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SLUGGERS!!  作者: ヒラコー
第3章
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2:『要らん洗礼』

「お前らさ、銃とか持ってんの?ドンパチするんなら、無いと話にならねぇぞ」

 俺はチーズハンバーグを食べながらなんとなく聞いてみた。

「一応拳銃なら普段から持ち歩いてる。あと、ケネスの家には狩猟用のショットガンがあって、マイクの家ではスナイパーライフルを見かけた」

「おっ、スナイパーライフルかぁ」

 ショーンがスナイパーライフルという言葉に反応する。

「……まぁ、使い方はイマイチ分からねぇんだけど」

「なんだよそれー」

 テーブルが笑いに包まれる。

「……にしても、ショーンはなんでスナイパーライフルに反応したんだ?」

「あぁ、俺は普段ドンパチの時は狙撃で援護する役だからな」

「へぇー!今度使い方教えてくれよ!」

「おっ、いいぞぉ」

 弟子ができたからか、なんだかショーンは嬉しそうだ。

「あ、そういや、こんなアプリを見つけたぞ」

 デイブはなんとなく携帯のアプリケーションを漁っていたようだ。デイブは携帯の画面をこちらに見せる。

「どれどれ?」

「『tracker』っていうアプリだ。電話帳登録してある相手に、自分の現在地を教えられるらしい」

「へぇー、そんなアプリがあるのか……」

「なんかあった時に、現在地教えられなかったら手伝いに行けないだろ?このアプリ入れておけば簡単なんじゃねぇかなと思って」

「なるほど……たしかにそれは便利そうだ」

「よし、じゃあ全員これ入れとこうぜ」

「おうよ」

 というわけで全員同じアプリを入れることになった。

 

 全員飯を食べ終え、俺たちは代金を払って店を出た。

「そういや、お前らこの後どうすんの?」

「俺たちは一旦帰る」

「そうか。他のギャングに絡まれないよう気をつけろよ」

「りょーかい。じゃ、またな」

「おう。またなー」

 そこで俺たちは別れた。

「……俺たちも帰るか」

「そうだな」

 俺たちも隠れ家へと帰り始めた。


 ルークたちは、喋りながら自分たちの隠れ家へと向かっていた。

「これから楽しくなりそうだよな!」

「そうだな!先輩たちとつるめるようになったし」

 楽しそうにしているルークたちをチャラそうな格好をした奴らが取り囲む。

「あ?んだよテメェら」

 ルークが目の前の奴を睨みつける。睨まれた男は不敵な笑みを浮かべ、口を開いた。

「お前ら、最近ギャング始めたらしいじゃねぇの。噂になってるぜ?」

「だから何だよ?」

「俺たちは『ラゴス』っていうグループなんだけど、知ってるよな?」

「……!」

 ラゴスというのは、この街でも相当大きい方に分類されるギャンググループで、一般人にも手を出すことで悪名高く、コンビニなどの店舗強盗なんかでもよく出てくる名前のグループだ。

「……だ、だからどうした?」

「いやぁー、ギャングの先輩として色々教えてやらないとと思って……なっ!」

「ぐふっ!?」

 ルークは突然のパンチを避けることもできず、顔面に拳を食らいその場に倒れる。

「……っ!ルーク!……ぐぁっ」

「う゛っ」

 マイクとケネスも、周囲の奴らから蹴りやパンチを食らい、地面に倒れ伏した。

「へっへっへ……コイツらには調子に乗った罰ってのを教えてやらねぇとなぁ。よし、連れてけ」

「あいよ」

「ぐっ……」

 ルークは、ポケットの中で必死に携帯を弄っていた。


 その頃、俺たちは隠れ家でゆったりとしていた。

「さーて、アイツらは上手くやってけるもんかなぁ?」

「ま、そこら辺はつるんでるんだしサポートしてやってもいいんじゃねぇの?俺ら先輩だしな」

「そうだな……」

 デイブは何気なしに携帯をいじっていると、唐突に着信音が鳴り響く。

「んお、ルークからだ。なんだ?」

「何か忘れ物でもしたのかな?」

「さぁ?」

 デイブは電話に出る。

「はい、もしも……」

『オラァっ!』

 そんな声と何かが殴られるような音が聞こえる。

「……っ!?」

 デイブが血相を変えた。

「どうしたんだデイブ?」

「まずいぞ!ルークたちが誰かに襲われてる!」

「おいマジかよ!?」

「助けてやらねぇと!……でも、アイツらどこにいるんだ?」

「分からねぇ……」

 デイブが悩んでいると、ショーンが思い出したように言う。

「……そうだ!あのアプリ!」

「あっ!」

 デイブは早速アプリを開いてみる。

「おおっ!通知が来てるぞ!」

「やっぱりか!どこだ!?」

 地図を表示してルークたちの居場所を確認し、

「げっ」

と思わず口に出してしまった。

「ここは……!」

 デイブも表示された場所を見て驚いているようだ。

 表示された場所は、ファクターストリートB-12-5にある小さな製材所。

「ここって何なんだ?」

 とショーンが聞いてくる。そうか、ショーンはよく知らないのか。

「ここは……『ラゴス』の支部だな」

「ラゴス?」

「この街でも相当大きい方のギャンググループだよ。いくつも支部があって、さながらマフィアみたいな規模だ」

「マジかよ……」

「またトンデモナイ奴らに目をつけられたなアイツらも……」

 少しだけ間があいて、デイブが口を開いた。

「……んで、もちろん助けに行くよな?」

「あたりまえだろ?」

「もちろん」

 俺たちはダチを助けないようなクズじゃないしな。

 デイブがにっと笑う。

「……だろうと思ったぜ。よし、じゃあすぐに準備だ!」

「分かった!」

「おうよ!よーし、ラゴスに喧嘩売るぞぉ!」

 俺たちは大至急準備を開始した。

 俺はワゴン車に必要な銃や弾薬を積み込んでいく。

「AK47とショットガン……ショーン!ライフルは!?」

「ちょっと待ってくれ!今組み立ててるから!」

「デイブー!サブマシンガンはあるかー!?」

「あぁ俺が持ってるー!」

「なら大丈夫か。えっと、拳銃も良し。……あ、バット!」

 俺がバットを車に積み込んだ所でショーンとデイブもやってきた。

「よし!すぐに出るぞ!一刻も早くルークたちを連れ戻さねぇと!」

「おう!」

 俺たちはワゴン車に乗り込み、すぐに出発した。


 ワゴン車は明らかに法定速度をオーバーしたスピードで、ファクターストリートへ向かって走る。

「……こりゃ、着く頃にはちょっと薄暗くなってくるな……」

 デイブは運転しながら時計をチラリと見て言う。

 現在午後5時。段々と日が傾いてきている。

「まぁ、やるしかねぇだろ。あ、でもショーン。お前は暗い中でも撃てるのか?」

「あぁ。ハンティングで暗い中で撃つのとかは慣れてるから撃てるぞ。安心してくれ」

「そうか」

「よし、もうすぐだ!お前ら準備しとけ!」

 ついにファクターストリート付近まで来たようだ。俺たちは各々自分の使う銃を手に取る。デイブはワゴン車をゆっくり道路脇に停める。

「ここから200メートルの所だ。歩くぞ」

「うぃ」

「あ、グレン、コレ持ってけ」

 デイブは俺にサブマシンガンを差し出してきた。

「お?良いのか?」

「今回は俺とお前もちょっと別行動するぞ。お前は製材所の裏から回れ。少なくとも拳銃よか心強いだろ?」

 「まぁ、ショットガンも持ってくけど、ある方が心強いな。ありがたく借りとくぜ」

 そう言って俺はサブマシンガンを受け取った。

「よし、じゃあ簡単に作戦説明だ。まず、ショーンはいつも通り高台から狙撃援護」

「分かった」

「俺は正面から攻撃ふっかけて気を引く。で、グレンは裏から入ってルークたちを探せ。もしも俺やショーンがルークたちを見つけたら、無線で教える。いいな?」

「りょーかい」

「無線の周波数はいつも通りな。よし、じゃあ行くぞ!」

「おう!」

 俺たちは作戦を開始した。

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