4 新たな現実
読んで戴けたら嬉しいです❗゜+.゜(´▽`人)゜+.゜
自分の過去を断ち切る為に流華は家を出た。
酒に溺れ、家庭を崩壊させた母親を断ち切る。
それはある意味復讐でもあった。
子供の頃から飲んだくれの母親を支えようと必死で、普通の子供のように純粋に新しい事に熱中し楽しむ事が許されなかった。
そんな自分が今は滑稽で仕方無い。
何度騙されたことだろう。
今度こそ変わるかもしれない。
時には施設に入れたこともある。
だがいつもその期待は脆く裏切られて来た。
どれ程の失望を噛み締めたか知れない。
流華は大きな溜め息を吐き尽くす。
タクシーに揺られながら移り変わる景色のように、流華自身の気持ちも移り変わって行く。
智景に近付くほど新しい価値観が現実味を増して行った。
タクシーの中で母親と智景の比重が入れ代わる。
智景を想うと言い知れない喜びが膨み、流華はひっそりと笑みを零し背凭れに身体を深く沈めた。
引戸が開くと流華は20センチ以上高いその首に腕を巻き付けて抱き締めた。
応えるように智景の腕が流華の背中に回される。
そこにはもう灰色の重苦しい現実は跡形も無く消えてしまっていた。
新しい現実は片手で流華を抱いたまま流華の荷物を玄関に引き入れ引戸を閉め鍵をかけた。
「来て」
駆け出す智景に靴を脱ぐ間も無く流華は手を引かれて長い廊下を一緒に走る。
二人が去ったあとの廊下には流華の靴がまばらに取り残されていた。
「キミの部屋だよ」
流華は目を輝かせて部屋を見渡した。
広い部屋の中央にベッドが置かれその横にナイトテーブルが置かれているだけの部屋。
それでも流華にとっては有り余る喜びだった。
溢れる喜びを満面に浮かべ、新たな現実を振り返る。
智景は流華を抱き寄せ心行くまで口唇を求め合い肌を貪る。
切な気な声を洩らす流華に、智景は更に欲情し流華の性感帯を刺激する。
理論さえ無力になる恋は、やがて狂気じみて正気を失って行く。
底の無い沼に引きずり込まれ、狂気はこの上無い幸福と云う幻想的な現実を成立させた。
読んで下さいまして有り難うございます。<(_ _*)>
さくらんぼの花が満開だったので今年は鈴なりになるのではないかと期待してるんですよ。
ご近所に配れるくらいなってほしいなあ。




