✒ 首長海竜の削ぎ落とし肉料理
──*──*──*── 新居
解体所から戻って来たら、首長海竜の子供を見ていてくれていたマオキノの分身体が出迎えてくれた。
マオキノの分身体
「 お帰りなさいませエリ 」
セロフィート
「 キノコン、子供は温泉に離して戻りなさい 」
マオキノの分身体
「 はいですエリ 」
セロが首長海竜の子供に魔法を掛けた。
セロに言われたマオキノの分身体は、素直に[ 洗面脱衣室・温泉 ]のドアの絵を通ると手ぶらで出て来た。
マオキノの分身体
「 セロ様,マオ様、失礼致しますエリ 」
ペコリと頭を下げたマオキノの分身体は長屋から出て行った。
マオ
「 セロ、首長海竜の子供に何の魔法を掛けたんだ? 」
セロフィート
「 温泉に適応出来るようにしました。
浴室で飼いましょう。
1体ぐらいペットが居ても良いでしょう 」
マオ
「 ペット?!
首長海竜をペットにする気なのか? 」
セロフィート
「 保護すると言いました。
問題あります? 」
マオ
「 首長海竜がペット……なんか凄いな…。
珍しいし、連れ去られたりしないかな? 」
セロフィート
「 心配無用です。
調理を始めましょう 」
マオ
「 削ぎ落とし肉で何を作るんだ? 」
セロフィート
「 ワタシに任せてください。
マオはワタシが作るのを見て手順を覚えてください 」
マオ
「 分かったよ 」
セロと一緒に[ 厨房・食堂 ]のドアの絵を通った。
──*──*──*── 台所
桶に入っている削ぎ落とし肉は下処理がされていない。
セロに聞いたら、肉を下処理するのは直ぐに使わないからなんだとか。
反対に直ぐ使う肉は下処理をする必要は無いみたいだ。
確かに下処理した肉を直ぐに使った記憶は無い気がする。
着物が汚れないようにエプロンを付けて、手を洗ったら調理開始だ。
削ぎ落とし肉の大きいのは、外が側をフライパンで炒めたら、茹でる専用の透明な袋に入れた後、低温で茹でてローストビーフを作るみたいだ。
ビーフじゃないけどな!
一口サイズに切った削ぎ落とし肉は一口サイズに切った野菜と一緒に炒められた後、クリームシチューにするらしい。
一口サイズに切った削ぎ落とし肉の残りは、味付けをして小麦粉をまぶしたらカラッと揚げるようだ。
薄切りにした削ぎ落とし肉を炭火焼きにしたり──、野菜と一緒に串に刺して炭火焼きにしたり──、小麦粉をまぶして、溶き卵とパン粉を付けて油で揚げたり──、味付けをして鍋で蒸したり──、味付けしてサイコロ切りにした削ぎ落とし肉を炒めた米と一緒に炊いたり──、細切れにした削ぎ落とし肉を調味料で味付けをして、炒めて肉味噌を作ったり──。
他にも色んな料理をセロが作ってくれた。
これならオレにも作れそうだ。
セロフィート
「 マオ──、盛り付けます。
手伝ってください 」
マオ
「 うん。
色んな料理が出来たな~~ 」
セロが用意してくれた食器に料理を盛り付けたら、テーブルの上に並べていく。
今夜の料理も食べ堪えありそうだ。
マオ
「 セロ、何してるんだ? 」
セロフィート
「 匕魅呼様へ御裾分けです。
明日、献上品と持っていきましょう 」
マオ
「 明日献上しに行くんだな。
勝手に開拓してるだろ、文句言われたりしないかな? 」
セロフィート
「 言わせません。
その為の献上品です 」
マオ
「 セロが言うと、口止めの賄賂みたいだな~~。
何でも良いから早く食べたいよ! 」
セロフィート
「 はいはい。
では食べましょう 」
エプロンを外して椅子に腰を下ろして座ったら、〈 久遠実成 〉に食前の祈りを捧げた。
マオ
「 いただきま~~~す! 」
マオ
「 ──そうだ。
セロ、連行して来た海賊はどうする気なんだ? 」
セロフィート
「 実験台に使います。
丁度補充をしたいと思ってました。
グッドタイミングでしたね 」
マオ
「 可哀想な海賊達だな。
同情はしないけどさ。
離れ小島の宝は回収するんだよな? 」
セロフィート
「 当然です。
貴重な資金になりますし。
離れ小島をワタシの私有地にします。
橋を掛けて、馬車でも離れ小島へ行来出来るようにします 」
マオ
「 マジかよ。
離れ小島で何をするんだ? 」
セロフィート
「 別荘でも作りましょう 」
マオ
「 別荘?? 」
セロフィート
「 里に兵士が進軍して来る時の為に、離れ小島からも攻撃が出来るように大砲を取り付けます。
離れ小島の管理は 〈 器人形 〉に任せるとしましょう 」
マオ
「 兵士が里に進軍して来る日なんて来るのか? 」
セロフィート
「 何事も “ 備えあれば ” です 」
マオ
「 確かにな。
備えは大事だよな?
そう言えばさ、セロは首長海竜の解体をした事があるのか? 」
セロフィート
「 ワタシは無いです。
先代の中に解体狂が居ましたね。
先代の記録を見て解体方法を覚えました 」
マオ
「 解体狂のセンダイさん……。
聞いただけで、ヤバそうなセンダイさんだな 」
セロフィート
「 ありとあらゆる生物を解体してましたね。
先代と先代の実験台となった尊い犠牲のお蔭で、ワタシも難なく解体が出来ます。
先人が残してくれた記録は何1つ無駄な物はありません。
助けになりますから、有り難いです 」
マオ
「 …………じゃあさ、セロの危険で物騒極まりない実験や趣味も無駄にはならないって事か?
未来の人形達の助けになったりするって事? 」
セロフィート
「 ふふふ。
未来に活きる趣味と実験になりますね 」
マオ
「 ………………何かおっかない恩恵だな… 」
セロと一緒に夕食の料理を食べ終わったオレは、〈 久遠実成 〉へ食後の祈りを捧げた。
セロと一緒に後片付けを始める。
古代魔法で直ぐに終わらせる事が出来るけど、セロと一緒に後片付けをするのは、やっぱり楽しいな(////)
こういう何気無い時間って貴重だよな(////)
もっと大事にしたいな。




