1/3
砂時計、花よ、象鯨
_____________________________
―――――――――――――――――――――――――――――
砂時計
さらさらさらと駈ける時
硝子の牢に閉じ込めた刹那を
たとえ琥珀の一つがあろうとも
気に留める奴は誰もいない
足されてゆく時よりも
減ってゆく時を見る
時に溺れ死のうとする滑稽さを
笑う奴がいないのは
皆、時に溺れるから
さらさらさらと駈ける時
過ぎゆく前に
一瞬の琥珀を握り締めて
_____________________________
花よ
花よ 花よ
胸よ騒めけ 心弾ませ
花よ賑わえ 私を惑わせ
春よ攫って 私を遠く向こうまで
_____________________________
象鯨
私の夢見た魂は
遥か遠く 遠くの彼方にあった
大陸のど真ん中、誰もが知るその日照りの中
ただ一つ打つ鼓動のように
私も大きなものになれたら
私の夢見た魂は
遥か遠く 遠くの彼方にあった
大海の奥深く、誰もが知らない暗闇の中
ただ一つ撓む波のように
私も揺蕩うものになれたら




