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この人生、採点中  作者: 夜凪 灯
第一章 『あなたは、あなたを何点にしますか』

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50/123

Review50 塩と味噌

 翌日。


 午後六時十二分。


「本当に」


 高瀬は。


 店の前で。


 二人を見る。


「来たな」


「お前が」


 桐谷。


「行くって」


 言った」


「玲司も?」


「呼び方」


 戻った方の桐谷――。


 SYSTEM上。


『玲司』


 が。


 少し。


 眉を寄せる。


「慣れない」


「じゃあ」


「桐谷」


「どっち」


「……」


 三人。


 一瞬。


 止まる。


「もう」


 高瀬。


「面倒!」


「お前が」


 二人。


 同時。


「言うな」


「ほら!」


 店。


 入口。


 店員。


「三名様ですか?」


「……」


 高瀬。


 二人を見る。


「はい」


「三人です」


 その言葉。


 少し。


 変だった。


 三人。


 でも。


 桐谷玲司は。


 二人。


◇


 席。


 三人。


「注文」


 店員。


「味噌」


 高瀬。


「塩」


 桐谷。


「塩」


 玲司。


「……」


 高瀬。


 笑う。


「そこ」


「同じなんだ」


「何が」


「味」


「そりゃ」


 桐谷。


「元は」


「同じなんだから」


「……」


 玲司。


 メニュー。


 見ながら。


「でも」


「俺」


「今日」


「醤油」


「少し」


「迷った」


「……」


 高瀬。


 顔。


 上げる。


「マジ?」


「うん」


 桐谷。


「俺」


「迷わなかった」


「……」


 三人。


 少し。


 静か。


「もう」


 高瀬。


「違うじゃん」


「一杯目から」


「比較するな」


 玲司。


「いや」


「だって」


「同じ記憶」


「同じ人」


「だったのに」


「……」


 桐谷。


「高瀬」


「何」


「それ」


「言い方」


「嫌だな」


「……」


「“だった”って」


「何」


「俺ら」


「今」


「違う人みたいに」


「聞こえる」


「……」


 高瀬。


「違う人」


「じゃない?」


「……」


 玲司。


 少し。


 高瀬を見る。


「そこ」


「俺も」


「昨日から」


「考えてる」


◇


「じゃあ」


 高瀬。


「聞くけど」


「二人とも」


「自分は」


「桐谷玲司?」


「うん」


「うん」


「……」


「じゃあ」


「二人」


「同じ人?」


「違う」


 桐谷。


「違う」


 玲司。


「即答!」


「だって」


 桐谷。


「俺は」


「未登録領域に」


「一年」


「残った」


「……」


「玲司は」


「向こうで」


「一年」


「普通に」


「学校」


「いた」


「……」


 玲司。


「普通では」


「なかったけど」


「何が」


「高瀬」


「お前が」


「途中で」


「消えた」


「……」


「俺の一年」


「結構」


「めちゃくちゃ」


「……」


 高瀬。


「そっか」


「じゃあ」


「同じ過去」


「持ってても」


「その後」


「違えば」


「……」


「違う人?」


「違う人」


 玲司。


「でも」


「同じ人でもある」


「……」


 高瀬。


「どっち」


「知らん」


「難しい!」


 桐谷。


 少し。


 笑う。


「人って」


「そんな」


「綺麗に」


「分けられんだろ」


「……」


「先生だから」


「とか」


「兄だから」


「友達だから」


「……」


「一個の言葉で」


「全部」


「説明できないのと」


「同じ」


「……」


 高瀬。


 少し。


 黙る。


「昨日」


「ナオの」


「自己固定で」


「話したこと」


「うん」


「同じだな」


「……」


 玲司。


「俺ら」


「今」


「SYSTEMからしたら」


「最悪だろうな」


「何で」


「同じ名前」


「同じ過去」


「でも」


「別人」


「……」


「分類」


「できない」


「……」


 高瀬。


 少し。


 笑う。


「最高じゃん」


「何が」


「嫌がらせとして」


「最低の発想」


◇


 ラーメン。


 来る。


「お待たせしました」


 味噌。


 塩。


 塩。


「……」


 高瀬。


「写真」


「撮る?」


 二人。


「いらない」


「息ピッタリ!」


「伸びる」


「実用的!」


 高瀬。


 箸。


 持つ。


「いただきます」


 三人。


「いただきます」


 最初。


 一口。


「……」


 高瀬。


「うま」


 桐谷。


 少し。


 目。


 細くなる。


「うまい」


 玲司。


 止まる。


「……」


「何」


 高瀬。


「いや」


「味」


「どう」


「……」


 一度。


 もう一口。


「懐かしい」


「……」


 桐谷。


 顔。


 少し。


 変わる。


「俺」


「ここ」


「来たこと」


「ある?」


「俺は」


「ない」


「……」


 高瀬。


「俺も」


「記憶」


「ない」


「……」


 玲司。


 スープ。


 見る。


「でも」


「知ってる」


「……」


「味」


「覚えてる」


「……」


 高瀬。


「廃棄世界線?」


「多分」


「誰と」


「……」


 玲司。


 目。


 閉じる。


「……高瀬」


「俺?」


「うん」


「……」


「俺の世界の」


「高瀬」


「……」


「ここ」


「よく」


「来た」


「……」


 高瀬。


「味噌?」


「お前だけ」


「味噌」


「……」


「俺」


「毎回」


「塩」


「……」


 桐谷。


 少し。


 笑う。


「そこ」


「俺と」


「同じ」


「……」


 玲司。


「でも」


 一度。


 箸。


 止める。


「その高瀬」


「最後」


「ここで」


「変なこと」


「言った」


「……」


 高瀬。


「何」


「覚えてる?」


「……」


 玲司。


 少し。


 眉。


 寄せる。


「会計」


「終わったあと」


「外」


「出て」


「……」


『玲司』


「……」


『もし』


「……」


『全部』


『なかったことに』


『できるなら』


『そうする?』


「……」


 三人。


 箸。


 止まる。


「俺」


「何て」


「聞いた?」


「うん」


「……」


「玲司は」


「何て」


「答えた」


 玲司。


 少し。


 笑う。


「俺」


『しない』


「……」


「即答?」


「うん」


「何で」


 玲司。


 少し。


 考える。


「多分」


「全部」


「なかったことにしたら」


「……」


「高瀬と」


「喋ったことも」


「一緒に」


「仕事したことも」


「……」


「全部」


「なくなると思ったから」


「……」


 高瀬。


 胸。


 少し。


 苦しくなる。


「その時」


「廃棄世界線の俺」


「何て」


「……」


 玲司。


 高瀬を見る。


「笑った」


「……」


「それだけ?」


「いや」


 一度。


 目。


 細くなる。


『そっか』


「……」


『なら』


「……」


『俺も』


「……」


『消さない』


「……」


 高瀬。


 何も。


 言えない。


◇


「それ」


 桐谷。


「いつ」


「十二月」


「……」


 高瀬。


「俺が」


「学校辞める前?」


「多分」


「……」


 桐谷。


「じゃあ」


「廃棄世界線の高瀬」


「何か」


「消そうとしてた?」


「……」


 高瀬。


 姉。


 沙耶。


 三年前。


 自分で。


 記憶。


 消した。


「また」


「俺」


「同じこと」


「しようとしてた?」


「……」


 玲司。


「かもしれない」


「……」


「でも」


「その時は」


「やめた」


「……」


「俺が」


「しないって」


「言ったから」


「……」


 高瀬。


 少し。


 笑う。


「別世界の」


「俺」


「ちゃんと」


「人の話」


「聞いてるじゃん」


「そこ?」


 桐谷。


「進歩」


「それ禁止!」


◇


 少し。


 空気。


 軽くなる。


 その時。


 高瀬の。


 スマートフォン。


 旧式Review。



『今日の自分を、


自分でどう思う?』



「……」


 高瀬。


 少し。


 笑う。


「来た」


「Review0?」


 玲司。


「うん」


「俺らも」


「答えられる?」


「多分」


「やってみる?」


 二人。


「食べてから」


「現実的!」


◇


 食後。


 三人。


 店。


 外。


 ベンチ。


「じゃあ」


 高瀬。


「Review0」


「答える?」


 桐谷。


「何て」


 玲司。


「今日の自分」


「どう思う」


「……」


 三人。


 少し。


 考える。


「俺から」


 高瀬。


 入力。



『今日は、


桐谷が二人になった。』



「感想」


「それだけ?」


「待て」


 続ける。



『でも、


思ってたより


悪くない。』



「……」


 桐谷。


 少し。


 笑う。


「お前」


「昨日より」


「言葉」


「普通」


「何が」


「前なら」


「二人とも助ける方法」


「とか」


「書いてる」


「……」


 高瀬。


「確かに」


「今」


「ただの感想」


「うん」


「それで」


「いいんじゃない」


「……」


 高瀬。


 送信。


◇


 次。


 桐谷。


 入力。



『久しぶりに


ラーメンを食べた。』



 高瀬。


「それ」


「日記」


「いいだろ」


「続き」


『塩。


うまかった。』



「薄!」


「高瀬」


「Review0って」


「こういうので」


「いいんだろ」


「……」


 高瀬。


 少し。


 止まる。


「そうかも」


「毎回」


「深いこと」


「書かなくて」


「いい」


「うん」


「……」


「それ」


「めっちゃ」


「楽」


◇


 玲司。


 最後。


 入力。


 長い。


「何書いてる」


「見るな」


「気になる」


「見るな」


「……」


 送信。


 高瀬。


 画面。


 勝手に。


 共有。



『同じ自分に会った。


気持ち悪かった。


でも、


少し安心した。』



「……」


 桐谷。


 玲司を見る。


「安心?」


「うん」


「何で」


「俺じゃない一年」


「……」


「でも」


「同じところ」


「いっぱい」


「残ってた」


「……」


「塩ラーメン」


「好き」


「朝弱い」


「高瀬」


「面倒」


「最後!」


「それ」


「かなり」


「大事」


 桐谷。


 少し。


 笑う。


「俺も」


「安心した」


「……」


「何で」


「俺だけ」


「変になったんじゃ」


「ないって」


「……」


 三人。


 少し。


 静か。


「変わるの」


 高瀬。


「悪いことじゃ」


「ないよな」


「今さら?」


 桐谷。


「うん」


「同じ人だった」


「でも」


「一年」


「違えば」


「違う」


「……」


「でも」


「全部」


「別物でもない」


「……」


 玲司。


「それで」


「いいんじゃない」


「……」


 高瀬。


 少し。


 笑う。


「人間」


「めんどくさ」


「お前が」


 二人。


「一番な」


「また!」


◇


 その時。


 旧式Review。


 通知。



━━━━━━━━━━━━


回答数


3

━━━━━━━━━━━━


共通評価


なし

━━━━━━━━━━━━



「共通評価」


 高瀬。


「ない」


 次.



━━━━━━━━━━━━


正常。

━━━━━━━━━━━━



「……」


 三人。


 止まる。


「正常?」


 玲司。


 次.



━━━━━━━━━━━━


回答者間に


共通評価が


存在しないことを


正常と判定。

━━━━━━━━━━━━



「……」


 高瀬。


「Review0」


「本当に」


「今のSYSTEMと」


「真逆だな」


「うん」


 桐谷。


「みんな」


「同じ答えに」


「ならなくて」


「いい」


「……」


 高瀬。


 少し。


 画面。


 見つめる。


 そこ。


 一瞬。


 ノイズ。


 そして。


 知らない。


 文字。



『そうだよ。』



「……」


 高瀬。


「No.18?」


 すぐ。


 続き。



『同じじゃなくていい。』



 桐谷。


 玲司。


 画面。


 見る。


「誰」


 高瀬。


 入力。



『今いるのか』



 返事。



『いる。』



『ずっと。』



「……」


 高瀬。


 胸。


 強く。


 鳴る。



『Review0を


作った時も?』



 少し。


 間。



『うん。』



『結良と、


沙耶と、


私。』



「……」


 初めて。


 三人目。


 本人。


 自分で。


 認めた。



『名前は?』



 返事。



『まだ。』



「……」


 高瀬。


 少し。


 笑う。



『ケチ』



 数秒。



『相変わらず。』



「……」


 高瀬。


 表情。


 止まる。


 また。


 相変わらず。


◇


 その瞬間。


 玲司。


 隣。


 急に。


 高瀬を見る。


「……」


「何」


「今」


「誰と」


「話してる」


「No.18」


「……」


 玲司。


 顔。


 少し。


 変わる。


「待って」


「何」


「“相変わらず”」


「って」


「言った?」


「うん」


「……」


 玲司。


 目。


 細くなる。


「俺」


「それ」


「聞いたこと」


「ある」


「……」


 高瀬。


「誰に」


 玲司。


 頭。


 押さえる。


「廃棄世界線」


「高瀬」


「学校」


「辞める前」


「……」


「電話」


「してた」


「誰と」


「分からない」


「……」


「でも」


 記憶。


 断片。


 職員室。


 夜。


 高瀬。


 スマートフォン。


 笑ってる。


『相変わらず』


「……」


 玲司。


「女の声」


「……」


 高瀬。


 胸。


 強く。


 鳴る。


「何歳」


「分からない」


「でも」


「若い」


「……」


「沙耶?」


「違う」


「……」


「結良?」


「違う」


「……」


 高瀬。


 画面。


 見る。


 No.18。


 まだ。


 いる。


 入力。



『俺と


電話してた?』



 既読。


 長い。


 返事。



『してたよ。』



「……」


 高瀬。


 指。


 少し。


 震える。



『何を話してた』



『くだらないこと。』



『例えば』



 返事。



『ラーメン。』



「……」


 三人。


 完全に。


 止まる。


「今日」


 桐谷。


「ラーメン」


「来た」


「……」


 玲司。


「廃棄世界線でも」


「高瀬」


「ラーメン」


「話してた」


「……」


 高瀬。


 胸。


 変な。


 痛み。


 相手。



『何味が好きだった』



 返事。


 すぐ。



『味噌。』



「……」


 高瀬。


「俺と」


「同じ?」


 次。



『あなたが


私の影響を


受けたんだよ。』



「……」


 高瀬。


 息。


 止まる。


 今まで。


 自分の好きなものだと。


 思っていた。


 味噌ラーメン。


 でも。


 誰かの。


 影響?


「誰だよ」


 小さく。


 声。


 出る。


 桐谷。


 高瀬を見る。


 旧式Review。


 次。



『思い出したら、』



『たぶん』



『泣くよ。』



「……」


 高瀬。


 少し。


 ムッとする。



『泣かん』



 返事。



『昔もそう言った。』



「……」


 次.



『泣いたけど。』



「……」


 桐谷。


「高瀬」


「何」


「お前」


「泣くらしいぞ」


「うるさい!」


 玲司。


 少し。


 笑う。


「そこ」


「変わってないな」


「何が!」


◇


 その瞬間。


 旧式Review。


 画面。


 大きく。


 乱れる。


「……」


 高瀬。


 笑顔。


 消える。


 SYSTEM。



━━━━━━━━━━━━


警告。


旧式Review


過去接続率


上昇。

━━━━━━━━━━━━



「過去接続」


 桐谷。


 次.



━━━━━━━━━━━━


高瀬


失われた記憶


接続中。

━━━━━━━━━━━━



「……」


 高瀬。


「俺の?」


 次.



━━━━━━━━━━━━


復元率


3%

━━━━━━━━━━━━



「三」


 玲司。


「低い」


「でも」


 高瀬。


 頭。


 急に。


 痛む。


「……っ」


「高瀬!」


 桐谷。


 肩。


 掴む。


「大丈夫」


「大丈夫じゃ」


「……」


 高瀬。


 目。


 閉じる。


 映像。


 ほんの。


 一瞬。


 夕方。


 屋上。


 誰か。


 隣。


 女の子。


 制服?


 顔。


 見えない。


『先生』


「……」


 高瀬。


 呼吸。


 止まる。


『味噌ラーメンって』


『そんな好き?』


「……」


 自分。


 答える。


『普通』


『じゃあ今度』


「……」


 声。


 笑う。



『私が一番好きな店』


『連れてってあげる。』



 高瀬。


 目。


 開く。


「……」


 桐谷。


「何見た」


「……」


「女の子」


「誰」


「分からん」


「……」


「俺に」


「味噌ラーメン」


「教えた」


「……」


 玲司。


 顔。


 少し。


 変わる。


「制服?」


「多分」


「……」


「生徒?」


「……」


 高瀬。


 息。


 浅い。


「先生」


「って」


「呼ばれた」


「……」


 三人。


 静か。


 No.18。


 若い女の声。


 高瀬を。


 先生と呼ぶ。


 味噌ラーメン。


 Review0。


 最初の回答者。


「……」


 高瀬。


 スマートフォン。


 握る。


 聞きたい。


 名前。


 誰。


 全部。


 でも。


 画面。


 もう。


 返事。


 ない。


 代わり。


 SYSTEM。



━━━━━━━━━━━━


記憶復元


一時停止。

━━━━━━━━━━━━


理由


高瀬の拒絶反応。

━━━━━━━━━━━━



「拒絶?」


 高瀬。


 自分の。


 胸。


 押さえる。


「俺」


「思い出したくない?」


 桐谷。


 少し。


 高瀬を見る。


「頭は」


「そうなのかもな」


「……」


「でも」


 高瀬。


「俺」


「会いたい」


「……」


「誰か」


「分からんけど」


「……」


「今」


「めちゃくちゃ」


「会いたい」


 玲司。


 少し。


 笑う。


「じゃあ」


「今は」


「それで」


「いいんじゃない」


「……」


 高瀬。


「何が」


「名前」


「分からなくても」


「会いたい」


「……」


「お前ら」


「最近」


「そればっか」


「大事だから」


◇


 店。


 前。


 三人。


 帰る。


「高瀬」


 桐谷。


「何」


「味噌ラーメン」


「今日」


「うまかった?」


「うん」


「……」


「じゃあ」


「誰の影響でも」


「今」


「好きなら」


「お前の好き」


「でも」


「あるだろ」


「……」


 高瀬。


 少し。


 止まる。


「それ」


「いいな」


「何が」


「誰かから」


「もらったものでも」


「今」


「自分が好きなら」


「自分のもの」


「……」


 玲司。


「人も」


「そうかもな」


「……」


「昔」


「同じだった俺らも」


「今」


「違う」


「でも」


「両方」


「桐谷玲司」


「……」


 高瀬。


 少し。


 笑う。


「今日」


「ラーメン」


「来てよかった」


「今さら」


「うん」


「次」


「醤油」


 玲司。


「お」


 桐谷。


「俺」


「塩」


「俺」


「味噌」


「……」


 三人。


 笑う。


 もう。


 同じじゃない。


 それが。


 少し。


 嬉しかった。


◇


 その夜。


 高瀬。


 Review0。


 今日の回答。



『誰かからもらった好きでも、


今好きなら、


俺の好きでいいと思った。』



 送信。


 少し。


 間。


 返事。


 No.18。



『うん。』



 次.



『じゃあ』



『私からもらったものも』



『全部』



『捨てなくてよかったね。』



「……」


 高瀬。


 胸。


 強く。


 鳴る。



『何をもらった』



 返事。



『いっぱい。』



「……」



『一個だけ教えて』



 長い。


 少し。


 そして。



『先生を』



「……」



『辞めないでって』



『言った。』



「……」


 高瀬。


 身体。


 固まる。


 三年前。


 自分。


 教師。


 Review。


 沙耶。


 記憶。


 誰か。


 高瀬を。


 先生。


 と。


 呼ぶ。


 そして。


 先生を。


 辞めないで。


 と言った。


 次.



『でも、』



『あなたは』



『そのあと』



『私を忘れた。』



「……」


 高瀬。


 息。


 止まる。


 最後。



『だから今度は、』



『忘れないでね。』



 高瀬。


 スマートフォン。


 置けない。


 胸の。


 奥。


 理由も。


 分からないのに。


 痛い。


 Review69まで。


 残り。


 二十一。


 初めて。


 高瀬は。


 69へ。


 答えを。


 知りに行きたいのではなく。



 誰かに。



 会いに行きたいと。



 はっきり。



 思った。

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