻先に軽く触れる程の寸止め。マカロンの長い黒髪が荒ぶった。


「それ以上コロネの料理を罵ったら、女だろうと爆乳美人だろうと殴る」


「ぁ……ひっ」


マカロンはその場でへたり込んでしまった。


「コロネはお前らにとっちゃ異端かもな。だが料理人としては超一流だ。今からそれを証明してやるぜ」


















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