その後
数日後…
とある宿屋にて――
「しかし、なんだってアザゼルが裏で糸を引いていると気づいたんだ?」
疑問をぶつけるリアン。
「そうだな…これは、私が元魔王であるからわかったともいえる。――奴は、私の元同僚でな。あらゆる者に擬態できる特技がある。そして、擬態を扱える魔族はそう多くはない。この情報があれば、推察も付く。当然、騎士団にも擬態していただろうことは想像に難くない。」
至極当然のように語るルー。
「そうだな。確かにそのような話であれば、我々の目を欺くことも可能かもしれん。」
うなずきながら言うミュリエル。
三人は、これまでのことを思い返し、深いため息をつく。
リアンは言う
「・・・で、どうやってアザゼルを追うんだ?」
「そのことだが・・・」
ミュリエルが割って入る。
「私は、騎士団内を追う。ことが明らかになった今、騎士団内は参謀派と団長派―つまり私のことだが―に2分されている。私の手のものたちを動かせば、何か手掛かりがつかめるかもしれん」
「そうだな、ミュリエルはそっちの方を頼む」
リアンがそう答えた。
―――しかし、事はそう簡単なことでは無かった
__________________
数時間後、顔面を蒼白にしたミュリエルが宿に戻ってきた。
「だめだ・・・相手の方が一枚上手だったようだ」
「どうした、ミュリエル?」
リアンが心配そうに言う。
「すでに、聖都に新たな騎士団長が赴任していた。」
「!?」
咄嗟のことに声も出ないリアンとルー。
「・・・新たに赴任してきた騎士団長の名前は『ライト』」
「急だな」
ルーが含みながら言う。
「未だ今回の一件を公にしたくない参謀本部だ。その中に例のアザゼル、もしくはその手のものが潜んでいるのだろう。巧みに内部を操り、私を早急に排除する方向にことが動いているようだ」
「政治ってやつはこれだから・・・」
リアンが不服そうに言った。
「ことはそう簡単ではない…か…」
ルーが思案気に言った。
「そうだな・・・それなら、私とリアンが外を調査する以外に無いだろう」
「しかし、私はどうすれば・・・」
ミュリエルが食って下がる
リアンが強く言う。
「お前は、今騎士団内での立場が悪すぎる。今は静かにしているべきだ」
「・・・」
ミュリエルは何も言えなかった。




