第5話 戦い
「我が名はアネルカ。レッドドラゴンの王である。さっそくだが死ね」
その声は低く深く。
アネルカと名乗るドラゴンはその言葉と同時に翼を1度羽ばたかせた。
台風を凌駕するその風は一瞬で村を壊滅させた。
人々吹き飛ばされ、その場に残ったのはカズトとサクラだけであった。
「どうして!どうして私たちの村なんだ!?」
「そうだな。空から見えた。これでは不満か?」
「そ、そんな理由で………」
サクラに戦意は残っていなかった。積み上げてきた色々なモノが一瞬で消える。その現実を受け入れるのができなかった。
「あの〜、ドラゴンさーん!あっ、アネルカさんか!あなたはオスですか!?メスですか!?」
いつもと変わらないテンションで声をかけたのはカズトであった。
「ふん。我に性別などない」
「なっ、グレーゾーンかよっ……。ちょっと提案なんですけど!俺と戦って負けたら何でも言う事聞いてもらえますかー!?」
「ふはははは!面白い事を言うな人間!よかろう。貴様が我に勝てればの話だがな」
「おっけ!きたぁぁぉぁ!異世界初バトル!!!燃っえってっきったっ!」
「ほんじゃさっそく」
カズトはその場から数十メートルはあろうドラゴンの頭までジャンプし、ぶん殴った。
「なっっ!?」
「ドラゴンさーん本気で来ないと殺しちゃうかもよ〜www」
「人間風情が。とっておきを見せてやろう」
「えっ?」
カズトは呆気にとられた。ドラゴンがみるみる小さくなって自分と同じ身長くらいまで縮み、人間の姿になったのである。
「これでどうだ?」
「うっっ!?」
蹴りだった。これは前の世界では味わった事のない痛みだ。
「これで死んでくれるなよ」
その声が聞こえた瞬間、カズトはぶっ飛んでいった。
急にナレーション入りました!
こんな感じでナレーションやらカズトや
らで進めていきたいです