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18.初めての暗殺

ドレスで貴公子と面会の予定が・・・。

あらすじにある攻略(暗殺)者がやって来たお話です。

今回から自称を俺ではなく私にします。これは16部分の温泉のお話にちょこっとでてきます。


「エレーヌ、また面会の打診があった。」


 またですか、今回も断れない相手か。

 断れる相手なら私に話はこないだろう。


「相手は隣国の王族の血筋で公爵の息子だ。

 隣国を代表しての公式訪問で親善目的で来ている。」

「はい。予定は?」

「明後日、王宮の一室で行う。

 うちの実家で準備してから向かおう。」



 ルーメル男爵家でメイドさんに全身を整えて貰いドレスを着せてもらった。

 相変わらずここのメイドは凄い、肌はつるつる髪はサラサラだ。

 ドレスは後で買ってくれた華やかなほうで自分でも素敵だと思う。

 鏡を見てうっとりしたわけではない。


「まあまあ、凄く綺麗、お嫁さんに欲しいわ。」

「ありがとうございます。」

「どうアレン。」

「綺麗ですね。」

「は~それだけ? もー男ってやーね。こんな綺麗な娘を前にそれだけなの?」

「母さんもう時間だから。」

「仕方ないわね。じゃ頑張ってらっしゃい。」

「大丈夫です、お見合いじゃないので。」

「そう言えばそうね。」

「ご挨拶するだけの予定ですから。」

 それだけの為にこの準備、貴族ってホント大変、頑張ったのはメイドさんだが。

 まるでフルプレートの甲冑を着こんだ気分だ。

「行こうか。」

「はい。」いざ決戦へ。


 馬車に乗り王宮へ向かった。



 王宮の一室に案内され待機となった。

 そこは応接用の部屋で豪華な家具と調度品に絵画も飾ってあった。


 それよりも気になるのはマップに赤い点があることだ。

 人間も私に悪意があり何かを実行するタイミングで赤になる。

 その赤い点が城内の離れた部屋にいるがどこだろ。


「やーお待たせして申し訳ない。

 初めまして隣国から来たネルソン・バンデルだ。」

「初めましてエレーヌです。」


 赤い点の隣にあった青い点がこちらへ向かって来る。


「綺麗なお嬢さんだ。」

「ありがとうございます。こちらへどうぞ」椅子の方へ促した。

「私は平民ですので失礼はご容赦を。」

「そう聞いてるが貴族でも通用するよ。」

「失礼します。お茶をお持ちしました。」


 追っていた青い点が入って来た。これは危険な兆候だ、どうすればいい?


「侍女さん、警護の方を直ぐにここへ呼んでくださる?」

「えっ、はい。直ぐに。」

「何か問題が?」

「ええ、あのお茶に問題がある気がする。」


 騎士がふたり入って来た。


「どうされました?」

「あのお茶を調べて下さい。」ワゴンの方を示す。

「わかりました。」

「おい、あれを。」

「了解。」


 しばらくして金属製の金魚鉢のようなものを持ってきて調べている。

 小さな魚でも入っているのだろう。


「なにか毒のようなものが入ってます。」

「そうですか、では下げて下さい。」

「直ぐに捜査します。この食器などに触られた方は?」

「いえ、私達は触ってません。この方が証人です。」

「ああその通りだ、この部屋では誰も触れてない。

 侍女もワゴンを押してきたがここでは触ってなかった。」

「わかりました、失礼します。」


 騎士はワゴンを押して出ていった。


「失礼いたしました。」

「はー城内で暗殺ですか。この国も大変そうですね。」

「いえ、狙いは私です。私の周りだけですね、こういうのは。

 巻き込んでしまい申し訳ない。」

「気にしないで、しかし良く気付いたね。匂いも普通でしたし。」

「なんとなく、そんな気がしたので。」

「あの侍女さんかな?」

「いえ、あの方は普通に持ってきただけですね。」

「たしかに不審な感じは無かったな。」


 さっきはそれどころじゃなかったが。

 一息ついて落ち着いたので男の方をよく見てみるとイケメンだ。

 こんな騒ぎのなかでも落ち着いていてさすが王家の血筋の男だ、状況をよく見ている。

 生まれながらのリア充そのもので体中から余裕が溢れている。


「聞いてはいたがここまでだとは。

 治療師は狙われるのだな、王族より危ないなんて。」

「そうみたいです。なので普段は引き籠っています。」

「騎士団の敷地に家があるとか。」

「はい。そこに家を建ててもらいました。あそこなら安心です。」


「ごめんなさい失礼していいかしら、あの侍女さん困ってると思うので。」

「そうだね、侍女は困っているだろうな。

 こんな状況だ私も退散しよう。今日は会えて良かった。」

「はい、私も会えて良かったです。」


 部屋を出て警護の騎士に案内してもらった。

 部屋の一室でさきほどの侍女が泣いていて取り調べを受けている。


「私の意見ですが、

 その方は普通にお茶を淹れて持って来ただけだと思います。

 部屋でも不審な感じはありませんでした。」

「侍女さんごめんなさいね私の事に巻き込んでしまって。」

「はい。」涙目だ。

「お茶を淹れている時に近くに誰かいなかった?」

「いました、見慣れない人が。」

「その人ね、あなたの目を盗んで何かしたのは。

 その人のことを話した方がいいわね。」

「はい。」

「騎士様この方は無実です。私はこの方の話を信じます。」

「わかりました。捜査を続けます。」

「来てくれてありがとう。」

「いいのよ、捜査が進めばあなたが無実だとわかるはずよ。

 それまで頑張って。」


 メイドには悪いが後は任せるしかない。



 ルーメル男爵家


「お帰りなさい、どうだったの?」

「はい。素敵な方でした。」


 ドレスは着替えた。

 ここでは暗殺の事は黙っておいた。団長も何も言わない。


 帰りの馬車の中


「ルーメル様、地図を用意して下さい。」

「また妖精から?」

「はい。」

「わかった。戻ったら急ぎ用意しよう。」


 騎士団の詰所で団長とふたり地図を前にしている。

 地図に印を書いた。その場所に今は赤い点がふたつある。


「ここに何かあるのだな?」

「はい。」

「今回の事件に関係が?」

「はい。」

「わかった。第二騎士団に調べてもらおう。

 またタレコミとでも言っておく。

 何かあるなら彼らが見つけてくれる。」



「シーゲル団長またタレコミだ。

 城での事件に関係していると思う。」


 アレンは地図を渡した。


「わかった。第一騎士団と連携して捜査する。

 情報感謝する。」

「後は頼む。」

「ああ任せてくれ。」


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