表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/48

1話 春の油断

 間違えて、今までの小説消してしまいました・・・。

 もう一回、同じものを載せました。

春の油断


 春は眠い。本当は春に限らず眠いのだが、今日は珍しく、本当に眠かった。仕事中も結構ぼんやりして、編集長に怒鳴られていた。

 そして、春男の家のソファにつくなり、寝ていた。しばらくして、自然に目を覚ますと、まだカチカチ打っている音が聞こえている。春男のパソコンのキーボードの音だ。普段から聞いていると、それだけで分かるものなのだろうか。

「まだ、終わらないのか?」

 ぼんやりとしながら、春男の後姿に声をかけた。おかしいな、寝る前はもうすぐ終わるようなことを言っていたのに。

「んー。まだ半分かな。」

「あー、半分か。」

 ぼんやりとオレは答えたが。

「半分?」

 むっくりとオレは起き上がった。目も完全に覚めた。

「お前、だって、もうすぐ終わるって言っていたじゃないか。」

「だって、そのあと、書き直ししているから。」

 春男は振り返っていった。

「か、書き直し?なんで?誰の許可を取ったんだ!」

「君のだよ。」

「……おれ?」

「そうだよ。やっぱり気に入らないから書き直していいかって聞いたら、うんって言ったじゃないか。」

 さすがの春男もあきれたように言った。

「そりゃ、寝言だろう?」

「そう思って、本当にいいの?って確認がてらに聞いたら、いーよ、いーよって言ったじゃないか!」

「おれが?言ったの?マジ?」

「まじ。目はつぶったままだったけど、あんなにはっきり返事されたら、ただ目をつぶっているくらいにしか思わないよ。君に黙って書き直しすると、怖いからねぇ。ちゃんと聞いたからね。」

 オレは言葉もなかった。そんな記憶はまったくない。もちろん、春男が嘘をついている可能性もあるのだが、嘘をつくメリットはない。ついでに、嘘だといえるだけの根拠もなかった。なんてことを言ったのだろう!

「そ、それ、いつ終わるんだ?」

 こころなしか、声が上ずってしまう。

「んー。」

「き、今日中に書けるのか?」

 時計を見ると、もう夜もふけてきているような時間だ。今日は、あと一時間で終わる。

「僕、もう寝ようかと思っているんだけど。」

 春男は、夜、きっちり寝るタイプだ。

「書け!今日中に書け!締め切りは明日なんだぞ?」

 珍しく、本当だった。印刷会社の関係で、三日間の猶予が取れなかったのだ。いつもならあるのに、ないときに、こんなことになるなんて!

「えー。」

「えー、じゃない!書け!明日の朝までに終わらせろ!」

 夜中だというのに、オレの怒鳴り声が響いた。そして、自分をのろった。なんで言ったんだ!なんで、こんなことになったんだぁぁぁぁ!!!

 実際の声よりも、オレの心の中のほうが、おおきな声を荒げていたようだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ